近藤のサードコンバートによる副次的な効果は、淺間を起用出来ること。
オフは世間をあっと言わせるフロントの動きで話題をさらった日本ハム。
2017年オフには再建期以降の雰囲気もありましたが、一転して2019年は優勝狙いにシフト。
レギュラー外野手の内野コンバート、オープナー制度の導入、期待のトッププロスペクトの起用法...
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【北海道日本ハムファイターズ編】12球団別キャンプ&オープン戦の編成注目ポイント、期待の選手【野球ラジオ】
【日本ハム編】キャンプ&オープン戦の編成注目ポイント、期待の選手
野手編成の注目ポイント
- 近藤、大田、浅間の三塁手コンバート
- 捕手、二塁手、三塁手のレギュラー争い
- 清宮、王の起用法
近藤、大田、浅間の内野手コンバート
日本ハムは、競争が激しいポジションと、レギュラーががっちり固定されているポジションとが、はっきり分かれています。
上位を打つ西川、大田、近藤の外野手と、中田が守る一塁手は充実。
その一方で一塁を除く内野手と、捕手はリーグ内でアドバンテージを生み出せていません。
オフには三塁手レギュラーのレアードが退団、正捕手候補の清水が腰の手術を行うなど、暗雲が立ち込めています。
1月23日に腰部ヘルニア及び嚢腫(のうしゅ)の手術を受けた日本ハムの清水優心捕手(22)が3日、沖縄県国頭(くにがみ)村で行われている2軍キャンプに合流した。
患部はまだコルセットで固定しているものの、「痛みはまったくなくなった」と、明るい表情でウォーキングやストレッチなどのリハビリメニューを消化。正捕手の座を目指したシーズンは思わぬ形でのスタートとなったが、「ひとつの試練だとポジティブにとらえて、メンタルの弱い部分を鍛える時間にしたい。あせらずやるが、4月末に1軍の試合に出ることを目指す」と、復帰へ向けた意気込みを語った。
そんな中で噂されるのは、外野手レギュラーの近藤、大田のサードコンバート。
外野はレギュラーメンバー以外にも、浅間、王、清宮と、候補が多数います。
チーム全体の人材有効活用を考えると、外野手の誰かが内野を守れるようだと、一気に構成バランスが良くなります。
ただ、大田や近藤は元々内野手技術の面で不安を抱えていた選手。
果たしてどこまで内野手に適応出来るのか、その場合の外野の布陣はどうなるのかに、注目です。
捕手、二塁手、三塁手のレギュラー争い
仮に近藤、大田のコンバートの見通しが立たなかった場合は、本職内野手による争いになります。
セカンドは昨年覚醒の兆しを見せた渡邉を筆頭に、石井、谷内、杉谷。サードは横尾がレギュラー候補。
それぞれ攻守に特徴を持っていますが、やはりレギュラーを任せるにはやや心許なさがあり、誰かしらの急成長が必要不可欠。
せめて、横尾か渡邉のどちらかがレギュラーを掴んでくれると、今後の編成が楽になるのですが...
捕手に関しても、本来なら22歳で昨年86試合に出場し、7本塁打を放った清水に期待したいですが、捕手としては今後致命的な腰の手術を行い、開幕は微妙。
37歳の鶴岡、38歳の実松にはいつまでもたよってはいられず23歳の石川が出てこないと、非常に厳しいです。
捕手の石川、セカンドの渡辺、サードの横尾のうち、誰か一人でもレギュラーに定着してくれないと、今後の日本ハムの未来は明るくないでしょう。
清宮、王の起用法
最期に注目なのが、王と清宮の起用法。
前述した通り、外野と一塁は基本的に埋まっているため、基本的に両者のポジションは指名打者か代打、主力の休養日の代役出場。
ただ、3年契約で獲得した外国人を控えに置くわけもいかず、かといって期待のトッププロスペクトの清宮を二軍において置くの勿体無いところ。
近藤、大田のコンバートがうまくいけば、指名打者清宮、レフトワンの形で収まるのですが、果たしてどうなるのか。
ややポジションが被り気味の編成になっているため、キャンプやオープン戦の間にどこまで編成バランスを整えられるか。
もしかしたら、コンバートの結果次第では、シーズン途中のトレードもあり得ます。
注目の若手
期待したい選手は数多くいますが、やはり清宮選手。
ルーキーイヤーの昨年は、高卒1年目ながら、一軍で7本塁打をマーク。
順当にいけば、2年目の今期は10から20本塁打は期待出来ます。
ドラフト制度導入後、高卒2年目で二桁本塁打を記録したのは、5名のみ。
【ドラフト制度導入以降高卒2年目までに2桁本塁打を記録した選手】
- 清原和博(西武)=1年目(1986)/ 31本
- 松井秀喜(巨人)=1年目(1993)/ 11本
