こんにちは!
今日は私が大好きな野球のことをもっと好きになってもらうための本を10個紹介させて頂きます。
今日紹介する本は野球の技術書や解説本ではなく、野球選手が何を考えているのか、野球選手・少年に関わる家族、そしてファンの心理について書かれた本を中心に紹介します。
対象日本のプロ野球だけではなく、メジャーリーグ、マイナーリーグ、高校野球、はてはアメリカのリトルリーグまで。
人の数だけ面白い野球がある。
そのことを教えてくれる珠玉のおすすめ本10選です。
今まで野球のことを見たことがない人も是非この機会に目を通されてみてください。
- 赤ヘル1975
- 4522敗の記憶 ホエールズ&ベイスターズ涙の球団史
- 高校野球 神奈川を戦う監督たち
- 逆境を笑え 野球小僧の壁に立ち向かう方法
- メジャーリーガーの女房 ~ヨメだけが知る田口壮の挑戦、その舞台裏~
- アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた
- スローカーブを、もう一球
- 桑田真澄 ピッチャーズバイブル
- 二塁手論―現代野球で最も複雑で難しいポジション
- 「優柔決断」のすすめ
- まとめ
赤ヘル1975
2016年に25年振りのリーグ優勝を果たした広島東洋カープ。
そのカープが赤ヘル軍団と言われるようになる1975年のリーグ初優勝するまでの過程を描いたフィクション小説。
なぜ広島東洋カープが広島県民に愛されるのか。
それは原爆の爪痕が残る広島の人々の心を支えた歴史があるから。
東京から引越してきた中学一年生のマナブ。
「よそモン」マナブは野球少年ヤスと新聞記者志望のユキオに出会うことで、街に少しずつ馴染んでいく。
『流星ワゴン』『疾走』などの代表作をもつ重松清によって描かれるカープ優勝までの軌跡の物語。
これを読めば、広島東洋カープと広島のことが好きになれます。
4522敗の記憶 ホエールズ&ベイスターズ涙の球団史
12球団最多4522敗、5年連続最下位。そして2015年、前半戦首位ターンからの最下位転落。
でも、応援するんだよ! “98年の奇跡"から一転、泥沼にはまった最弱球団が「熱く熱く立ち上がる」まで。
広島東洋カープが優勝したことでセ・リーグで最も優勝から遠ざかっているのは横浜DeNAベイスターズになりました。
2016年に11年振りのAクラス入りを果たし、2017年は19年振りの優勝を目指すベイスターズ。
しかし、その裏側には12球団最多4522敗(発売当時の負け数、12球団最多敗は変わらず)があります。
なぜ横浜は弱いのか、なぜ98年に奇跡の優勝が出来たのか、そしてなぜまた弱くなったのか。
なぜ石井、波留、ローズ、佐伯、谷繁らの優勝の味を知る黄金時代のメンバーは球団を去ったのか。
そこには球団の負の伝統の体質がありました。
選手や人が変わっても、変わらない組織の体質。
その内状に迫ったノンフィクション。
DeNAがよくもここまでベイスターズを変えられたものだと驚かされる一冊です。
同時に今の状況が一時的なものではないかと不安になります。
野球チームも企業と同じ組織です。
組織論に興味がある人必見の一冊です。
高校野球 神奈川を戦う監督たち
弱小ベイスターズ(ファンの方すみません)と同じ県でありながら、神奈川の高校野球は全国屈指の激戦区。
原辰徳氏から始まって、中日森野、巨人菅野、広島田中、中日小笠原まで多くのプロ野球選手を輩出してきた神奈川西の名門東海大相模。
愛甲猛氏で甲子園初優勝し、松坂大輔選手で甲子園春夏連覇、その後も成瀬、涌井、筒香と常に超一流のプロ野球選手を輩出する神奈川東の名門横浜高校。
この両横綱だけでなく、横浜隼人、慶応、桐光学園、桐陰高校など強豪校がひしめき合う神奈川県。
神奈川県では甲子園本選より神奈川県予選の方が盛り上がるとまで言われています。
その裏側で8校・9人の指導者たちは信念を持ってチーム作りを進めているのか。
