クレヨンしんちゃんシリーズはじめての試み。
それがAmazonプライムビデオでの独占配信。
一話完結型のアニメ放送とは異なる全13話で構成された長編ストーリー。
例えるなら海外ドラマに近い形です。
全部で3作ある中で、第1作となった『クレヨンしんちゃん外伝 エイリアン vs. しんのすけ』。
Amazonプライムビデオでの独占配信だからできること、そしてこの作品の感想について語っていきます。
- 『クレヨンしんちゃん外伝 エイリアン vs. しんのすけ』とは
- Amazonプライムビデオ独占配信だから出来る2つのこと
- ネタバレ感想
- ちなみに
- クレヨンしんちゃん外伝&映画を観るなら!
- Amazonプライムビデオのおすすめポイントと会員登録方法
- まとめ
- 関連記事
『クレヨンしんちゃん外伝 エイリアン vs. しんのすけ』とは
概要
2016年8月3日よりAmazonプライムビデオで独占配信されているウェブアニメ。
クレヨンしんちゃんとしては初の連続ドラマ形式をとっており、初めて新作がウェブで配信される。
クレヨンしんちゃん25周年記念作品および、外伝シリーズ第1弾。
Amazonビデオのアプリを利用して視聴することが出来る。
あらすじ
“もしも、しんのすけが漂流宇宙船の中でエイリアンに遭遇したら”近未来2116年、コールドスリープから目覚めたしんのすけたち野原一家。
見慣れぬ宇宙船の中にいることに気づく。
一体誰が何の目的で彼らを船に乗せたのか分からないまま、ある時、乗組員がいなくなり、得体の知れない物体が彼らを襲う…。
閉ざされた密室の中でのさまざまな事件。果たしてしんのすけたちは、無事地球に帰ることが出来るのか!?
野原ひろし役の藤原啓治さん病気療養
2016年8月に野原ひろし役を務める藤原啓治さんが病気療養のため休養。
そのため、今シリーズ途中から森川智之さんが代役をつめられています。
※追記
2017年6月16日。
病気療養中だった藤原啓治さんの復帰が発表されました。
【関連記事】お帰りとーちゃん! 野原ひろし役の声優藤原啓治さん病気療養から復帰決定
Amazonプライムビデオ独占配信だから出来る2つのこと
1話7分30秒でありながら、 全13話。
トータル約100分は映画版とほぼ同じ放映時間です。
では、通常放送のアニメ、映画版と異なる要素は何か。
Amazonプライムビデオ独占配信だから出来ることは二つあります。
- アニメ版ほど規制要素を意識しなくて良い
- 続きが気になる作品構成
1.アニメ版ほど規制要素を意識しなくて良い
Amazonプライムビデオ独占配信の今作を観るには基本的に二つの方法しかありません。
一つはAmazonプライムビデオの会員になる。
もう一つはDVDを購入するです。
お金を払っている、もしくはある程度クレヨンしんちゃんに対して興味がある人しかこの作品を観ることが出来ません。
ということである程度アニメ版ほど規制要素を意識しなくて良くなります。
不特定多数が観る可能性があるTV放送のアニメでは視聴者やスポンサーのことをかなり意識する必要があります。
そのため、暴力的・下品とされる表現をある程度制限する必要があります。
Amazonプライムビデオ版ではそういったことをあまり気にしなくてよくなります。
そのため『外伝 エイリアン vs. しんのすけ』ではげんこつやケツだけ星人、ケツ顔マンなどの懐かしい表現が使われています。
2.続きが気になる作品構成
今作の特徴は毎回毎回謎の伏線が張り巡らされていきます。
謎を残したまま終わるため視聴者は次も次もと観たくなる。
いわゆる『続きが気になる』というやつです。
これはアニメにも劇場版にもない構成です。
アニメ版では長くて3話程度(前編、中編、後編)。
逆に劇場版だと1作品が90分以上と時間がない人が観る時間を作るのは非常に難しい。
その中間に当たるのが今作のドラマ型の配信サービスです。
放送期間であれば続きが気になって次週が待ち遠しい。
放送終了後であれば続きが気になってどんどん次のエピソードを観てしまう。
いわば海外ドラマのような中毒性があります。
こうした作りはこれまでのクレヨンしんちゃんになかった新しい試みです。
ネタバレ感想
ポジティブな要素
今回の作品はスリラー&サスペンス。
焦点になる重大な謎要素は下記の2点。
- なぜ一同は宇宙船に連れてこられたのか
- この中にいるエイリアンは誰なのか
この作品は宇宙船の中のコールドスリープから一同が目覚めるところから始まります。
もちろん最初はなぜ宇宙船に連れてこられたのかは語られません。
徐々にに解き明かされてわかったのは全員がサトーココノカドーにいたこと。
そこから謎のロボットの襲撃、脱出用のマシーンの謎の爆発などがあります。
そして途中で気づいた大きな謎。
それはコールドスリープの数が10個しかないこと。
現在宇宙船にいるのは10人と1匹。
つまり宇宙船に乗っているメンバーの中の一人は元々宇宙船に乗っていたことになります。
では、それは誰なのか。
謎が謎を呼んで更に謎になる。
まさにスリラー&サスペンス。
ただ、この作品はただのスリラー&サスペンスでは終わりません。
途中で”あるものを使って、あることが出来れば”自分が宇宙人ではないことが証明できるとわかります。
そのあることがとにかくお下品!!
