スポーツは怪我と隣り合わせの世界。
これまで10年以上に渡って試合に出続け、今シーズンもヒットを量産していた鳥谷敬選手に起きた悲劇。
虎の鉄人の連続試合出場記録への挑戦はここで途絶えてしまうのか。
あえて、私の意見を言うなら今日は休んで欲しい。
試合に出る、ファンの期待に応えるプロ意識も大切。
しかし、それ以上に大切なのは一人の人間として健康に生きること。
箇所が箇所だけに試合出場は慎重になって欲しい。
阪神・鳥谷敬選手 頭部死球
阪神・鳥谷敬内野手(35)が24日の巨人戦(甲子園)で頭部死球を受けて負傷交代した。5回1死三塁で吉川光の抜けた直球が頭部付近に当たり、代走を送られた。鼻と上唇付近から出血が見られ、試合途中に球場を離れて尼崎市内の病院へ直行。打撃好調の6番打者を欠いた打線は1得点に終わり、今季初の2カード連続の負け越し。2位の広島に0・5差に迫られた上、1794試合連続出場中の猛虎の鉄人に危機が訪れた。
鼻からは流れるように出血。
不幸中の幸いで、鳥谷選手は自力で何とかベンチに引き上げた。
現時点では鼻骨骨折が疑われている状況。
5/25の巨人戦の試合出場は非常に厳しい状況となっている。
鳥谷敬選手の連続試合出場記録
鳥谷選手は2004年9月9日のヤクルト戦(甲子園)から連続試合出場を続けている。
2017年4月19日の中日戦で、1767試合に伸ばし、現阪神監督の金本知憲(阪神)を抜いて歴代単独2位となった。
歴代4位のフルイニング出場667試合の記録も持つ、まさに虎の鉄人。
衣笠祥雄(広島)氏の持つ、歴代1位の2215試合連続試合出場に向けて挑戦中だった。
もし5/25の試合に出場出来なければ、記録は1794試合で終止符を打たれることになる。
過去鳥谷敬選手は死球や怪我を押して試合に出たことがある。
≪鳥谷負傷アラカルト≫
▼07年肋骨骨折 9月25日横浜戦で死球を受けた影響で、同29日広島戦7回の守備から交代。プロ野球記録を更新していた遊撃手でのフルイニング出場が、398試合で止まった。のちに肋骨の骨折が判明。
▼11年右手人さし指負傷 5月15日中日戦1回の守備で和田のゴロを指に当てて負傷。
爪がはがれかけ、その裏の打席で代打を送られた。次戦からは交流戦の指名打者と代打で出場し、8試合で守備から離れた。
▼15年右肋骨骨折 6月21日ヤクルト戦で死球を受けて転倒。同28日DeNA戦からは打順を1番から6番や7番に下げて出場した。のちに肋骨の骨折が判明。
ただ、今回死球を受けた箇所は頭部。
試合出場どころか、選手生命、命を失う危険性がある箇所だけに、非常に慎重な姿勢が求められる。
過去の頭部死球者の症状と離脱期間
過去頭部死球を受けて大怪我を負った選手はいる。
・田淵幸一(阪神)
左側頭部に死球を受けこん倒。
左耳から流血。
頭蓋骨に異常はなかったものの、左耳鼓膜から出血。
難聴や方向感覚の違和感に悩んだ。
球界はこれを機に、耳あてヘルメットの着用を義務づけ。
・マニエル(近鉄)
投球を顎に受け右下顎粉砕骨折。
復帰後はアメリカンフットボールのガードが顎についた特注ヘルメットを着用。
・村田真一
左頬に死球を受け、救急車で病院に搬送。
エックス線検査の結果、脳や目に異常は見られなかったが「左頬骨骨折で全治5~6週間」と診断され、頬の整復手術を受けた。
・秋山幸二
顔面に死球を受け頬骨を骨折。
診断は全治2~3週間の重傷。
それでも秋山選手は10日後、試合で左頬部分を隠す特注ヘルメットをかぶって代打で出場。
鳥谷選手の症状がどの程度かはまだ未発表だが、もし鼻骨骨折であれば試合出場は非常に厳しい。
最高代打で試合に出られる可能性もあるが、秋山選手でも復帰には10日かかっている。
まだシーズン序盤であることを考えると、ここで無理はして欲しくない。
体調以上に心配な後遺症
引用:Ceron - 【広島】会沢頭部死球グラウンドに救急車 - プロ野球ニュース : nikkansports.com
2012年、広島・会沢翼捕手が投球を顔面に受け、そのまま救急車で病院に搬送されたことがあった。
試合は12分間中断され、球場は騒然。
その後、鼻骨骨折と診断され、緊急手術。
