どうも、はろーぐっばい(@jubenonz)です。
リーグトップクラスの野手陣を擁する中日。対照的に投壊した投手陣を考えれば、補強の優先順位が高いのは投手陣です。
ただ、野手陣にも当然補強ポイントがある中で、どのポジションを優先的に補強すべきなのかは、フロントのみならず、ファンも関心度の高いところ。
新たな黄金期を作るためには、どのような補強戦略で臨むべきなのかを、2019年の中日の野手事情を考察しながら、紐解いていきます。
中日ドラゴンズの方、アマチュア野球ファン、ドラフト好きの方向けの記事です。
2019年の記事が気になる方は「中日ドラゴンズの2018年ドラフト指名予想と2019年の編成【野手編】」の記事もご覧になってみてください。
※本記事のデータや数字は、2019/8/19時点のものです。
- 2019年の中日ドラゴンズの野手一覧
- 2019年中日ドラゴンズの野手状況とオーダー
- 2020年の中日ドラゴンズのポジション別編成予想
- 2019年の中日ドラゴンズ野手補強ポイント
- まとめ
- 12球団の2019年ドラフト指名予想と2020年の編成記事一覧
- 中日ドラゴンズ関連の野球ラジオ
- 野球関連記事
2019年の中日ドラゴンズの野手一覧
捕手
選手名 | 投打 | 年齢 | 2018年の契約 |
大野奨太 |
右右 | 32 | ○ |
木下拓哉 | 右右 | 27 | ○ |
武山真吾 | 右右 | 35 | △ |
杉山翔大 | 右右 | 28 | △ |
加藤匠馬 | 右右 | 27 | ○ |
石橋康太 |
右左 | 19 | ○ |
桂依央利 | 右右 | 27 | △ |
※ アリエル・マルティネスは育成枠。
内野手
選手名 | 投打 | 年齢 | 2018年の契約 |
高松渡 | 右左 | 20 | ○ |
京田陽太 | 右左 | 25 | ○ |
高橋周平 | 右左 | 25 | ○ |
阿部寿樹 | 右右 | 29 | ○ |
根尾昂 | 右左 | 19 | ○ |
石川駿 | 右右 | 29 | △ |
石垣雅海 | 右右 | 20 | ○ |
石岡諒太 | 左左 | 27 | △ |
三ツ俣大樹 | 右右 | 27 | △ |
溝脇隼人 | 右左 | 25 | ○ |
亀澤恭平 | 右左 | 30 | ○ |
福田永将 | 右右 | 30 | ○ |
堂上直倫 | 右右 | 30 | △FA移籍の可能性あり |
ビシエド | 右右 | 29 | ○3年契約1年目 |
外野手
選手名 | 投打 | 年齢 | 2018年の契約 |
藤井淳志 | 右両 | 38 | △ |
平田良介 |
右右 | 31 | ○ |
大島洋平 |
左左 | 33 | ○ |
遠藤一星 | 右左 | 30 | ○ |
井領雅貴 | 右左 | 29 | ○ |
渡辺勝 | 右左 | 25 | ○ |
アルモンテ | 右両 | 30 | △ |
伊藤康祐 | 右右 | 19 | ○ |
滝野要 | 右左 | 23 | ○ |
武田健吾 | 右右 | 25 | ○ |
友永翔太 |
右左 | 28 | △ |
近藤弘基 | 右右 | 26 | △ |
※渡辺勝は育成枠。
2019年中日ドラゴンズの野手状況とオーダー
打順 ポジション 名前
1 右 平田
2 中 大島
3 左 アルモンテ(福田、遠藤、井領)
4 一 ビシエド(福田)
5 三 高橋(福田、堂上)
6 二 阿部(亀澤、堂上)
7 遊 京田(堂上)
8 捕 加藤(大野、武山、松井雅、木下)
9 投 -
近年は得点力の低さを指摘されることが多い中日ですが、実際のところは野手力は非常に高く、質の高さはリーグ屈指のチームです。
【中日ドラゴンズ野手 2016〜2019の成績比較】
指標 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 |
得点数 | 500(6) | 487(5) | 598(4) | 427(5) |
wRAA | -67.9(5) | -65.7(5) | -45.7(5) | -33.9(5) |
UZR | 20.2(2) | 15.5(3) | 18.3(1) | 38.4(1) |
チーム野手WAR | 14.8(3) | 13.2(4) | 19.7(2) | 19.5(1) |
※()内はリーグ順位
2019年も得点数こそここまでリーグ5位ですが、UZR、チーム野手WARはリーグトップ。得点力が低いのは本拠地ナゴヤドームの広さ(パークファクター)に左右されている面があり、実際のところ攻撃力は決して低くありません。
パークファクターを考慮した攻撃指標のWRC+(リーグ平均の打者と比較した時の打撃貢献度)でみると、中日のチーム成績は101でリーグトップです。