神奈川県民だけでなく、高校野球ファンにはたまらない一冊です。
逆境を笑え 野球小僧の壁に立ち向かう方法
神奈川だから次は川崎。というわけではありません。
2017年に6年振りとなる日本球界復帰となった川崎宗則選手。
親しみやすいキャラクターとひたむきな姿勢でファンを魅了する川崎宗則選手。
しかし、その裏側にはプロ入り当初に味わった挫折がありました。
今の川崎選手があるのはそんな若い頃の挫折を乗り越えた経験があるから。
だからこそ川崎選手はマイナーリーグの過酷な環境でもめげずに立ち向かえたのです。
この本には王監督、小久保、松中、城島、井口らホークスの偉大な先輩たちから学んだことやメジャー挑戦の経緯などが収録されています。
究極の野球小僧川崎宗則選手から学ぶ頑張る秘訣。
こんなにたくさん、まだできてないことがある。だったらおれは、もっともっと上手くなれる。
メジャーリーガーの女房 ~ヨメだけが知る田口壮の挑戦、その舞台裏~
プロ野球選手の妻とは何か。
華やかな暮らしを想像しがちですが、その裏側は過酷そのもの。
夫がいつ職を失うかもしれない状況と隣り合わせ。
年の半分は夫がいない状況が当たり前。
そんなプロ野球選手のヨメとしての立場を描いたのが田口壮さんのヨメである田口恵美子さん。
メジャーリーグでは移籍は当たり前。
つまり移籍には必ず突然の引越しが伴うのです。
当然そこには妻、息子さんなど家族にも影響が出てきます。
特に子どもにとっては環境が変わることは非常に大きなことです。
野球選手の移籍の背景には必ず家族のことを考えなければいけない状況があることをとても理解できる本です。
この本を読めばスポーツ選手の移籍についての考え方が少し変わります。
過酷なマイナー環境やメジャー生き残りをかけてもがき続ける夫を妻をどうみたか。
「こんなはずじゃなかった」と絶対に言わないと誓った夫婦の「こんなはずじゃなかった」激動の8年。
華やかさだけではない、野球選手の裏側が見える一冊です。
アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた
筆者は旦那さんの仕事のためアメリカに移り住みました。
そして9歳の息子・太郎くんは地元の野球チームに入りました。
そこでは日本とかけ離れた環境があったのです。
高額なプライベートレッスン。
選抜試験、落ちれば移籍は当たり前。
日本のように一つ野球チームに入るいわばムラシステムとは違って、あくまで個を高めるための集団。
それがアメリカの少年野球チームなのです。
子どもが使われなければ当然抗議する親、コーチの方針が合わないとなれば辞めさせる。
そんな日本とは180度異なる環境に戸惑いながら成長していく息子の成長を追った実話。
メジャーリーガーたちは幼少期からこんな過酷な生存競争を勝ち上がってきたのかと驚かされます。
屈強なメジャーリーガーに見えるメジャーリーガーたちに少しだけ親近感が持てるようになる一冊です。
スローカーブを、もう一球
群馬県立高崎高校が、1981年の春のセンバツに出場した物語です。
高崎高校、通称タカタカは、総理大臣をふたりも輩出した群馬県有数の名門高校ですが、高校野球では、明治38年の野球部創設以来甲子園など一度も出場したこともない、そして出場するなどと誰も想像すらしない、全くの無名校です。
実際にあった奇跡の甲子園出場物語。
エースは60~70kmの超スローカーブが武器の川端くん。
中学の時に3ヶ月野球をやっただけの監督。
サインはバンド、ヒットエンドラン、盗塁、3つだけ。
「ある日サインを出していないのに選手が勝手に盗塁して、なぜかと考えてみたら素人監督が無意識に盗塁のサインのところに手を当てていた」
なんてことが起こるような超弱小チームが甲子園出場したのはなぜなのか。
わずか35ページの短編小説。
しかし不思議な魅了を秘めたノンフィクションです。
8つの短編小説の中にはあの有名な「江夏の21球」も収録されています。