入院まではいたらなかったが、病院で再診を受けることになった。
その翌年に会沢選手は復帰したが、体調以上に頭部死球への恐怖感がぬぐえなかったようだ。
選手生命のピンチを乗り越えてきた。昨季8月2日のDeNA戦(横浜)で顔面に死球を受け救急車で病院に運ばれた。診断は鼻骨骨折。だがケガ以上に深刻だったのが刻まれた恐怖心だった。
「復帰後の打席はいらいらした。僕の意識は向かって行っているのに脳が勝手に顔をそらす。人間の体はこうなっているんだと思った」
あの大打者清原和博氏も現役時代に頭部死球を経験。
その後の試合で身体は何ともないのに、なぜか身体がボールを避ける癖がついたそうだ。
それ以来常に恐怖感との戦いで、バッティングフォームを崩してしまったそうだ。
2000本安打に向けて順調にヒットを量産してきた鳥谷敬選手。
もし身体が回復しても、今度は精神との戦いが求められる。
常にストイックに自分を高めてきた鳥谷選手だけに、心の面でも今回の苦難から立ち直って欲しい。
巨人・亀井選手の思いやり
鳥谷選手退場の余波か、昨日の試合で阪神タイガースは読売ジャイアンツに敗れてしまった。
0対0の均衡を破る勝ち越しタイムリーを放った巨人亀井選手はヒーローインタビューで死球を受けた阪神・鳥谷選手を気遣う発言をした。
--今日はアクシデントもあって、その後出てきた田原投手であったり、八回はベンチスタートの選手が活躍して勝利をもぎ取りましたけど、そのあたりはどうですか
「鳥谷選手がすごい心配ですけれども、まぁみんなでもぎ取った勝利だと思います」
引用:【決勝打一問一答】巨人・亀井は「鳥谷選手が心配ですけれども、みんなでもぎ取った勝利」 - 野球 - SANSPO.COM(サンスポ)
試合結果以上に、亀井選手の頭にあったのは相手選手への気遣い。
これが戦争で自軍が勝てば良いなら話はべつだが、あくまで野球は人と人とのプレー。
異様な雰囲気の中でも集中して結果を残したプレーもさることながら、相手選手を気遣える。
亀井選手のプロフェッショナルさが凝縮された言動だ。
阪神関係者だけでなく、全ての野球ファンがこの亀井選手のように鳥谷選手を心配しているのだ。
阪神ファンの鳥谷選手への想い
昨夜は鳥谷選手を心配する声がファンの間から上がった。
ヤバイ〜😱
— まひる(改名しました) (@suuuuue117) 2017年5月24日
鳥谷〜大丈夫かな😰#阪神タイガース #鳥谷敬 pic.twitter.com/yQSu4YPwLG
世界一のMy hero
— まりん@5/26~28 甲子園 (@toritani_marin) 2017年5月24日
怪我してても隠して試合に出続けてた男。
そんな男なら必ず元気な姿でグラウンドに戻ってきてくれるはず!!
そう信じています。
無理せず頑張れ!鳥谷敬!! pic.twitter.com/HRqrzLrH2S
これらのファンの想いは一つ。
無理せずまた元気な鳥谷選手のプレイをみたい。
例え連続試合出場が途絶えても、いつか復活を。
優勝争いを演じる阪神に必要不可欠な選手だけに、またあの雄姿をみたい。
追記
検査の結果、鼻骨骨折と診断。
24日の巨人戦(甲子園)で顔面に死球を受けた阪神・鳥谷敬内野手(35)が鼻骨を骨折したことがわかった。25日、球団が発表した。
一夜明けた25日も尼崎市内の病院にいき、その後、甲子園へ。出場選手登録は抹消せず、巨人戦も強行出場する見通しだ。
ギリギリまで試合出場を狙っているようだ。
個人的は治療に専念した方がよいと考えているが、記録、吉川選手、何よりチームのために試合に出る姿勢なのだろう。
何はともあれ、重傷でなかったことは不幸中の幸いだ。
まとめ
歴代2位の連続試合出場を積み重ねてきた鳥谷選手。
今日の試合に出場できなければ記録は途絶える。
もちろん、記録継続する姿はみたい。
しかし、それ以上にファンは鳥谷選手の健康が心配だ。
プロ意識の高い鳥谷選手だからこそ安易に欠場はできないかもしれないが、自分の身体を気遣って欲しい。
首脳陣、トレーナー含めて最善の選択をすることが望まれる。
鳥谷選手頑張ってください!
それでは、さようなら!