ヤクルト投手陣を過小評価するメディアが多過ぎる...
2018年はベテラン勢の活躍があった一方で、中堅若手の台頭に乏しく、チームの高齢化は深刻な事態になっています。
迫られる世代交代は果たして進むのか。
作業中や移動中に音声で聴きたい方は、YouTubeのラジオ動画でご覧下さい。
【ヤクルト編】12球団別キャンプ&オープン戦の編成注目ポイント、期待の選手【野球ラジオ】
【ヤクルト編】キャンプ&オープン戦の編成注目ポイント、期待の選手
野手編成の注目ポイント
- 高齢化レギュラーのコンディション
- 塩見、村上がどこまでレギュラーを脅かすか
- 中村を脅かす若手捕手の台頭はあるか
高齢化レギュラーのコンディション
ポイントとなるのは、高齢化が進むレギュラー陣を脅かす存在が台頭するか。
主力野手の青木が今年37歳、雄平、大引、バレンティン、坂口が34歳。
レギュラー格の20代は山田、中村、西浦がいるものの、主力高齢化は深刻。
ベテラン選手は、肉体的な衰えによる成績下降だけではなく、怪我で満足に試合に出られなくなるリスクも抱えています。
万全の状態ならまだまだいけるでしょうが、それだけにベテラン勢のコンディションは
非常に大事。
特にヤクルトは怪我をする選手が多い球団だけに、主力のコンディションは要注目ポイントです。
塩見、村上がどこまでレギュラーを脅かすか
2018年のヤクルトをポジション別の攻撃力で見ると、リーグ内でアドバンテージになっていたのは、一塁手、二塁手、左翼手、中堅手。
逆に弱点となっていたのは、捕手、三塁手、遊撃手、右翼手。
守備面では、チームUZRが-22.0でリーグ4位、DERがリーグ4位.689と、
全体的にディフェンス面も課題となっています。
世代交代、及び弱点解消の鍵を握ってくるのが、村上、塩見の若手中堅スラッガー。
三塁手の村上は昨年2軍で427打席に立って、出塁率.389、OPS.879と、破格の成績を残し、今年は一軍に活躍の場を移すことになるでしょう。
いきなりレギュラー級の活躍は期待しすぎでしょうが、一軍で100~200打席は経験させたいところ。
また、塩見は166打席だけに終わったものの、打率.329、9本塁打、出塁率.418、長打率.593、OPS1.011と二軍ではやることはなさそうな状態。
年齢的にも大卒社会人の2年目25歳で、結果が求められる立場。
青木、バレンティン、雄平、坂口と、外野手の壁は高いものの、貴重な右打ちの外野手として、争いに割って入って欲しいところ。
塩見が一塁手を出来れば、もっと出場機会は増えるのですが...
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中村を脅かす若手捕手の台頭はあるか
そして、個人的に注目してるのは、捕手の争い。
レギュラー捕手は28歳とまだまだ若く、3年契約を結んだ不動のレギュラー中村。
しかし、2番手以降はやや心許なく、中村の次に出場が多かったのは、35歳の井野の47試合。
バックアッパーとしては貴重な存在ですが、そろそろ次世代の捕手にも台頭して来て欲しいです。
楽しみなのは、25歳の松本と、20歳の古賀。
立場的には松本は一軍の第二、第三捕手、古賀は二軍で結果を残して欲しいところ。
特に古賀は高卒3年目捕手でありながら、既に二軍で正捕手を任されており、2018年は一軍でも7試合に出場するなど、楽しみな存在。
ヤクルトの場合は中村に代打、代走を出すこともあり、加えて選手交替の多いセ・リーグなため、控え捕手の存在は重要。
やや伸び悩む気味の中村を刺激する意味でも、若手中堅捕手の成長があるかは、注目ポイントです。
注目の若手
村上、塩見は述べたので、それ以外のところだと、やはり廣岡選手の名前を挙げたいです。
村上選手に注目が集まっていますが、本来なら高卒4年目で、既に一軍で58試合、163打席を経験してる廣岡選手が一軍で爪痕を残したいところ。
ヤクルトは三遊間の部分で、リーグ内でアドバンテージを生み出せておらず、課題になっています。
2018年セ・リーグポジション別攻撃力 9.16時点
— DELTAGRAPHS (@Deltagraphs) September 16, 2018
ヤクルトは攻撃面で弱点となっていた三塁で高卒ルーキー・村上が活躍。弱点が埋まれば大きな上積み。DeNAは三塁・宮崎が本塁打を量産し攻撃面で大きな成果。阪神は大山の大活躍で先週-12.8だった三塁が-4.8まで改善。https://t.co/JJaPWGrxjE pic.twitter.com/gNXHt9WNw0
サードには大引、川端のベテラン勢、村上、宮本の若手勢、ショートに西浦、奥村選手と、ライバルは強力。
将来の主力候補の廣岡選手がどこまでやれるのか、注目すべきポイントです。
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投手の編成注目ポイント
