キャンプ、オープン戦には色んな目的があります。
- 体力&技術強化
- コンディション調整
- 実践感覚回復
- 新球種、打法挑戦
- 新戦力の見極め
中でも一番注目なのは、選手起用方針。
守備位置のコンバートや、投手の配置転換。
新オーダーのテスト、若手の抜擢など、前年にはなかった新要素の導入やテストなど、
ワクワクさせられるポイントが満載。
そこで、12球団の野手、投手ごとのキャンプとオープン戦で注目すべき編成ポイントをご紹介します。
課題のポジションをどう埋めようとしているのか、2019年版のニューオーダーの鍵を握る選手など、編成上の要チェック点をお話します。
作業中や移動中に音声で聴きたい方は、YouTubeのラジオ動画でご覧下さい。
【西武編】12球団別キャンプ&オープン戦の編成注目ポイント、期待の選手【野球ラジオ】
【西武編】キャンプ&オープン戦の編成注目ポイント、期待の選手
菊池、浅村、炭谷、ウルフと、主力流出の多かったチーム。
彼らの穴をどう補うのか、首脳陣の腕の見せ所であり、中堅若手にとっては大チャンスです。
野手編成の注目ポイント
- 外崎の起用方とセカンドの穴埋め
- 秋山以外は心許ない両翼
-
第三捕手の台頭はあるのか
外崎の起用方とセカンドの穴埋め
野手の面で最大の注目ポイントは、移籍した浅村の穴埋め。
セカンドで3割100打点を記録した主砲の替りがいるわけもなく、多少のグレードダウンは致し方ないところ。
その浅村の抜けた穴埋めが期待されるのは、外崎。
ここ2年は外野手やサードで起用されていますが、元々の本職は2塁手。
プロ入り後は、イニング数は少ないものの、ショートとセカンドでの出場実績もあります。
その他にはドラフト3位ルーキーで、右の茂木といわれる山辺選手、中堅どころだと、水口、永江、若手だと山田や金子などが候補に挙げられます。
源田選手の例があるので、山辺選手の期待値が高まっていますが、果たしてどこまでやれるのか。
若手中堅選手の成長度合いも、キャンプやオープン戦で見極めたいポイントです。
外崎選手の起用法は事項とも関係あるので、ひとまず飛ばします。
秋山以外は心許ない両翼
ポイント二つ目は、秋山選手以外の両翼。
レフトとライトのポジションです。
西武は秋山の存在であまり話題になりませんが、外野の質と層が弱点になっています。
2018年のチーム別のレフトの攻撃力指標では、軒並みリーグ最下位。
対照的にライトは外崎のおかげで軒並みトップになっており、リーグ内で大きなアドバンテージを作っています。
問題はその外崎にセカンドコンバートの可能性があることと、秋山以外の外野手に物足りさがあること。
栗山は衰え傾向があり、ギリギリ質は維持していますが、通年出場とレフト守備は厳しい状況。
金子、木村、斎藤、熊代らの中堅外野手も伸び悩んでおり、外崎をセカンドにコンバートした場合の候補が乏しいのが現状。
愛斗、戸川、鈴木などの若手選手たちが本格化するまでには、もう数年かかりそうな見込みで、一軍レベルの外野手が不足しています。
オフシーズン、キャンプを経て、外野手候補たちがどこまで成長しているか、要注目です。
個人的にはセンターラインで利得を稼ぐ重要性を考えて、外崎のセカンドを基本線にして欲しいです。
そのうえで、外崎のユーティリティ性を活かして、外崎がセカンドとライトを半々で出られる形になるのが理想形だと考えています。
外崎を中心とした、セカンド、ライト、レフトの起用方針に要注目です。
第三捕手の台頭はあるのか
レギュラー以外の懸念点として挙げられるのが、第三捕手の不在。
レギュラー森、二番手捕手岡田の形が基本線ですが、この二人に続く存在がやや心許ない状況。
炭谷の移籍によって、森、岡田を除いて最も一軍の出場経験があるのは、29歳の中田の通算10試合。
本来なら森の負担や投手との相性を考えて、岡田スタメンマスク、森指名打者の形も
年間数十試合は取りたいところ。
しかし、信頼出来る第三捕手がいないため、その形も厳しいです。
森が怪我なく通年出場出来れば問題ないですが、かなり層が薄く心配なポジションです。
捕手2人体制で臨むのか、森を通年かぶらせるのか、第三捕手の台頭はあるのか、一軍登録枠一つ分をどう使うのか、首脳陣の編成に注目です。
注目の野手
野手で一人要注目選手を挙げるなら、やはり愛斗選手です。
