どうも、はろーぐっばい(@jubenonz)です。
野球初心者の方向けに野球を解説するシリーズ。
今回は打順編です。
サッカーのフォーメーションばりに、野球ファンの間ではああだこうだと議論が起きやすいのが打順。
人それぞれ様々な考え方や価値観があるので、確かな答えはありませんが、狙った通りの攻撃で得点出来た時の達成感は非常に嬉しいものがあります。
野球を最近見始めたという初心者の方向けに、それぞれの打順のセオリー的な役割と決め方をご紹介。
野球観戦や指導はもちろん、野球ゲームを行う際の参考にされてください。
1~9番打者の打順の役割とセオリー的な決め方【セイバー、適正】
野球では1~9番打者を3つに分類して呼称されることがあります。
- 上位打線:1~2番
- クリーンナップ・中軸:3~5番
- 下位打線:6~9番
人によっては1~6番を上位打線、7~9番を下位打線と呼ぶ人もいます。
クリーンナップの意味は、英語の「clean up(掃除する)」が語源。
塁上に溜まったランナーを返して、得点することからそう呼ばれています。
一般的には、1~2番でチャンスメイク(ランナーを溜める)して、クリーンナップ・中軸で返すオーダーを組みます。
下位打線も攻撃力が高い選手を配置したいところですが、守備との兼ね合いで、下位打線には打撃を苦手とする選手が入ることが多いです。
ただ、打線においては下位打線の存在も重要で、クリーンナップが返しきれなかったランナーをホームに迎え入れたり、上位打線の前でチャンスメイクをする役割も期待されます。
上位打線
主な役割はチャンスメイク。
「【初心者向け】これだけは知っておきたい野球のセオリー攻撃戦術7選」でご紹介した戦術をこなせる器用な選手が上位打線を任される傾向にあります。
1、2番コンビと呼ばれることもあり、二人でチャンスメイクをして、時には二人だけで点を奪うことも出来る攻撃力と連携も必要です。
歴史に名を残す1、2番コンビを知りたい方は、「プロ野球に革命をもたらした『平成1・2番コンビ』ベスト10 送りバントだけが仕事じゃない!」の記事もご覧になってください。
1番打者
【求められる役割と数字】
- 役割:出塁、ホームに生還する走力
- 数字:出塁率.370~400、盗塁20~30
トップバッター、切込隊長、リードオフマンなどと呼ばれることもある、打線のキーマン。
基本的に高い出塁率が求められ、クリーンナップの前でチャンスメイクをするのが役割です。
また、盗塁やエンドラン、ヒットで返ってこれる走力もあるのと理想的。
代表的な選手としては、イチロー選手や松井稼頭央選手が理想的な1番打者として挙げられます。
2番打者
【求められる役割と数字】
- 役割:出塁、ホームに生還する走力、走者を進める小技(バントや進塁打)
- 数字:出塁率.370~380、盗塁20、犠打20~30
出塁率の高い1番打者と、打力の高いクリーンナップの間でつなぎ役を求められる打順です。
1番打者が塁にいれば送りバントやエンドラン、進塁打などを打って、クリーンナップの前にチャンス(得点圏)を作る・拡大するのが役割。
また、1番打者が凡退した場合に、自らも塁に出られる高い出塁率があると理想的。
そのため、下位打線や1番バッターが作ったチャンスを無駄にしないために、併殺を回避できる走力があるとなおよしとされています。
西武ライオンズの栗山巧選手などがいると、攻撃の幅が広がります。
球界屈指の選球眼とイケメン 埼玉西武ライオンズの精神的支柱栗山巧選手
日本では小技が使える器用な選手を配置するのがセオリーでしたが、近年ではオフェンス力の高い選手を配置することもトレンドになっています。
セイバーメトリクスから見る最高の打順の組み方 2番強打者論は最適なのか
監督の野球観が出やすい打順です。
なぜ二番に強打者を置いたほうが効率よいのか、セイバーメトリクス的な考え方を知りたい方は私のYouTube動画もご覧になってみてください。
セイバーメトリクスから見る最高の打順の組み方~2番強打者論は最適なのか~【野球ラジオ】
クリーンナップ・中軸
チームで1番打力の高い選手を配置する打順です。
チームの得点力を左右するポジションなので、中軸に勝負強い選手がいないと、試合に勝つのはかなり厳しくなります。
チームの看板選手が担う役割で、日本プロ野球では屈強な外国人選手たちが任されることも多い打順。
【野手編】平成元年生まれが選ぶ平成プロ野球歴代”助っ人外国人”ベストナイン【2018年版】
3番打者
【求められる役割と数字】
- 役割:走者を返す勝負強さ、出塁、ホームに生還する走力
- 数字:打点80~100、出塁率.370~380、本塁打20~30
打率と長打率の両方をバランス良く持つ打者が理想的。
1、2番を返す役割はもちろん、長打力のある後ろの4、5番にチャンスで回せるだけの出塁率があるとなおよし。
4、5番ほどではありませんが、長打力があると更に理想的です。
2018年のプロ野球だと、ソフトバンクの柳田選手や、広島東洋カープの丸選手が理想的な3番バッターとして挙げられます。
野球の性質上、1~3番バッターまでは必ず初回に打順が回ってくるので、監督によっては(特にメジャー)4番よりも3番に信頼の置ける選手を配置することも。
