平成ライダーマラソン(勝手に始めた)第三弾。
今なお平成仮面ライダーシリーズでは人気作品で、かつ重要な位置付けの作品。
「好きな平成仮面ライダーは?」というアンケート結果を色々調べると、大抵はトップ5入りしており、1位になっていることも珍しくありません。
それくらいの人気作品。
コミカルさとシリアスさと儚さの融合。
平成仮面ライダーシリーズの前期の良さを活かしつつ、後期に繋がるコミカルな要素をふんだんに盛り込むバランスの良さが絶妙。
ただ、冒頭に一言だけ私の感想を言うと、「思ったよりもハマらなかった...」です。
- 『仮面ライダー電王』とは
- 『仮面ライダー電王』の感想
- 『仮面ライダー電王』を観たくなったAmazonレビュー一覧
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『仮面ライダー電王』とは
野上良太郎はとにかく運がない。彼は生まれてこのかた、幸運というものに出会ったことがなかった。ある日、彼は出会ってしまう。未来からの侵略者イマジンと……そして、時空を超える列車・デンライナーと。人類の運命は、世界で最も運のない少年の手に握られた。それは、彼にとって人生最大の不幸か、それとも幸運か?
引用:仮面ライダー電王
『仮面ライダー電王』の感想
圧倒される佐藤健の演技力と愉快なモモタロスたち、ゼロノスの悲哀
先に良かった点を挙げておきます。
- 佐藤健の演技力(多重人格を巧みに演技)
- モモタロスたちの個性的なキャラクター
- 二号ライダーゼロノスの悲哀
一番驚かされたのは佐藤健の演技力。
新人俳優には難しい多重人格の役を巧みに演技しています。
あまりにも演技が自然過ぎて、最初の数話を見た後に、「あれ?これアニメでも漫画でもなくて実写で人が演技してるって凄いことじゃないか?」と気付くくらい自然でした。
普段の内気でドジっ子な役から、ヤンキーのようなおらつくキャラ、キザでクールなナンパ野郎、猪突猛進で曲がったことが大嫌いな武闘派、少年のように自由奔放で情緒不安定なキャラ。
これらを当時ほぼ無名だった佐藤健が違和感なく演技しており、間違いなくこの作品は佐藤健の演技力あってこそ成り立つ作品。
後の俳優としてのブレイクも納得の好演です。
また、その佐藤健と共に戦うモモタロスたちも愉快で個性的。
それぞれのキャラがたっており、それぞれのキャラの個性を使い分けながら、物語が進んだり、戦闘に勝利したりなど、多彩なキャラを上手くストーリーに馴染ませています。
ともすれば暗い話になりがちな話の展開を絶妙に中和してくれるキャラクターです。
二号ライダーのゼロノスは、記憶を消費しながら変身する悲しみと宿命を背負ったライダー。
最初の登場時のイメージはあまり良くなかったですが、なぜゼロノスが悪態をつくのかが徐々に明らかになっていき、どんどんゼロノスに引き込まれました。
終盤一気に話が面白くなるのはゼロノスあってこそ。
主人公の電王以上に主人公感のあるライダーで、平成ライダーシリーズの中でも非常に印象に残る二号ライダーとなりました。
敵組織不在で前半~中盤の戦いに繋がりが乏しい
完全に好みの問題ですが、敵組織不在とラスボスの目的が不明瞭な点が、どうしてもハマれなかった点です。
毎回基本的には一話完結型でイマジンが登場し、問題を解決して、倒すの繰り返し。
一応徐々に本編の核心部分が明かされる構成になっているのですが、肝心な敵側に魅力がないのが好きになれませんでした。
『仮面ライダーオーズ/OOO』や『仮面ライダーW(ダブル)』のように明確な敵や敵組織及び幹部がいて、序盤から幾多の戦闘があり、最終的に倒す。
何度も苦戦した相手だけに、最後倒した瞬間の爽快感といなくなってしまう寂しさが残る。
個人的には仮面ライダーやヒーローものでは明確かつ強大で憎い敵がいた方が楽しめるタイプなので、『電王』はイマイチ気持ちが盛り上がりませんでした。
最終ボスもイマイチ何をしたかったのか、なぜ悪事を働いたのかが見えず、やってることのスケール感と敵組織や本人のスケール感が乏しく、のめり込めなかったです。
イマジンにしても、最初は「キーホルダーを探す」や「お金持ちになる」など、明確な契約完了の線引きがありましたが、中盤からは曖昧。
「えっ?そんな曖昧な仕事でも契約完了なら、最初頑張ってたのは何なの?そんな簡単に過去に行けるの?」と、納得感がなかったです。
物語的に主人公たちを過去にいかせるためだけに存在している感じすらしました。
敵が輝くからこそ、主人公たちが輝いて見える。
ヒーローもの限らず、スポーツや恋愛、戦争映画など、作り物を盛り上げる重要な要素が私には乏しく感じて、他のライダー作品と比べて楽しめませんでした。
【レビュー】『仮面ライダーオーズ/OOO』感想【Amazonプライムビデオ】
記憶と時間、過去と未来の考え方などは子ども向きで好き
どんな作品にも良いと感じる部分と、悪く感じる部分はあるもの。