現在の中日野手陣は攻守両面でリーグトップのクオリティを見せており、レギュラー陣の質の面では文句ない成績となっています。
課題を挙げるとすれば、選手層、30代野手の後釜、捕手の部分です。
2019年に関しては、福田、堂上らが様々なポジションでレギュラー顔負けの成績で貴重なバックアッパーになっていますが、まだまだ全体的に野手の選手層が薄く、主力が故障離脱した際に大きく戦力が下がる構成になっています。
また、長年右中間コンビとしてチームを支えてきた大島は33歳、平田は31歳と、そろそろ衰えが出始める年齢。平田と大島のライバル兼後釜候補として期待された遠藤、井領、友永らがなかなか結果を出せず気がつけば彼らも年齢は30代に近づいており、外野手の見通しはやや暗くなっています。
捕手に関しても、加藤、大野、武山、木下らが起用されましたが、いずれの選手も決め手に欠く状況で、チームで唯一穴といえるポジションになっています。捕手に関しては捕手の項で詳しく話ますが、オフの補強ポイントの一つでしょう。
中日は投手陣チームWARが6.9とリーグワースト(1位の巨人は22.2)となっているため、野手よりも投手陣の方が補強の優先順位は高いです。
ですので、今オフの中日のドラフト戦略としては、脆弱となっているレギュラー捕手候補の獲得をドラフト2〜3位で行い、主力野手陣の後釜候補の獲得をドラフト4位以降で行うというのが、フロントの描く青写真となるでしょう。
2019年の若手育成事情
近年はファームの育成状況が非常に悪く、2018年のオフの時点では非常に心配な状態でした。しかし、徐々に状況は好転しつつあり、明るい兆しが見え始めた2019年の中日の若手育成事情。
1番楽しみのなのは、高卒1年目捕手の石橋の存在です。高校生離れした落ち着きのある守備が魅力の選手で、一年目ながらファームの正捕手を任されています。非常に強肩でキャッチングも安定しており、将来的には非常に高いレベルの捕手になるでしょう。
また、打撃に関しては、ここまで120打席で打率.183、OPS.614と苦戦していますが、長打力は非凡なものがあり、ここまで既に4本塁打を記録しています。中日は今年から二軍のナゴヤ球場のフェンスの高さを、一軍本拠地のナゴヤドームと同じ高さにしているため、本塁打が出にくくなっているのですが、にも関わらず高卒捕手で2桁本塁打ペースで打っているのは非常に評価できます。
本格化にはもう少し時間がかかるでしょうが、将来が楽しみ正捕手候補です。
その他だと、高卒3年目の大砲候補である石垣、高卒2年目の将来のセンター候補の伊藤が、それぞれ2018年から大きく成績を向上させているのも評価出来るポイント。現時点の成績はまだまだ一軍を意識するには物足りなさがあるものの、少しずつステップアップしているのは非常に良いことです。高卒下位指名の場合は即戦力性よりも将来性を見込まれての獲得ですので、石垣、伊藤のように少しずつ積み上げがあれば、4、5年後には一軍戦力になれる可能性は十分にあります。
気になるのはゴールデンルーキーとして注目された根尾です。ここまでは357打席に立ち、打率.182、OPS.499と惨憺たる成績。特に気になるのが三振数の多さで、いくら振っていく方針とはいえ、ここまで110三振を喫するなど、異常に高いK%を記録しています。コンタクトの部分でこれ程までに問題があると、やや今後の打撃面が心配です。7月になって徐々に打撃で結果を残すようになったとはいえ、一軍戦力になるまでにはかなり時間がかかりそうな印象を受けました。
2019年オフの戦力外・退団候補
- 武山真吾
- 杉山翔大
- 桂依央利
- 石川駿
- 石岡諒太
- 三ツ俣大樹
- 藤井淳志
- アルモンテ
- 友永翔太
- 近藤弘基
ドラフトのことを考えると、捕手、内野手、外野手のそれぞれのポジションから1名は退団となるのが濃厚です。特に捕手に関しては与田監督自らフロントに即戦力捕手の獲得を要望したともされ、その関係で1名は戦力外となってしまう可能性があります。内野手に関してはFA権を獲得した堂上の動向次第で、戦力外通告者が出るのかどうか変わってくるでしょう。
【プロ野球】12球団の2019年引退可能性のある選手一覧【田中賢介、福浦和也、上原浩治】
まとめ
- 野手陣の質と貢献度はリーグトップ
- 補強ポイントは捕手
- トッププロスペクトはいないが、ファームの整備が進んだ1年
【中日ドラゴンズ編】プロ野球2019前半戦を振り返る12球団の夏の通信簿~【野球ラジオ】
2020年の中日ドラゴンズのポジション別編成予想
2019年の中日ドラゴンズの編成について、「1ポジション4人制」で考察。
「1ポジション4人制」の見方は、下記を参照。
各ポジションをレギュラー、対抗、バックアップ、育成の4つの枠に分けてポジションごとの充実度を分析。
パ・リーグの場合は指名打者があるため、重複する選手もいるがあくまで1ポジション4人ずつとする。