ただ、江夏投手以外の人物はほとんど無名。
この本もまた、様々な野球があることを教えてくれる一冊です。
桑田真澄 ピッチャーズバイブル
カーブと言えば桑田真澄投手。
決して体格に恵まれない桑田真澄投手がいかにしてPL、巨人といった名門でエースとして戦ってきたかについて語ったピッチャーにとっての必読書。
一番のおすすめは97年9月10日の横浜戦で9回1失点の完投勝利をおさめた試合の全打者に対して、一人一人なにを考えていたのかを綴った章です。
点ではなく線で完投する投手の心理、戦術を知ることが出来ます。
2死満塁から打者谷繁に与えた押し出しの四球。
しかし、それは桑田真澄選手にとって計算のうちだった。
それはなぜか。
その答えを知った時、また一つ野球に詳しくなれます。
まるで自分がプロ野球で完投勝利したような気分になれる一冊です。
二塁手論―現代野球で最も複雑で難しいポジション
今の日本のプロ野球には華やかな二塁手が続々と台頭しています。
そんな華やかで攻撃的な現代的な二塁手像を確立したのが、現千葉ロッテマリーンズの井口資仁選手。
プロ4年目に守備の花形ショートへのこだわりを捨て、セカンドへ移ったことだった。
セカンドの地味ながらも緻致な動きをマスターしたことで、翌年ゴールデングラブ賞を受賞。
その結果、偏っていたボディバランスが改善し、低迷する打撃も急上昇、史上3人目の30本塁打・40盗塁を記録。
さらに右方向への泥臭いヒットを狙って、打率は8分以上もアップした。そして最終的にワールドシリーズを制覇する名二塁手に成長。
足が早ければ盗塁が出来るわけではない、盗塁は打撃にも影響する、打撃力の向上は守備力の向上にもつながる、それらを実現するには考える力が必。
アマチュア1のショートとして入団するも中々結果が出なかった井口選手がいかにして、ワールドクラスの二塁手まで上り詰めたのか。
野球の見方も生き方も全てが変わる一冊です。
「優柔決断」のすすめ
野球界一の頭脳とまで言われた古田敦也氏による考え方の指南書。
この本は野球だけにとどまらず、全ての人にとって必要な考え方のコツが載っています。
野球、組織論、情報処理、マインドコントロール、対人関係などなど。
引用したい箇所は全てと言っていいほど、金言に溢れた本です。
最近の若手選手は、情報過多で頭でっかちになっていて、経験する大切さを知らない。
経験する前から頭の中で結論が出来上がっていて、それが固定観念になっている
情報を集めるときはとにかく間口を広げておくこと。
どんなことでもまずは試してみる
どんな状況であろうと、それが自分に与えられた環境なら、否定するのではなく、まずは謙虚にすべてを肯定してみる
古い情報など当てにならない。
プロの選手は2年間で見違えるように成長する。
でなければレギュラーになど慣れない
普段の何気ない選択において、決断する癖をつけておく
無理やり簡単に3つにまとめると
- 古い情報や結果に惑わされない
- 面白そうだと感じたらとにかく一度自分でやってみる
- 準備の質と決断力の強さは比例する
ということです。
私の信条である「とにかくやってみよう」の精神はここから来ています。
情報過多な現代社会をどう生き抜くか。
常に球界に革命を起こし続けた古田さんの真髄が詰まった一冊です。
まとめ
野球から学べるのは野球の結果や技術だけではありません。
野球を通して、勉強の仕方、家族の力、応援してくれる人の存在、組織論、文化など様々なことを学ぶことが出来ます。
そして、プロとアマ、上手と下手、日本とアメリカ、メジャーとマイナーなどの壁はありません。
どんな状況からでも野球を通して様々なことを知ることができます。
野球好きの人はもっと野球を好きになるために。
野球を知らない人は野球好きになるきっかけとして。
1冊手にとって見れば、人生で何かプラスになる発見がある本を10冊ご紹介してみました。
それでは、さようなら!