- 掛布雅之(阪神)=2年目(1975)/ 11本
- 大谷翔平(日本ハム)=2年目(2014)/ 10本
- 森友(西武)=2年目(2015)/ 17本
いずれも名だたる強打者たちで、2019年に清宮選手が2桁本塁打を打てば、スター街道は約束されたようなものです。
清宮選手は昨シーズン、180打席に立って、本塁打率22.86。
単純計算なら228打席立てば二桁本塁打は可能でしょうが、
一軍に慣れ、技術的な成長も期待出来るため、本塁打率は昨季よりも高まることが予想されます。
仮に20本塁打を超えるようなことがあれば、平成以降のドラフト指名選手の高卒2年目にしては破格の数字。
今から、清宮選手の2年目が楽しみです。
北海道日本ハムファイターズの2018年ドラフト指名予想と2019年の編成【野手編】
投手の編成注目ポイント
投手のポイントは下記の3点です。
- 西村、石川、浦野、井口、秋吉の起用法
- 駒は豊富だが決め手に欠けるローテの再編
- 流行りのオープナー導入はあるのか
西村、石川、浦野、井口、秋吉の起用法
日本ハムで役割が決まっている投手は、先発だとエースの上沢と、抜群の安定感を見せたマルティネス、リリーフだとセットアッパー宮西投手と、左キラーの公文投手くらい。
あとは先発なのか、ロング要員なのか、クローザーなのか、7回以前の要員なのかなど、役割は明確に決まっていません。
2018年にリリーフで奪三振率や、tRAなど、各種スタッツで好成績を残した、西村、石川、浦野、井口の起用法は非常に気になるところ。
基本線は石川投手をクローザーに置く形になるでしょうが、浦野投手の安定感も捨て難いところ。
運用上手な吉井コーチ退団後、いかにリリーフをやりくりできるのか、非常に注目です。
駒は豊富だが決め手に欠けるローテの再編
駒が豊富なリリーフとは対照的に、やや決め手に欠ける印象なのが先発。
上沢、マルティネスは当確として、金子、バーベイド、有原、村田、加藤、上原、堀、杉浦など、候補は非常に多いです。
このうち誰を開幕ローテに入れて、誰を2軍で先発調整させて、誰をロングリリーフ要員に回すのか。
左右や、軟投派に本格派など、バラエティは豊富だけに、対戦相手との兼合いや連戦などのスケジュールに合わせたローテを組むでしょう。
流行りのオープナー導入はあるのか
そんなかで、気になるのはメジャーでちょっとしたトレンドになっている、オープナーの導入。
オープナーの場合、リリーフが揃っていることが前提になるため、日本ハムにとっては持ってこいの投手起用法。
オープン戦などで試す可能性もあるので、要注目です。
早く肩が作れるコンディションを目指している。「もし、中継ぎをやるのなら、すごく大事になる」からだ。先発ではなく、中継ぎとしてオープナーなどの役割に意欲的なことは公言済み。「ある程度、しっかり投げられている感じはあります」。120勝右腕の抜かりない準備が、スーツケースに詰まっていた。
注目の若手
注目選手は、22歳の石川投手。
現在のパリーグの若手リリーフの中では楽天松井、オリックス山本に次ぐの剛腕リリーフ。
2018年は途中離脱もありましたが、52試合に登板して、K%26.0を記録。
これは昨年パ・リーグで40イニング以上投げた投手の中では、松井、モイネロ、千賀、浦野に次ぐ5位の数字。
勝負球のフォークボールのピッチバリューは増井、山本、千賀につぐ価を記録しており、リーグ屈指のフォークボーラーに成長。
tRAも2.92と高水準で、既にリーグ屈指のリリーバーです。
起用法は未定ですが、クローザーに固定されれば、2018年に記録した18セーブを超える30セーブを記録する可能性大。
楽しみな23歳です。
まとめ
- コンバートの成否が編成に大きく影響
- 手駒豊富な投手の運用方法は腕の見せ所
- オープナーの導入が楽しみ
部分的に育成が上手くいっていない部分はありますが、投打ともに楽しみな選手が多い日本ハム。
また、想定通りにいかない場合は、フロントの腕で一気に解決する術も持っている球団です。
なので、ダブつき気味の外野手を利用して、シーズン途中に内野手や捕手を補強する可能性もあります。
いずれにせよ、コンバートがどこまで上手く行くか次第。
コンバートの成否が、2019年だけではなく、今後の日本ハムの未来に大きく影響するでしょう。
【野球ラジオ】プロ野球2018~12球団の冬の通信簿~ 北海道日本ハムファイターズ編【ドラフト、補強、若手育成、人事】
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