ON(王貞治、長嶋茂雄、落合信子)って偉大。
どうも、はろーぐっばい(@jubenonz)です。
本日紹介する『落合博満 バッティングの理屈』は、野球人なら誰もが読むべき必読書。
史上唯一の三度の三冠王に輝いた落合博満氏の打撃解体新書といっても過言ではありません。
非常にボリュームのある一冊なのですが、読み応え抜群で、すぐにでもバッティングセンターや練習で実践したくなる内容がふんだんに盛り込まれています。
実際に野球をやっている現役野球部はもちろん、お子さんを指導する親御さんやコーチ、野球観戦好きのありとあらゆる人にとって目からウロコの一冊です。
早速本の内容をご紹介していきます。
『落合博満 バッティングの理屈』三冠王が考え抜いた「野球の基本」 とは
内容紹介
落合博満の「三冠王・現役時代」の打撃理論をまとめた名著2冊※、待望の復刊!
プロ・アマ問わず、選手および指導者、すべての野球関係者必読のバイブルです。本書の内容については、冒頭で落合氏が次のように語っています。
「野球を極めていくには、
野球の世界で最大限の効果を発揮する技術を身に付けることが必須だ。
その中でも、バッティングの技術はいちばん難しい。
ただし、そうしたバッティングにも、
ある到達点にいくまでには身に付けなければならないという“基本”はあると思う。
また、これをやってはいけないという“禁じ手”もある。
そして、そんな要素にはすべて理屈がある。
その理屈を考え、自分の形にあてはめて考えていくことが、
バッティング上達への近道ではないだろうか。
本書において私は、私自身が得た技術と経験によって、
その近道を示していきたいと考えている。
それと同時に、バッティング技術において
常識として片付けられてしまっていることに、
ひとつずつ明確な理屈をつけていこうと思っている」・バッティングの基本とは?
・真に効果的な練習とは?
・ストレートとカーブをどう捉えて対応すればいいか
・道具選びはどうすべきか
・上達するための体づくりや生活習慣
・指導者はどのように選手を指導すべきか etc.打者はもちろん、野球指導も知っておきたい「基本」について、
・世間の常識
・本当のところ(理屈
・具体的な実践方法
を丁寧に解いています。
『落合博満 バッティングの理屈』の読書感想
『落合博満 バッティングの理屈』の内容を大きく分けると、下記の三つ。
- バッティング技術解説
- プロ野球選手のマル秘エピソード
- 野球を上手くなるための気の持ち方
基本的にはタイトル通り、打撃の極意が解説されています。
特に前半は超実践的な野球技術解説本なので、非常に読み応えがあります。
ついつい本を読む手を止めて、実際にバットを握って、打撃フォームを実践してしまうほど、興味深い打撃理論が解説されているのです。
そして、中盤以降は現役時代の思い出(苦手な投手や監督との意外なエピソードなど)や、野球を学ぶ上で大切な心構えについても書かれています。
かなり専門的な内容なので、野球初心者の方は少しわかりづらいかもしれませんが、野球通の方には堪らない一冊です。
1. バッティングの極意を写真付きで分かりやすく解説
こんなにバッティングを論理的に語った一冊はない!
と言い切って良いほど、バッティングの細かい部分を一つ一つ解説した本です。
「ビューっときた球を、グーっと堪えて、ズババーンと振り抜く!!!」などといった感覚的ものではなく、誰でも理解できるような論理的な文章で打撃を解説。
「なぜセンター返しが基本なのか?」、「ティーバッティングは百害あって一利なし」、「打撃の基本はインコースのストレート待ち」、「配球読みの基本と罠」...
