どうも、はろーぐっばい(@jubenonz)です。
本日は、親が倒れる前に介護でやっておきたいことまとめをお話します。
目次
20代独身男性の私が介護を意識した理由
- 両親が高齢:父親68歳、母親63歳
- 父親が2017年10月に脳梗塞で倒れた
- 私が長男(姉が一人)
- 親戚関係は薄い一家
- 両親の介護に対する意識が希薄(に見える)
同世代と比べて、私の両親は世代が少し上。
学生の頃から漠然とではありますが、”介護”に対する意識はありました。
ただ、心のどこかでまだ先の話くらいには思っていたのですが、2017年に父が脳梗塞で緊急入院。
父親の老い、介護の不安、死の怖さ【2018年4月の介護日記】
幸い命に別状はなく、後遺症もないので、今は元通りの暮らしをしています。
しかし、いつXデーが来てもおかしくない状況であることを、痛切に感じました。
私は現在両親と一緒に実家暮らしの長男。
姉は離れて暮らしているので、自分がやらねばいけないと考えています。
私と姉、そして両親の4人家族は、親戚付き合いが良い一家ではありません。
基本的に頼る人はいないので、自分たちで自分たちの面倒を見なければならないのです。
加えて両親は介護に対して意識が希薄に見え、まだ自分たちが介護を受けるのは先のことだと思っている節があります。
もちろん私も出来れば介護をする日が来なければ良いと思っていますが、現実はそうはいきません。
平均的な健康寿命に照らし合わせれば、父はあと4年、母は11年もすれば、介護の必要がでてくる年齢。
厚生労働省は9日、健康上の理由で日常生活が制限されることなく過ごせる「健康寿命」が2016年時点で、男性72.14歳、女性は74.79歳だったと発表した。前回の13年と比べて男性は0.95歳、女性は0.58歳延び、男女とも過去最長を更新した。厚労省は健康意識の高まりや、高齢者の社会参加の広がりが背景にあるとみている。(毎日新聞)
なってからは遅い。
倒れる、要介護になる前に動き出さなければと考え、介護について勉強・行動することにしたのです。
介護の勉強のために参考にした本2冊
手始めに本を2冊読んでみました。
2冊程度では足りませんが、まずは基礎的なことを把握するには十分。
初めに少しだけ紹介しておきます。
親が倒れた!親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと
「介護」を乗り切るカギは「自己申告」と「情報収集」!
●昨日まで元気だった親が、突然入院! まず、何をすればいい?
●もうすぐ退院。これから初めての介護生活
●介護サービスや施設の種類が多くて、よくわからない
●親の医療費・介護費は、親の貯蓄でまかなえる?
●父親の介護で、母親まで倒れそう…
●遠方に暮らしているけど、直接介護をしている親兄弟をサポートしたい
●仕事と介護の両立が厳しいけど、無理をするしかない?
●在宅介護もそろそろ限界。施設入所も考えはじめた
●遠距離介護中だけど「親を一人にするな」と親戚からプレッシャーが…
●ひどい施設や介護スタッフの報道を見て不安になった
●一人っ子だから、両親が元気なうちに介護のことを考えておきたい入院・介護で家族が担う役割は、必要な「情報」を集め、ケアの「方針」や「費用」を検討して、サービスを受けるための「申請・契約」をすること。本書では「短期的戦略・中期的戦略・長期的戦略」に分け、あなたが「いま」知るべきことを、わかりやすく紹介します!