4番打者
【求められる役割と数字】
- 役割:走者を返す勝負強さ、長打力
- 数字:打点90~100、本塁打30~40
チャンスでランナーを返す打力と、ここぞの場面で長打を放って大量得点をもたらす長打力が求められる打順。
チームの打順を決める際に、まずは4番から決める監督は多いです。
それだけ打順を構築する上で、最も重要と言える役割。
3番と並ぶチームの顔といえる選手が任されることが主です。
他の打順では好成績でも、4番になると重圧から成績を下げる選手がいるほど、プレッシャーと責任の重い役割。
そのため、チームの精神的支柱となれる選手を4番に置けるとチームは強くなります。
5番打者
【求められる役割と数字】
- 役割:走者を返す勝負強さ、長打力
- 数字:打点90~100、本塁打20~30
4番同様、チャンスでランナーを返す役割。
また、4番打者が敬遠や四球で歩かされないためにも、5番の打力が高いことが理想です。
5番打者が弱いと、3、4番が勝負してもらえずにせっかくのランナーが残塁に終わることもあるので、チームの得点力を左右する存在。
ですので、長打力よりも、ランナーを返す確実性や勝負強さが求められます。
もちろん長打力があるとなおよしです。
ヤクルトの古田敦也や西武・中日の和田一浩選手のようなタイプが理想的な選手の代表格。
下位打線
下位打線と称されますが、上位とクリーンナップが貯めたランナーを返す役割と、上位に繋ぐチャンスメイク力の両方求められるポジション。
一般的には上位打線よりも打力が劣るので、個々の力よりも監督の采配やチーム戦術で点を奪っていけると理想的です。
6番打者
【求められる役割と数字】
- 役割:走者を返す勝負強さと確実性
- 数字:打点60~70、本塁打10
クリーンナップには打力の高い選手が多いため、必然的に6番打者はランナー有りで打席が回ってくる機会が多いです。
そのため、クリーンナップが掃除しきれなかったランナーを返す勝負強さが求められます。
また、クリーンナップの選手は傾向的に足が遅い選手が多いので、それらの選手でもホームに生還できるだけの長打力(本塁打を打てる)があると理想的。
7番打者
【求められる役割と数字】
- 役割:走者を返す勝負強さと確実性、長打力
- 数字:打点40~50、本塁打5~10
6番同様チャンスでランナーを返す役割が求められます。
また、ノーアウトから7番が塁に出れば、1番打者まで回っていくので、上位に繋ぐ役割も期待されます。
監督によっては低打率だが、当たれば本塁打もあるタイプの選手を配置することも。
比較的プレッシャーの少ない打順なので、期待の若手選手などが7番で起用されることがあります。
8番打者
【求められる役割と数字】
- 役割:上位打線へのチャンスメイク、進塁打力(主に犠打)
- 数字:出塁率.330~350、犠打20~30
チームの中で一番打力の低い選手が配置されやすい役割。
ですので、ランナーがいる場合は上位打線に繋ぐための進塁打、ランナーがいなければ塁に出てチャンスメイクする役割が期待されます。
8番に入る選手は打撃よりも守備力を考慮した選手が起用される傾向。
守備負担の大きい捕手や遊撃手、投手などが8番になることが多いです。
8と9番の役割については、「【野球の打順の役割】8と9番打者(下位打線)の決め方【セオリー、セイバー、適正】 」の記事でも解説していますので、ご覧になってください。
9番打者
【求められる役割と数字】
- 役割:上位打線へのチャンスメイク、進塁打力(主に犠打)
- 数字:出塁率.330~350、犠打20~30、盗塁10~20
8番同様、打力の低い選手が配置されやすい打順。
攻撃よりも守備力を優先した選手が起用されます。
監督やチームによって、上位打線のつなぎ役として俊足の選手を配置することも。
足の速い選手が出塁して、盗塁できれば、上位打線の前にチャンスを作れるので、ビックイニングにもなりかねません。
8番にチャンスで回ってくることが少ないのなら、いっそのこと割り切って9番から攻撃を始めたいと思う監督もいます。
2015年の日本ハム・中島卓也選手のようなタイプがいると、打線の厚みが出て理想的です。
【2015年の日本ハム・中島卓也選手】
- リーグ屈指の遊撃守備(最多捕殺450)
- 出塁率:.350
- 打率:.264
- 盗塁:34(パ・リーグ盗塁王)
- 犠打数:34
まとめ
あくまで上記で説明した役割はセオリーの考え方です。
打順を決める上で大切なのは、チーム内の駒を使って最適な打線を組むことです。
松井秀喜選手のようなホームランバッターが4番にいなくても、イチロー選手のようなリードオフマンが1番にいなくても、点は取れます。
守備力も含めたバランスの良い打線を組むことが、勝利への近道です。
野球の打順に興味がある方は「【初心者向け】野球の打順の決め方記事まとめ【セイバー、戦術、役割、ジグザグ】」の記事も参考にしてください。
先発ローテの考え方は、「先発ローテは六人じゃ足りない?プロ野球で年間必要な先発投手の人数と先発投手陣の考え方」の記事をご覧下さい。
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