基礎的なことから応用まで、打撃のイロハを1~100まで説明。
正直全部引用文を載せたいくらいですが、さすがにそれは出来ないので、下記にいくつか印象に残った文章を掲載。
当時大阪近鉄の中村紀洋と対談する機会があった。この時、中村から「落合さんはライトへのホームランが多かったと思いますが、どうやって右へ大きい打球を狙い打ったのですか」という質問を受けた。
私の答えは「ライトに狙い打ったことは一度もないよ」である。
相手投手によって、照準を合わせるコースを変えるべきか。今度はこれを考えてみよう。
答えから書いておこう。これは「ノー」である。
私の現役時代から現在まで、周囲が期待する成績に届かず苦労している選手というのは、99パーセントが軸足に問題を抱えている。
こうした要素を考えた結果、理想的なトップの位置を見つけたわけだ。
しつこく書くが、ダウン、レベル、アッパーという考え方は、今すぐ野球を考える頭からはずしてほしい。
「おまえは体がないのに、そんなに大きなスイングをするな」という指導者の決まり文句が、日本におけるバッティング指導の限界を示しているといってもいいだろう。
もしここまで挙げた文章を読んで気になった方は、是非『落合博満 バッティングの理屈』を手に取って読んでみてください。
写真と詳しい解説文付きで、バッティングの理屈が丁寧に説明されています。
- バットの選び方
- トップの位置
- 捕手寄りの腕のヒジの使い方
- 軸足の使い方
- スタンス(スクエア、オープン、クローズ)
- ヒッチ打法の是非
- イチローのバッティングフォーム解説
- コンパクトな打撃とは?
特に面白かったのが、元巨人のバーフィールドと清原和博のクローズドスタンスに関する考察です。
クローズドスタンスのメリット、バリバリのメジャーリーガー・バーフィールドが日本で低打率になった理由、クローズドスタンスの本当の理屈を理解していなかった清原が意外にも手にした効用...。
『落合博満 バッティングの理屈』を読んだだけで、野球の見方が一つ上のレベルにいけます。
2.現役時代のマル秘エピソードも満載
ボリュームも多いので、読んでいると少し疲れてくるのですが、合間合間に現役時代のマル秘エピソードが書かれているので、読み疲れすることなく読み進められました。
- 巨人に移籍してわかった平成三本柱(斎藤、槇原、桑田)の新のエースとは?
- 張本勲が味方の1塁ランナーに盗塁するなといった理由
- 駒田はなぜ本塁打が少なかったのか
- 稲尾監督とのミーティング
- 八重樫がオープンスタンスにした理由
野球の神様とも言える落合博満氏の視点から見た、レジェンドプロ野球選手の素顔やマル秘エピソード、技術的欠陥などを知ることが出来ます。
3.プロとして、野球人として、1流になるための極意
『落合博満 バッティングの理屈』を全ての野球人に読んで欲しいと書いた理由は、何も野球の技術と知識面だけのことではありません。
精神面でも、勉強になる金言が数多くありました。
もっと厄介なのは、本当はできていないのに、自分ではできたと思い込んでいる場合。
中略
言葉を選んで書けば、この指導のように誰にでも身に付けられる可能性の低い技術の伝達は、間違いではないが時間の無駄なのである。
一度身に付けた形はすべてゼロにして、新しいものを身に付けることはできないことも書いておく
技術事の習得は算数の計算式のように1+1=2という具合にはいかない。ましてや、一度身に付けた技術を修正するとなると、欠点を直せばすべてがよくなるという保証もない。苦手なコースを克服するためのスイング改良に取り組んだばかりに、今まで持ち味にしていたいい部分が失われてしまう可能性もあるからだ。苦手なコースがあるという自覚がないために、そのコースに手を出して結果が伴わない選手に対しては、そのことを指導してやる必要はあるだろう。
たとえアマチュアであっても、いつまでも監督、コーチが同じ人間だとは限らない。指導者に依存した気持ちでは、新しい指導者に代わった時には路頭に迷ってしまう。だからこそ、自分がレベルアップするために必要だと感じたことがあれば、それを自分なりにしっかりと理解し、自分自身でチェックしながら高めていける習慣をつけておくべきだろう。
選手はもちろんですが、指導者の方にも是非一読して欲しい、スポーツを行う上で心に留めておきたい考え方が書かれています。
上記でご紹介した文章以外にも、練習に取り組む姿勢や試合で本当に大切にすべきこと、ものの考え方など、1流になるための極意を学べる一冊。
私に中学生以上の野球をしている息子がいたら、今すぐにでも買い与える野球人にとってのバイブルです(買い与える息子はいませんが)。
『落合博満 バッティングの理屈』のAmazonレビュー一覧
理論ではなく、理屈という言葉の意味を十分噛みしめています。素晴らしい内容です。やはり落合は凄い。30年来のソフトボール愛好者です。まだプレシーズンですが、練習の時点から変わりました。調子良いです。あとは本番でどれ位効果が出るか、今シーズンが楽しみです。
息子が野球をやっているので,アドバイスのヒントが欲しくて購入しました。
へたな映像を視聴するより,文・写真・絵のみのこの本を読んだ方がイメージがしやすいと思いました。
例えば、野球を志す青少年に、ただ1冊だけ、バッティング上達の本を薦めるなら
結局はこの著作に収斂するのではないか?(他にも理論的な理解を深める好著、名著は数多あるが)
以前、2冊に分かれていたものがうまく統合された点も 読み易くなってGood!