充実度が低いポジション=補強ポイントになる。
【ポジション充実度判定】
充実度A:補強の優先度低
充実度B:補強の優先度中
充実度C:補強の優先度高
一応現有戦力を全員当てはめてみたが、青字の選手は戦力外候補。
従って、そのポジションにドラフトもしくは外国人を補強する可能性がある。
※1 今回はFA移籍の可能性がある選手も、青字にしております。
※2()は他ポジションと重複した選手です。
ポジション別攻撃力 ビシエド、高橋周平は強力なストロングポイント
ポジション別攻撃力でみると、中日の強みはビシエドと高橋周平が守るファーストとサードのポジション。
2019年セ・リーグポジション別攻撃力 8.18時点
— DELTAGRAPHS (@Deltagraphs) August 18, 2019
広島はここまで一塁の攻撃力で強みをもたらしてきたバティスタが離脱。ヤクルトは山田哲が好調で、二塁の値がかなり大きくなってきている。阪神は打者不利の甲子園を本拠地にしているとはいえ弱点が多く、攻撃面は非常に苦しいhttps://t.co/RjQBDzC5PP pic.twitter.com/5Aixa3LzAD
その他のポジションではマイナスが目立ちますが、レフトとライトのそれぞれアルモンテと平田の故障が影響したため。セカンドとショートは攻撃力にこそ難はありますが、阿部、京田はそれを補うだけの守備貢献を見せており、トータルでみると、穴とは言えません。
そうなると課題はやはり再三指摘している通り、やはり課題は捕手の攻撃力という部分になるでしょう。
捕手 充実度C
レギュラー :加藤 (27)
対抗 :木下 (28)、 杉山(28)、大卒捕手?
バックアップ:武山 (36)、桂(28)、大野奨 (33)
育成 :石橋 (20)、 マルティネス (23)
谷繁元信以降はなかなか固定出来ない状態が続いており、捕手分業制時代とはいえ、やはり年間100試合近くはスタメンマスクを任せられるレギュラー捕手に出てきて欲しいところ。
今シーズンは強肩で話題を集めた加藤をメイン捕手に据えて(チーム捕手最多の67試合に出場)戦いましたが、いかんせん加藤は打撃が弱く(打率.218、OPS.515)、いくら守備が良くても正捕手を任せるには物足りない攻撃力となっています。
前述の通りファームでは高卒1年目の石橋が将来性を感じさせていますが、一軍戦力として見込むには時期尚早。
その他の捕手陣も攻撃力に乏しく、今後の伸び代も含めて考えると微妙であり、現有戦力では攻撃力を改善するのは難しそうな状況です。
そうした状況もあってか、現場では即戦力の捕手獲得の要望が上がっているとされ、中日がドラフトで捕手を獲得する可能性は高いです。
それは高校生とも限らない。高校生のキャッチャーは去年石橋を獲っているので、また高校生を獲ってどうなんだ?ということもあるので、ひょっとしたら大学生か社会時のキャッチャーということかもしれない。
— ゆうのす (@YS758) August 16, 2019
ただ、スカウトもそうだし現場もそうだし、欲しいのは右の大砲ということで、
幸い今年のドラフトは捕手豊作と言われ、大学生の捕手に逸材が揃っており、外れ1位もしくは2位での獲得を狙っているのでしょう。近代野球では複数人の捕手を併用しながら一年を戦うのが主流であることを考えても、石橋の育成に邪魔なるわけではなく(むしろ二軍でじっくり育成出来る)、プラスに働く可能性の方が高いと私は見ています。
もしドラフトで獲得出来なかった場合は、FAで広島の會澤翼を獲得するのも一つの手です。
一塁手 充実度A
レギュラー :ビシエド (31)
対抗 :石川 (30)
バックアップ:(福田) (32)
育成 :石垣 (21)
ビシエドはここまで打率.307、OPS.855、WAR3.0と十分な働きを見せています。そののビシエドは現在3年契約の1年目であることを考えると、後2年は安泰なポジション。
年齢的にもまだまだ衰える歳ではありませんので、ファーストのポジションは引き続き中日のアドバンテージになっていくでしょう。
バックアップにも福田が控えており、ファームでも和製大砲候補の石垣が徐々に育っていることを考えると、補強の優先順位は低いポジションです。
ただ、モヤが抜けて外国人選手のバックアッパーが不在となっているので、ビシエドの代役要員を1名確保しておいても良いかもしれないでしょう。
話の順番は前後しますが、石川は今季は2軍で279打席に立って、打率.323、OPS.822と打ちまくっているのですが、どういうわけか一軍からお呼びの声がかかりません。中堅選手をかなり試している与田政権下でも出番が与えられないことから、構想外となってしまっている可能性があります。個人的には代打要員などで使っても面白いと思うのですが...
