死ぬまで生きる問題

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【読書感想】高校野球の新常識!『弱くても勝てます』―開成高校野球部のセオリー

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どうも、はろーぐっばい(@jubenonz)です。

 

本日紹介する『「弱くても勝てます」―開成高校野球部のセオリー 』は、下記の性格の方向けの本です。

  • 自分が納得しないと動かない
  • 疑り深い
  • 常識が嫌い
  • サクセスストーリーが好き

 

誰もが一度は聞いたことがある、東大合格者数1位の超進学校・開成高校野球部の野球哲学が解説された一冊。

 

たった週一回の練習でどうやって東東京都予選ベスト16まで進出できたのか...

 

高校野球ファンはもちろん、ビジネスやお子さんの教育などの参考になる本を探している人にオススメの本です。

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「弱くても勝てます」―開成高校野球部のセオリーとは

内容紹介

練習時間、グラウンド、施設――すべてが不十分! それでも東大合格者数1位の超進学校は、7年前に東東京大会ベスト16、今年もベスト32に勝ち進んだ。守備より打撃、サインプレーなし、送りバントもしない。どさくさで大量点を取って打ち勝つべし!――秀才たちが辿りついた結論は、高校野球の常識を覆す大胆なセオリーだった。

引用:「弱くても勝てます」―開成高校野球部のセオリー

「弱くても勝てます」の読書感想

「弱くても勝てます」の内容を大きく分けると、下記の三つ。

  1. 野球の常識を疑う面白さと大切さ
  2. 全ての世界に通ずる弱者の戦略
  3. 筆者・高橋秀実の語り口がリアリティがあって面白い

これから順番に感想をお話していきます。

1. 野球の常識を疑う面白さと大切さ

  • 野球しようとするな
  • ピッチャーをやるな
  • これじゃまるで強いチームじゃないか
  • 守備練習はほとんどしない
  • 攻撃のサインはない
  • 10点取られるの覚悟で、15点取りに行く
  • etc...

 

ざっと列挙しましたが、一般的な高校野球の常識とはかけ離れた野球観で、野球をしています。

それはなぜか。

開成高校野球部の青木監督の答えは至極シンプル。

 

「いや、むしろ開成が普通なんです」

 

 高校野球、とりわけ甲子園で繰り広げられる野球。

私たちは強豪野球部の野球こそが高校野球の”普通”だと認識しがちですが、それこそが異常。

 

  • 小学生の頃から野球漬けで育ったエリート
  • 全国から集められた精鋭軍団
  • 専用グラウンド
  • 毎日練習

 

そんな異常とも言える世界で培われた強豪野球部の野球に勝つには、強豪のセオリーでは勝てません。

ならば自分たち独自の野球観を作り上げて、仮説・検証していこうというのが、開成高校の野球。

いわゆる、「常識を疑え」ってやつです。

2.全ての世界に通ずる弱者の戦略 野球を一から定義する面白さ

読み進めてて一番関心させられたのは、「野球を一から定義する」面白さです。
 
【開成高校野球部の真定義】
  • 送りバントは『相手の攻撃を抑えられる守備力がある』という前提が隠れている
  • 精神面での指導は力が拮抗した同士の対戦では有効
  • 投げるという動作は生得的な能力ではなく、実は獲得する能力
  • 文系は守備が得意、理系は打撃が得意
  • 練習は同じことの繰り返しで体得するもので、繰り返す時間がないと意味がない
 
上記に挙げたような、野球の常識を疑って、弱小校がエリート校を倒すにはどうすべきかを、選手と監督がそれぞれ考えています。
中には禅問答のような言葉も含まれていますが、あながち見当外れなものばかりではありません。
 
野球を観たり、プレイする機会が増えれば増えるほど、ついつい何も考えずに野球をしがち。
ただ、今まで積み上げられた野球界の常識を疑って、自分なりに勝つ野球とは何かを再定義する面白さを、『弱くても勝てます』を読んで学びました。
 
結果的に開成高校野球部は甲子園には出場出来ていませんが、本書で大切なのはそこではありません。
「常識を疑って、自分に合った方法を考える習慣を身に付ける大切さ」をこの本では語っています。
 
ですので、部活動をしているお子さんがいる親御さんや組織を上手く機能させるにはどうすれば悩んでいる人には是非オススメの一冊です。

3.筆者・高橋秀実の語り口がリアリティがあって面白い

通常、野球部というものは「リーリーリー」やら「バッチバッチ」やら、わけのわからぬ奇声を張り上げて練習しているが、開成はいたって静かだった。坊主頭の生徒などおらず、円陣を組むこともない。それぞれが黙々とそれぞれの課題に取り組み、「自分自身に固有の能力を進歩させ」(初代校長高橋是清の教育理念)ているようで、さすがに名門校は違うなと感心しながら、練習を眺めてふと気がついた。。

 

 

下手なのである。

それも異常に。

 

ものすごく考えさせられる内容がある一方で、筆者・高橋秀実の語り口と描写が面白く、読んでいて何度もクスクス笑わされました。

淡々と論理的に一見奇妙な野球理論を展開する開成高校野球部に対して、ちょくちょく内心でツッコミを入れる高橋氏。

 

電車やカフェで読むと笑いを堪えるのが大変なタイプの笑いがこみ上げてきます。

 

筆者の目線はどちらかというと、読者の心情(一般的な野球観)を代弁する形になっており、結果的にそれがあることで、内容理解が深まる構成。

 

ノンフィクション作家である高橋秀実氏らしい、観察記風の語り口が良い塩梅になって、本の面白さを引き立てています。

「弱くても勝てます」のAmazonレビュー一覧 

これだけ浸透したスポーツに、まったく異なった切り口から挑戦するその姿勢が面白い。それぞれの高校生の表情が見えるような素朴な描写が心地よかった。

 

最高に笑えました。電車でこらえるのに苦労するくらい。生徒との会話に暖かさも感じる。

 

予選の時期になると、部員の少ない進学校や公立高校を応援してしまう人、必読。

 

開成高校野球部の「弱者の兵法」を取材した、脱力系ルポルタージュ。監督の禅問答のような(?)指導と、ちょっと天然ぽい部員とのズレ、それに著者のツッコミがいい感じにブレンドして、なんともいえない可笑しさを醸しています。お笑いなのか、感動ものなのか、どちらとも判じかねるまま最終回まで行ってしまいましたが、随所に監督の教育者としての愛を感じました。小ぢんまりとした野球より、当たっても当たらなくてもガンガン振る、のほうがやってて楽しいよね。「野球は偉大なるムダ」という監督の深遠な哲学は、高校野球界に一石を投じたのでは?(知らないけど)

 

孫の野球にためになるかと、父親に購入。応援できたらと思います。

 

個性を引き出す、(強者が作った)既存のルールに縛られない、練習を「基本の習得」と「仮説と検証」の場と捉えるなど、ビジネスにも通じるし、そして、価値観の再定義が進むイマドキの社会全体にも通じる視点に満ち溢れていて、スポーツをした後のような爽快なキモチになれた一冊でした。

まとめ

  • 弱者が強者を倒すために必要な考え方を学べる
  • 部活動をしているお子さんをお持ちの方におすすめ
  • 1時間もあれば読み終わるボリューム

 

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