投手のポイントは下記の3点です。
- とにかく主力に故障がないか
- 高橋、寺島、梅津の成長
- 大下の起用法
とにかく主力に故障がないか
2018年のヤクルトは、チーム防御率こそリーグ4位の4.13と振るいませんでした。
しかし、純粋な投手のみの成績を表すFIP、tRAはリーグ3位、チーム投手WARはリーグ1位と、まずまずの結果。
個々人を見ても、小川、ブキャナン、原樹里、近藤、石山と、層の部分はやや心許ないですが、主力の質はリーグトップクラス。
主力がコンディションを維持できれば、引き続きリーグ上位級の成績が見込めるでしょう。
そこで鍵を握るのが怪我。
年齢的にも石川は39歳、近藤は36歳、リリーフの層を厚くするべく獲得した五十嵐は39歳、寺原は35歳。
早速五十嵐投手がキャンプ二日目に下半身の張りを訴えるなど、なぜかけが人がよく出る球団だけに心配。
ヤクルトは2日、五十嵐亮太投手(39)が下半身の張りで別メニュー調整すると発表した。
10年ぶりに古巣に復帰した1日のキャンプ初日は、ブルペンで35球。「久しぶりにチームメートと会って、僕自身やる気満々で来た。なるべく飛ばさないようにしたい」と口にしていた。この日は午前8時前には球場入りも、慎重を期すことになった。
年齢的には下り坂の投手が複数いるだけに、怪我やコンディション不良が心配です。
高橋、寺島、梅津の成長
そのベテラン投手陣とは逆に、今後の成長が楽しみなのは、若くていきの良い投手陣。
寺島、高橋のW高卒左腕と、主にリリーフで29試合に登板した高卒3年目の梅野、大卒3年目のドラフト2位右腕の星、注目のドライチルーキー清水と、若手が育ちつつあるヤクルト。
層を厚くするためにも、チーム力を高めるために、彼らが先発5、6番手に入ってくるほど、成長してくれると、投手陣は更に良化するのですが...
ヤクルトは4日、ドラフト1位の清水昇投手(22)=国学院大=が体調不良のため練習参加を見合わせると発表した。
清水は1月8日から始まった新人合同自主トレ以降、2日まで計11度のブルペン入り。順調な調整を続けていた。3日の練習後も「緊張感があるので、ここから慣れていきたい」とコメント。9日の紅白戦で実戦デビューすることが決まっていたが、思わぬアクシデントに見舞われた。
大下の起用法
そんな中で個人的に期待していているのは、プロ2年目26歳の大下投手。
オールドルーキーではありましたが、主にリリーフで25試合に登板し、K%20.5、tRA4.01、WHIP0.92と、まずまずの成績。
現時点では起用法は不明で、本人は先発も視野に入れて調整中とのこと。
石山、近藤、中尾に次ぐ存在として勝ちパターンに食い込むのか、先発ローテで投げるのか。
「打者が立つ中で、ブルペンでやってきたことをどれだけできるか意識してやった。よくなる手応えはつかめている」とうなずいた。
小川監督は「球に力があったし、制球も変化球を含めて安定していた。自分のペース、バランスで投げられていた」と称賛。田畑投手コーチも「打者に対してもブルペン通りに投げられたかな。ボールが続かないし、高めに浮かないという長所は出せていた」と評価した。
引用:ヤクルト・大下がフリー打撃登板一番乗り「よくなる手応えはつかめている」(デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース
前述した、ベテランリリーバーや若手先発候補の調子次第ですが、今年のヤクルトのカギを握る存在の一人であることは間違いありません。
注目の若手
注目の選手は、やっぱり原投手です。
以前の冬の通信簿動画でも話したのですが、私はこの原投手に心酔しかかっており、2019年の隠れ最多勝候補と目しています。
1年怪我無く原投手が投げぬいたら、果たしてどんな成績になるのか。
今年一番注目している投手です。
【東京ヤクルトスワローズ編】12球団の開幕ローテ予想と先発投手編成分析【2019年】題
まとめ
- ベテラン野手陣を脅かす若手有望株に注目
- 投手陣にも若手有望株ズラリ
- 塩見、大下の大卒社会人が一軍級の活躍出来るか
過去に私のYouTubeチャンネルの動画でもお話しましたが、2010年代のドラフトでの失敗が続き、中堅世代が心許ないヤクルト。
そのせいか、ややベテラン頼みのいびつな編成になっており、暗黒期の訪れる可能性も。
ただ、近年はドラフトで盛り返しており、若手有望株が多数育ってきています。
ギリギリ世代交代は間にあうのか、2019年の優勝はあるのか。
どちらにせよ、大物選手の加入はなかったので、若手選手の成長がなくては、ヤクルトの未来は明るくありません。
ヤクルト12球団でも屈指の、投打に有望株を抱えるチーム。
彼らがどのように育っていくのか、目が離せません。
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