二塁手 充実度B
レギュラー :阿部 (30)
対抗 :堂上 (32)
バックアップ:亀澤 (32)、三ツ俣(28)
育成 :高松 (20)
荒木が衰えて以降、セカンドが穴になっていた中日ですが、今季は状況が好転。
これまで一軍では結果を残せなかった阿部がポジションを掴むと、ここまでOPS.691、二塁UZR4.2、WAR2.0とレギュラーとしては十分な活躍を見せています。
また、内野のユーティリティプレイヤーとして起用されている堂上もキャリアハイの11本塁打を放ち、OPS.720を記録。守備はどこを守っても高いUZRを残す選手なだけに、貴重なバイプレイヤーとなっています。
これまで安定して一軍で活躍してきた選手ではないだけに、来季以降も活躍を見込めるかは微妙なところではありますが、基本線は阿部と堂上でセカンドを回していくことになるでしょう。
問題は堂上が今季FA権を取得したことです。現時点では権利の行使は不透明ですが、現状の中日では便利屋としての起用が主になっており、堂上本人としては満足していない面もあるはずです。編成面を考えると堂上退団は非常に痛いですが、仮に堂上の移籍が濃厚となれば、バックアッパーとなり得る大卒、社会人内野手を獲得しておいても良いでしょう。
ただ、このポジションは将来的には根尾のために空けておく可能性が大(根尾、京田で二遊間を組むなら)で、バックアップの亀澤、育成中の高松がいるため、優先順位は低いポジションではあります。
三塁手 充実度A
レギュラー :高橋 (26)
対抗 :福田 (32)
バックアップ:(堂上) (32)
育成 :(石垣) (21)、(溝脇)
高橋周平の覚醒によって、一気に中日の強みとなったポジション。
高橋周平は5月以降に調子を上げると、338打席で打率.317、OPS.841、三塁UZR8.4、WAR3.0と、非常に素晴らしい成績を残しています。途中怪我をしてしまったのは残念ですが、今シーズンの中日において最も明るい材料となりました。
まだ活躍年数が短いので過度な期待は禁物ですが、恐らく来季以降も同等の活躍が見込めるため、今後数年間はサードのポジションで中日はアドバンテージを有すことが出来るでしょう。
対抗兼バックアップには福田、堂上がいて、和製大砲候補の石垣もいるため、補強の優先順位は高くありません。ただ、石垣は一塁手候補でもあることを考えると、ファームの三塁手の育成候補には高校生を獲得するのも手です。
噂では地元のスター選手である東邦の石川選手をドラフトで狙っているとされますが、果たしてどうなるか。恐らく2位前後で消える選手であることを考えると、2位以内の指名が求められますが、中日の補強ポイントは投手。大学生捕手を上位で獲得する可能性も考えると、優先順位が決して高くない三塁手候補を中日が上位指名する戦略が妥当な選択なのかは微妙なところではあります。
ただ、野手からチームを作っていくのが近年のトレンドであることを考えると、戦略としては悪くないはないでしょう。個人的には好きな戦略なので、見てみたい気もしますが...