私にとって『電王』は少しだけ良いと感じる部分が少なかったです。
ただ、『電王』が作品として伝えたい「現在は過去の積み重ねであり、未来は現在の積み重ね」というテーマは非常に胸にしみました。
列車で地続きになっている電車を用いて視覚的に伝えている点も、かなりセンスがあるなと。
記憶や人の想いなども繊細かつ丁寧に描いており、切ないけどちょっとほっこりさせられる話が多かったです。
子ども向け番組としては適当なメッセージ性とテーマで、観返したくなるエピソードがいくつもありました。
個人的にはハマりませんでしたが、色んなところでおすすめされたり、未だに人気なのは納得です。
感想まとめ
- 佐藤健の演技力と脇を固めるキャラクターの魅力はGood
- 敵組織不在とラスボスイマイチで、イマイチ盛り上がらなかった
- 子ども向け番組にふさわしいテーマ設定
『仮面ライダー電王』を観たくなったAmazonレビュー一覧
OPソングのライダーの最初のカットが背中を丸めたライダーが「よっこらせ」とでもいいたそうにバイクに向かう後ろ姿のカット。
戦闘シーンが泥臭くて、圧倒的な強さもスマートさ・美しさも、キマっている変身ポーズもない。
なにしろ代名詞のライダーキックが本編で数度しか出ない。
主人公は驚くほどナヨっていて、最後にはRPG的に激強になるかと最後までへっぴり腰。
だからこそ電車を舞台にロードムービーのような人間臭さと、
スタンド・バイ・ミーのようないつまでも一緒にいたい仲間・友情を感じさせる。
SFのエンターテイメントとして最高傑作。
ライダーに興味がなくても、子どもの頃に感じたような胸が熱くなる気持ちを感じます。
電王の世界では電車の形をしたタイムマシンが未来からやってきます。
タイムマシンがある世界あるあるで、自分に都合の良い世界を作ろうと過去を操作する悪者がいるわけで、どちらの未来につなげるかの戦いが始まる。実は電王はSFです。
第一回から散りばめられた謎が謎をよび、謎が解けたと思えばフェイクだったり、数々の謎が解かれどんどん盛り上がっていき、怒涛のクライマックスの最終回まで息をつく暇をあたえません。大人が十分楽しめるだけの物語の面白さがあります。そんな物語を彩るのが数々の個性的なキャラクターたち、肉体的には最弱ながら最強のこころの強さを持つ主人公に、全体的にフザケたのりながらも、それぞれのシリアスな運命を背負って成長しながら助けあうキャラクターたちに感情移入しまくり最終回で泣かされた人も少なくないはず。
そして全体を通してブレることのないひとつのテーマ。
今の自分は過去の自分の積み重ねであり、未来の自分が夢をかなえるのも自分を変えるのも今の自分の行動次第というメッセージがオープニングから物語のいろいろなところに見え隠れしてます。
これが沢山の子どもたちに伝わったらいいなと思います。
大人が観ても面白いと聞いて視聴。
佐藤健、秋山莉奈とあったので、大人はイケメン、ヒロイン目当てでしょ、と思いながら観たのですがシナリオはもちろん子供向けの作品ですから、様々な制約があったでしょうけど、とにかく面白かった。
ライダーシリーズでもかなり変わり種作品の1つなんでしょうね、きっと。
奥さんと一緒に観ましたが、ヒーローコメディ観てる感覚で弟か息子かの成長を見守る、そんな気持ちでした。
シナリオライターが小林靖子さん!それは面白いはずだわ、と納得しました。
数話見て、こんな感じなんだ、と終わるつもりだったのが数日で映画まで込みで全話見終える位ハマりました。
さすがに見返す事は無いけど、もう一度佐藤さんの良太郎でこの作品を復活するならぜひ観たいと思います。
その時はハナに白鳥さんが…。OPの彼女の笑顔が最高に癒されます。何があったは知らないですが、この点だけが残念。
電王は思い出深い作品の一つです。 実は、敵が巨大化したり巨大機で戦うのは、戦隊もののフォーマットなので、放送当初は余り熱心には見ていませんでした。 その後(放送の途中)、モモタロスの声を演じる関俊彦さんが高校の先輩ということを知って続けて見るようになり、電王の面白さにはまりました。 放送終了後、レンタルやネット配信等で何度か全編通して見ており、今回プライム対象となり数年振りに全編視聴しました。
さて、電王の面白さですが、全体のストーリはそれ程のものが在るわけでなく、寧ろ平成1期の中では下の方でしょう。 やはりモモタロスを始めとするイマジンキャラと彼らが引き起こす事件、そしてその話の中で育まれる良太郎との友情劇ではないでしょうか。 それを時代劇とか昭和の特撮番組のように一話完結方式にすることで、様々な話を描いて見せるところが良いのだと思います。 また、個人的にはライダーが2人(途中迄は一人)しか出ていないことも、視点がシンプルになって良かったと思います。
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