自分の子どもには絶対させたくない、自分もしたくない”あること”。
そのくだらないお下品さもまたクレヨンしんちゃんらしさの一つ。
個人的にちょっと好きだったのは『写真集「3代目雛形あきこ2116夏」』というネタです。
雛形あきこさんと言えば映画『ヘンダーランドの大冒険』にゲスト登場した女優さん。
オールドファンを喜ばせつつも「三代目〇〇」というネタを使う新しさ。
クレヨンしんちゃんの良さの一つは時代の流行りをネタにしていくこと。
古参にも新参者にもクスッと笑わせる要素が詰まったギャグです。
それと改めてミッチー&ヨシリンのことが好きだと実感させられました。
子どもの頃はこの2人のことあまり好きではありませんでした。
しかし、最近徐々にこの2人が良さがわかってきました。
とことんまで自分たちの世界の中でしか生きておらず、他人は二の次。
お互いが満足すればよい。
いささか危険な考え方ではありますが、それだけ大切にできるものがあるっていいなと。
子どもの頃は他人に合わせる、迷惑をかけないことが一番だと思っていたので、ミッチー&ヨシリンのことが嫌いだったのでした。
しかし、自分を主張するのも時には大切であることを大人になるに連れて理解するようになったことで、ミッチー&ヨシリンのことが好きになってきました。
あの野原一家ですらペースを崩されるミッチー&ヨシリン。
ある意味クレヨンしんちゃんでしか描けないキャラクターです。
今作で個人的に笑えたのはいつも2人がよくやっている”ある行動”にひろしが割って入っていくところです。
リズム感と声優陣の息の合った連携が見事でした。
ネガティブな要素
ここからはちょっとネガティブなことに触れます。
正直この作品を面白いかと言われると微妙です。
理由は以下の3点です。
- 全体的な間延び感
- オリジナルキャラが中途半端
- 謎解き後の爽快感がない
全体的に間延びした感じがして、スピード感がありません。
監督さんは30秒引き延ばす必要があったいっていますが、私は逆に30秒短くしても良いと感じました。
監督の三原曰く、「どうしても入りきらない内容に30秒引き延ばしてもらった」とのこと。
私の場合はまとめて一気見したので、そう感じたのかもしれません。
しかし、映画版と比べても展開が緩やかで、イマイチこの作品を13話かけてやる理由が見つかりませんでした。
また、オリジナルキャラクターに個性がなかったです。
半年もしたら忘れるくらいの存在感でした。
しんのすけが「綺麗なお姉さん」と称した只野エレンもビジュアル的に「そうか?っ」とツッコミたくなりました。
恐らく元ネタは『エイリアン3』のシガニー・ウィーバーです。
もちろんシガニー・ウィーバーさんは綺麗です。
ただ個人的にそれは「カッコよさ」も含まれた綺麗さ。
なんというか「しんのすけが好きな綺麗なお姉さん」像とはちょっと違うのかなと。
そこも含めて新しい試みだったのでしょうが、正直そこに感情移入が出来なかった。
綺麗だからしんのすけが付いていくよりも、カッコイイ&頼りになるからついていくとした方がしっくりきました。
それこそ『雲黒斎の野望』の吹雪丸のような感じで。
そのほかのオリジナルキャラの作りこみもイマイチ。
サスペンスとかパニックムービーの面白さの一つに徐々に深まっていく絆があります。
最初はわけもわからず一緒になって仲違いしていた面々が徐々に仲良くなって、最後は共闘する。
このパニックものの一番の魅力がこの作品にはイマイチ感じられませんでした。
サボテンで出来てたことが、この作品では見られなかったのがちょっと残念でした。
それとポジティブな要素でお伝えした『謎要素』。
実はこれがそこまでハッとさせられません。
明らかに怪しいやつが怪しいやつでした。
特に通常のアニメ版を長く観ている人にとっては違和感でしかなく、最初からネタバレしているようなものでした。
ひろしの足臭要素をいつもとは異なる形で使ってましたが、正直イマイチかなと。
それと一番気になったのはしんのすけがただのKYキャラになっていたことです。
なんというかただの自分本位で滑ってるやつになっていたのがとても残念です。
うーん、これはしんのすけ本来の優しさとか面白さがかなり薄れていて、単なるわがままなやつにしか見えませんでした。
試験的な作品で、色々と試している段階なので、仕方ないのでしょうが。
あまりクレヨンしんちゃんの良さは伝わらないだろうなと。
ちなみに
映画とドラマを比べるのはナンセンスなのですが、過去の劇場版と比べてみました。
もし順位をつけるとしたら、24位もしくは25位です。
この順位が意味するのは...
クレヨンしんちゃん外伝&映画を観るなら!
『クレヨンしんちゃん外伝 エイリアンVSしんのすけ』はAmazonプライム独占配信
月間プランの場合、400円(税込)、年間プランの場合、3,900円(税込)。
外伝シリーズ、映画24作品が見放題です。
いつでも30日間の無料体験を実施しています。
とりあえず30日試して、途中で辞めることも可能です!
もちろん、無料期間内なら料金は発生しません。
Amazonプライムビデオのおすすめポイントと会員登録方法
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まとめ
試験的な試みをした意欲作。
『続きが気になるクレヨンしんちゃん』という新たなコンセプトは面白くなっていく可能性を秘めています。
アニメにもない、映画にもない魅力を持ったコンテンツに進化していくことに期待したいです。
それでは、さようなら!