遊撃手 充実度B
レギュラー :京田 (26)
対抗 :溝脇 (25)
バックアップ:(堂上) (31)
育成 :根尾 (20)
元々守備に定評があった京田ですが、今季は更に守備面で大きな進化を遂げました。
8月14日時点で遊撃UZRは12球団トップの16.1を記録。
遊撃UZR 8.14時点
— DELTAGRAPHS (@Deltagraphs) August 14, 2019
<300イニング以上を対象>
京田(D)16.1
源田(L)15.9
中島(F)11.2
大和(DB)8.4
茂木(E)1.6
田中(C)1.5
大城(B)-1.1
坂本勇(G)-4.8
西浦(S)-7.5
藤岡(M)-7.6
木浪(T)-11.3https://t.co/udMMAYjva3
京田が遊撃UZRでついに源田をとらえた
元々6.8→5.9と高水準ではありましたが、一気に数字を高めてきました。遊撃手の守備の最盛期は25〜27歳の時と言われていますので、今後数年間は京田の守備がチームに大きな恩恵をもたらすでしょう。
守備面で成長が見える一方で、打撃は横ばい状態が続いている京田。打率、出塁率はいずれも凡庸な数字となっており、それがWAR2.8止まりになっている要因です。
もう少し出塁率、もしくは長打率に改善の兆しが見られれば、リーグNo.1ショートになり得るだけの素材だけに、今後打撃も改善されることを期待したいところ。
とはいえ、現時点でも十分な貢献を見せている京田がいるため、ショートの選手を獲得する必要はありません。
加えて、ファームには英才教育枠の根尾もいるため、2019年のオフにショートを補強することはないでしょう。
あるとすれば中堅二遊間候補が伸び悩む中で、堂上がFA移籍となれば、内野のバックアッパーを獲得するという展開くらいでしょう。
左翼手 充実度C
レギュラー :アルモンテ(30)or新外国人
対抗 : 井領 (29)、(福田)
バックアップ:(藤井) (38)
育成 :滝野 (24)or高卒野手
アルモンテの不調と故障が響き、大きく攻撃力を下げてしまったレフトのポジション。
アルモンテは2年連続で高いOPSを記録(.861→.868)を記録しており、中日にとっては貴重な攻撃の軸となれる存在です。ただ、故障も多く、守備難(レフトUZRは-8.0→-7.2)の選手であるため、来季の契約は微妙なところ。
年俸一億円という残留するには微妙なラインの金額ですが、いくら外国人選手の目利きが上手い中日とはいえ、このレベルの攻撃力を持った外国人選手を当てるのは難しく、なんとか残留交渉をまとめたいところです。
仮にアルモンテ退団となれば、新外国人選手を獲得するか、アルモンテ不在時に長打連発で代役をこなした福田がレフトのレギュラーとなるでしょう。
ファームでは大卒ルーキーの滝野、伊藤らが出場していますが、レフトとしてはやや長打力にかける選手たちです。将来を考えると、長打力のある外野手を獲得しても面白いかもしれません。一部報道では、履正社の井上をマークしているとの報道もありましたが、恐らくフロントとしても、長打力のある外野手を探しているのでしょう。
中堅手 充実度B
レギュラー :大島 (34)
対抗 :渡辺 (26)
バックアップ:遠藤 (31)
育成 :伊藤 (21)、根尾?
抜群の安定感で攻守両面で大きな貢献をし続ける不動のセンター・大島も、2020年には34歳を迎えます。2019年は打率.311、出塁率.380、WAR2.4と、衰え知らずのシーズンを送っていますが、いつ衰えがきてもおかしくない年齢です。
引き続き大島がレギュラーを務めるのが濃厚ですが、そろそろ大島を脅かすような選手に台頭して来て欲しいところ。
チームとしても遠藤、渡辺、伊藤、滝野といったセンター候補を獲得して、育成していますが、大島の後継者候補と考えるには物足りない選手しかいません。
まだまだ若い選手が多いので、今後の成長次第ではありますが、大島が故障離脱、急に衰えるようなことがあると、一気にチームの弱点になる可能性を秘めています。
こうした状況もあってか、一部では根尾を外野手として起用するプランも浮上しているようです。チームとしては根尾をショートとして育成したいようですが、チームには京田がいるため、根尾が一軍で出場するには高い壁となっております。
近年は西武の浅村、森友哉、広島の會澤翼、坂倉のように、外野手で出場しながら打席数を増やし、打撃を成長させてから守備でも本職に着かせる育成プランもあります。
古くは中日でも、後の名内野手である井端、荒木が若い頃は外野手で一軍経験を積むという育成手法が取られたこともあります。
ですので、大島の後継者候補が育たない状況が続くならば、根尾の内野手と外野手の二刀流プランを検討してみても、悪くはないでしょう。
右翼手 充実度B
レギュラー :平田 (32)
対抗 :武田 (26)
バックアップ:友永 (28)、(遠藤)、(井領)
育成 :近藤 (27)、高校生外野手?