肘の抜けやセンター返しの極意が平易な言葉で的を射た解説がなされており、
打撃向上を目指すティーンの野球人には格好の作品、正にバイブルになると思う。
ある程度時間が経って尚、こういう形で再発されるところにこの作品への評価の高さが伺える。
本当の打撃野球バイブル。技術、心構え、指導論、鍛錬、野球人生論、全てが網羅されています。
野球における、「ザ・常識」をまずは解説し、後に気持ちよく論理的且つ科学的に破壊。
メジャー、日本の名打者たちの分解写真、トップの位置も必見。
なぜ、センター返しが基本なのか?
ボールをよく見るとはどんな見方か?
コンパクトなスイングとは?最近蔓延している「〜メソッド」的な本とは一線を画するでしょう。
落合博満という人間からオレ流、小難しい技術論が展開されるのではないかと思って本を手に取ってみたが、意外にもその内容は至極、基本的でシンプルなことを謳っている。説明も理にかなっていて、かつ全編を通して基本の重要さを説いているので頭にも入ってきやすく、その理論に対しての理解度も高く感じる。
私も本書を通じて、あの落合の右打ちや内角打ちは基本的なことの積み重ねということがよく分かったし、その後センター返しの重要さやインハイへのボールの目付けを意識するようになり、自身の打撃が向上したと確信している。
この打撃理論はパワーヒッター、アベレージヒッターに関係なく万人に通じている理論で、大人だけでなく、小学生高学年から中学生くらいでも理解できる内容であるため、、今よりも打撃を向上させたい全ての人にオススメしたい一冊である。
バッティングについて、テレビの解説や学校の指導者の言葉を気にして、正しいと言われた通りのバッティングを何とかして身に付けられないかと悶々とした時期を思い出す。
この本は、そんな進歩のない時間を費やした自分の至らなさを気付かせてくれた。
テレビでは、外国人は体格とパワーが桁違いだから、独自のバッティングフォームでもいい。
そんなはずはないと思った。
落合はこの本の中で、理屈に合うように、自分にあったフォームを身につければいいという当たり前のことを、分かりやすく気付かせてくれた。
もう一度バットを握ってみたくなった。
まとめ
ひと口にバッティングと言っても、10人の選手がいれば10通りの打ち方があり、私のバッティングも私自身が考えたものである。
「オレ流」という言葉で誤解されることもありますが、落合博満氏は広い視野と柔軟な考えを持った人物。
「自分には合わない」、「こだわりがある」、「色んなことを試してみたい」という考えを否定することはありません。
「自分で試行錯誤した結果たどり着いた結論ならそれで良いんじゃない?」
そう言って見守るタイプの人物です。
様々な考え方、身体的特徴、価値観がある人でも、 何か得るものがある一冊ですので、是非ご自身の手にとって、自分の頭で考えてみてください。
10年以上前の本ですが、今でも使える野球の指南書です。
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