介護について網羅的に解説したマニュアル本を1冊。
肝心なのは、「情報収集」と「段階に分けた戦略」。
知らない人は損する世の中にあって、情報を得て「自己申告」するのは大切です。
母さん、ごめん。 50代独身男の介護奮闘記
ある日、母が認知症を発症した――。息子(50代独身男)は戸惑い、狼狽する。
母と息子。たった2人の奮闘記が始まる。男一匹、ガチンコで認知症の母と向き合った。本書を執筆したのは、科学ジャーナリストの松浦晋也です。
男性、50代。実家に母と同居しながら、気ままな独身生活がこの先も続くと信じていました。
ところが、人生を謳歌していたはずの母親が認知症を患います。
母の様子がおかしいと気がついたのは、「預金通帳が見つからない」と言いだした時のこと。
誰だって、自分が確立した生活を崩したくないもの。様子がおかしいと認めなければ、それは現実にはなりません。
そんな甘い意識から見逃した母の老いの兆候は、やがてとんでもない事態につながっていきます。
初動の遅れ、事態認識の甘さ、知識、リソースの不足…。
認知症の親の介護について描かれたノンフィクションストーリーはたくさんありますが、
「50代・独身・男性」が1人で母の介護に向き合うケースはまれでしょう。
認知症・母の介護を赤裸々かつペーソスと共に描いたノンフィクションストーリー。是非、ご覧くだい。
介護の現実を克明に描いたドキュメント本を1冊読了。
綺麗だけでは済まされない世の中。
介護にまつわるネガティブなニュースや、過酷な現実がこの世には存在します。
科学ジャーナリストの筆者らしい、理路整然とした観察記のような本。
それでいて、時に情緒的な一面も垣間見え、現在の介護の状況をリアルに垣間見られます。
親が倒れる前に介護でやっておきたい、考えおきたいことまとめ
上記の2冊を読んで、私がやっておくべきだと思うことをまとめました。
どこのご家庭でも必要なことですので、是非参考にされてみてください。
介護に関する法律や保険制度を知っておく
とにもかくにも、一番知っておくべきは介護に関するルール。
特に一番気になる費用面は、親の年齢や介護必要などによって、かなり変わってきます。
【介護の費用に関するルール一例】
- 入院時に発生する「入院保証金」⇒現金で5~10万円必要なケースあり
- 「看護料」が「入院基本料」に含まれており、原則、病院は家族に対して付き添いを強要できない
- 介護保険で利用できるサービスには、要介護1~5と認定された人が利用できるサービス(介護給付)、要支援1~2と認定された人が利用できるサービス(予防給付)がある
- 医療費(外来・入院)の自己負担額は、親の年齢と所得によって変わる
※70歳未満は3割負担、70~74歳の親は2割または3割、75歳以上の親は1割または3割
介護者の責任範囲や、病院や介護士の方にお願いできること。
引用:親が倒れた!親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと
認識の齟齬から生まれる無用なトラブルを避けるためにも、まずはルールを知る必要があります。
【住居を見直す】マイホームの改築、引越し、老人ホーム
階段や段差の多さ、介護用ベットなど、バリアフリーな環境を整える必要があります。
【改装して準備したいこと一覧】
- 床の段差をなくす
- 床下や天井裏に断熱材を入れる
- サッシを二重ガラスにして断熱性と防音性を向上
- 失禁を想定して、ベットを置く場所を防水仕様にする
- etc...
「長く住むつもりならば、早いところやっておしまいなさい」
古い家にちまちまとつぎはぎを当てるかのような改装を行うぐらいなら、最初から老人の過ごしやすさを考慮して設計された家に移ってしまったほうがいいだろう。
その際、検討すべきは場所。
仮に両親と離れて暮らしているなら、自分の住まいに呼び寄せるのか、通い介護できる距離にするのかなども、検討しなくてはいけません。
見知らぬ土地に両親を連れてきた結果、土地勘も交友関係もなくて、引きこもりになり、精神的にも肉体的にも弱ってしまうケースもあるそうです。
資金面を苦慮している方は、老後資金のために自宅を担保にして銀行や公的機関からお金を借り入れ、死亡した時点で自宅を売却して一括返済する「リバースモーゲージ」という選択肢もあります。
まずはどこで(土地、自宅or老人ホーム)生活するのかを家族で十分に話し合い、先を見越した行動を取りましょう。
住居の変更は、介護の中でも一番時間とお金がかかりますので。
【介護離職対策】会社に頼らない収入源を確保しておく
継続的に介護を行うためには、経済的な負担がかかります。
また、介護が終了した後の生活を視野に入れて考えても、経済的基盤は重要です。
介護に直面しても、すぐに退職することなく、仕事と介護を両立するための制度を活用して、仕事を続けながら介護をしましょう。
と、厚生労働省は言っていますが、なかなか実態は難しいところ。
介護のために離職し、貯金を取り崩しながら無収入の日々が続いて、さらに再就職も出来ず....