戸川、鈴木、西川、高木など、期待の外野手候補はいますが、そろそろ出てきてくれなければ困るのが愛斗。
二軍では素晴らしい成績を残す一方で、怪我が多く、一軍では持ち前のよさが出ていない選手。
順調にいっていれば今年ライトのレギュラー争い筆頭にならなければいけない選手で、
どこまで成長しているのか、成長するのかが楽しみ選手です。
埼玉西武ライオンズの2018年ドラフト指名予想と2019年の編成【野手編】
投手編成の注目ポイント
- エース菊池の穴をどう埋めるのか
- 高橋光、中塚、斎藤、今井のドラフト上位組の台頭はあるか
- 伊藤翔の起用法
エース菊池の穴をどう埋めるのか
2018年の西武のチーム防御率はリーグワーストの4.24。
セイバー指標で見ても、tRAはリーグワーストの4.58、投手の総合WARは21.4で、リーグ4位。
投手力は大きな課題になっています。
加えて、エース菊池雄星がメジャー挑戦により退団。
菊池投手は2018年にパ・リーグトップタイのWAR5.6を稼ぎ出しており、これはチーム投手WARの1/4に相当します。
菊池雄星は2018年の163 1/3を投げており、これはチームの投球回数の約12%にあたります。
質、量ともに多大な貢献をしたエースの移籍は、非常に痛いです。
普通に考えれば浅村選手同等、替りが出てくるはずもなく、複数人でいかに穴を埋められるかがポイント。
先発ローテは多和田、榎田は確定として、十亀、今井、移籍組の内海、新人王候補の松本など、若手、中堅、ベテランによる競争が予想されます。
期待されるのは、高橋光、中塚、斎藤、今井のドラフト上位組の台頭。
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伊藤翔の起用法
伊藤翔投手の起用法、および育成方針も注目が集まるところ。
伊藤はプロ1年目に一軍でリリーフと先発で16試合に登板し、26回1/3を投げて3勝、
まだまだ伸び代十分な21歳。
この伊藤をじっくり先発で育てるのか、手薄なリリーフで使うのか。
首脳陣の育成方針に注目です。
投手の注目選手
投手で注目選手を一人あげるなら、今井投手。
と、言いたいところですが、当たり前過ぎるので、あえて相内投手の名前をあげます。
期待を裏切り続けたドラフト2位ですが、2018年はリリーフに転向し、一軍で初の二桁となる10試合登板。
先発では特徴のない投手でしたが、ショートイニングなら150キロ近いストレートを連発し、一軍打者をねじ伏せる場面もありました。
サンプル数は少ないですが、Pitch Valueで見ても、フォーシームの成績が向上。
【相内誠のフォーシーム】※左→Pitch Value評価、右→平均球速
- 2014年:-3.5 139.3
- 2016年:-3.1 139.8
- 2017年:-6.2 143.6
- 2018年: 3.2 146.5
2軍成績も年々良化しており、奪三振率を向上させています。
この相内がビハインドや先発が早く崩れた時のロングリリーフを任せられる存在になれば、リリーフの層も厚くなり、伊藤翔を先発で起用することも可能。
モップアッパー(敗戦処理)は地味ですが、ペナントを戦う上では重要な存在。
まずは敗戦処理やロングリリーフから、信頼を勝ち取って欲しいです。
【投手編】埼玉西武ライオンズの2018ドラフト指名予想と2019年の編成
まとめ
- 鍵を握る外崎の起用法
- ぽっかり空いた先発の穴を埋める存在が登場するか
- 愛斗、誠よ覚醒しろ
どうしてもこの時期は二十歳前後の若手の台頭を妄想しがちです。
しかし、現実的にも、編成的にも本当に活躍してくれなけば困るのは、25歳前後の中堅に差し掛かった選手たち。
そろそろ活躍しないと、控え要員のプロ野球人生か、最悪首元が涼しくなってしまいます。
フロントとしても、ドラフト戦略に影響が出る部分なので、是非中堅勢には活躍して欲しいところ。
2018年は山川、外崎、森、多和田が一軍で大ブレイクしましたが、果たして2019年はどうなるのか。
前任者の穴埋めは厳しいですが、一軍定着のきっかけにして欲しいです。
【野球ラジオ】プロ野球2018~12球団の冬の通信簿~ 埼玉西武ライオンズ編【ドラフト、補強、若手育成、人事】
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