不動のレギュラー平田がいるため、補強の優先順位は低いポジション。
平田は故障があったものの、わずか79試合でWAR3.7を稼ぐなど、質の高さはセ・リーグの外野手でも屈指の存在。故障の多さが欠点ではありますが、出場出来ればチームにとってアドバンテージを生み出す存在です。
故障の多い平田のバックアッパー兼次世代の右中間のレギュラー候補として、シーズン途中に獲得されたのが、守備には定評のある武田健吾。バッティングに難がある選手で、将来的なレギュラーとしてのどこまで期待出来るかは微妙ですが、外野ならどこでも高いクオリティで守れる選手は今の中日にとっては貴重な存在。
層を厚くする意味でも、年齢構成的にも非常に意味のあるトレードとなりました。
ただ、平田の後釜候補となりうる若手外野手は現状不在で、レフトの項でも話した通り、1名は次世代のコアプレイヤー候補を獲得したいところ。
もし石川(外野手で育成前提)、もしくは井上を獲得出来れば、将来的には非常に価値のあるドラフトになっていくでしょう。
なお、武田&松葉獲得、モヤ、松井雅人、松井佑介放出理由につきましては、下記の動画にもまとめておりますので、ご覧になってみてください。
オリックス松葉、武田と中日松井雅人、松井佑介トレード、モヤ獲得の理由メリット、両球団の思惑を解説【野球ラジオ】
2019年の中日ドラゴンズ野手補強ポイント
【野手補強ポイントの優先順位と狙い】
- 大学生捕手の獲得→課題の捕手の攻撃力アップ
- アルモンテの残留交渉or新外国人選手の獲得→レフトの攻撃力アップ
- 堂上の残留交渉→内野手の層の厚さをキープ
- 次世代の外野手のレギュラー候補獲得→平田、大島の後釜候補
現有戦力の質は高いだけに、唯一の弱点とも言える捕手を埋められれば、2020年は上位クラス進出も狙える陣容となる中日野手陣。
捕手の強化をFAで會澤翼獲得で済ませつつ、ドラフトの上位枠を投手や次世代のコアプレイヤー候補の高校生野手獲得となれば、100点満点のオフになるのですが、果たしてどうなるか。
仮に中日が狙い通り投手を1位で獲得出来たとして、2位にどのポジションの、どの選手を獲得するのかは、非常に興味深いポイントでもあります。
編成部がどういう青写真で今後の強化を図っていくのか、指針が見える部分でもあるので、2019年の中日のドラフト2位が誰になるのか、要注目です。
中日ドラゴンズの2018年ドラフト指名予想と2019年の編成【野手編】
まとめ
- レギュラー陣の質の高さはリーグ屈指
- 捕手を強化出来れば、2020年のAクラスも見えてくる
- ファームの状況は徐々に好転。引き続き将来性の高い野手を獲得したい
投手が崩壊気味とはいえ、なぜ現在5位に甘んじているのか不思議で仕方ない2019年の中日ドラゴンズ。少しずつ近年のドラフトの成果は出つつあり、 ドラフト戦略は悪くありません。連続Bクラスが続く中で、外野の声がうるさくなりがちですが、ぶれない強化戦略を持って、新たな黄金期を迎えて欲しいところです。
2019年のドラフトについて知りたい方は「2019年ドラフト会議の日程と目玉選手一覧 一位予想と速報も!【高校生、大学生、社会人】」の記事もご覧になってみてください。
12球団の2019年ドラフト指名予想と2020年の編成記事一覧
埼玉西武ライオンズ
福岡ソフトバンクホークス
北海道日本ハムファイターズ
オリックスバファローズ
千葉ロッテマリーンズ
東北楽天ゴールデンイーグルス
広島東洋カープ
東京ヤクルトスワローズ
読売ジャイアンツ(巨人)
横浜DeNAベイスターズ
阪神タイガース
中日ドラゴンズ関連の野球ラジオ
【野球ラジオ】プロ野球2018~12球団の冬の通信簿~ 中日ドラゴンズ編【ドラフト、補強、若手育成、人事】
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