という、介護される側もする側も浮かばれない現実があります。
十分に貯金をすることはもちろんですが、本業以外にもお金を得られる副業やスキルを身につけておくことも、選択肢の一つです。
最近は在宅ワークやフリーランスの求人や、働き方がありますからね。
親の貯金を把握しておく
介護はとにかくお金もかかる。
そこで把握しておきたいのが、両親の資産。
引越し、改築、入院費、デイケアサービスの利用など、結局はお金を把握しておかないことには計画をたてられません。
引用:親が倒れた!親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと
ところが、この貯金を把握するのは少し難しい。
「財産目当てか!」と勘ぐるご両親もいらっしゃるそうで、良かれと思った行動で関係が悪化することも。
ダイレクトに聞ける関係や両親ならいいですが、そうでない方は、多少工夫したほうがいいです。
引用:親が倒れた!親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと
ちなみにですが、親のの口座からお金を引き出す時には、キャッシュカードと暗証番号、それに「委任状」がなければ、例え実子とは言え引き出せません。
「成年後見制度」で、家庭裁判所から援助してもらう制度もあります。
引用:親が倒れた!親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと
ただ、それとて費用と手間と時間がかかりますので、出来れば事前に資金管理をしておきましょう。
両親が通販で定期購入をしまくって、とんでもない請求がくるケースもあるそうなので、資金管理は早めに対策を打って置く必要があります。
荷物を整理しておく
生前生理(リユース)も必要なこと。
介護で結構大変なのが掃除。
空気の乱れは体調にダイレクトに影響しますし、物につまづいて転倒して大怪我という危険も考えられます。
元々物が少なければ、掃除の手間も省けますし、ロボット掃除機を導入しやすくなるのです。
「自分が/親が、老いてしまう前に」「自分が/親が、認知症を発症してしまう前に」できることをやっておく態度が重要になる。
介護する親自身にロボット掃除機の使い方をレクチャーしておきましょう。
物を整理して、本当に必要なスペースが把握出来れば、引越しを検討する際にも役立ちます。
家族で介護の役割分担を話し合っておく(兄弟、親族、配偶者)
法律上は長男、次男、長女、次女の区別なく、皆同じように親を扶養する義務を負っています。
元気なほうの親も、配偶者の退院を喜んでばかりいるとは限らないそうです。
看護・介護を自分が全面的に行うことへの不安が、精神的な負担になることも。
私の母も、正直なところシモの世話は嫌だし、頑固な父に味気ない介護食を食べさせ続けるのは面倒なことになりそうと危惧しています。
子どもたちだけではなく、親も含めて、介護の役割分担を明確にする意識合わせが必要です。
前述した引越しなども含めて。
介護の現実を把握しておく
何かと「死ねばいいのに」という独り言が出るようになった。
綺麗ごとばかりではないのが実情。
介護で蓄積したストレスと疲労で、精神的にも肉体的にも限界に追い込まれるケースがあるそうです。
加えて金銭や仕事にも影響が出始めれば、その追い込まれっぷりは加速。
ましてや、両親の”老い”という見たくない現実を見せつけられれば、滅入らない人の方が珍しい。
基本的に現状維持か、下がることが多い状況も、ストレスを溜め込む一因です。
「母さん、ごめん。」の著者・松浦 晋也さんも、お母様に手をあげてしまったことがあるとのこと。
その際、医師やケアマネさんから、マニュアルで用意してあったかのような慰めの言葉をもらい、他にもストレスを抱えて手を出してしまった人がいることを悟ったそうです。
少し話は異なるのですが、育児ノイローゼで興味深い話を聞いたことがあります。
赤ちゃんの泣き声は生物的には不快指数の高いもので、人間がストレスを抱えるのは当然の反応。
従って、人間は本能的にストレス源を排除したくなるそうです。
その結果、さ〇いが芽生えるケースも。
もちろん大多数の親は、実際に行動を起こすことはありません。
ただ、我が子に対してさ〇いを芽生えた自分への罪の意識から、精神的におかしくなることがあるそうです。
介護に関しても同様のことが言えるでしょう。
ストレッサーとなった自分の母親を憎いと思う感情が、人を異常な精神状態に追い込んでしまうのです。
ですので、ストレスを感じることは決して変なことではない。
と、自分を落ち着けさせる心の持ちようも大切。
全てを抱え込まず、介護の現実を見つめることも、必要なのです。
認知症になる前に親孝行をしておく
もしも親孝行を、と考えているなら、認知症を発症する前にすべきだ。
認知症になってしまってからは、生活を支えることこそが親孝行となり、それ以上の楽しいこと、うれしいことを仕組んでも、本人に届くとは限らない。
逆に悲しい結果となることもある。
私もできるだけ「親孝行」をするように努めているのですが、やるなら今すぐにでも始めましょう。
程度の大小は関係なく、やることが大切。
意外な親の趣味や好みがわかったりして、新たな発見があったりします。
私は「赤毛のアン」の原作小説が、母の愛読書(心のバイブルであり、教育スタイルの指針)であることを最近知りました。
後悔したいときには何とやらというやつです。
まとめ
- まずはルールや制度を知ろう
- 1人で抱え込まない 協力できる人ややり方を見つけておこう
- 短期、中期、長期的な戦略が大事
- 過酷な現実が待ち構えているかもしれない
- 介護は倒れる前からできることがある
人それぞれ抱えている状況は異なりますが、多くの方が遅かれ早かれ介護に直面します。
介護の先にあることを考えると目を背けたくなりますが、自分が赤ん坊の時にしてもらったことを返す意味でも、介護に関心を持たれてはいかがでしょうか。
それでは、さようなら!