どうも、はろーぐっばい(@jubenonz)です。
本日は、『クレヨンしんちゃん 襲来!!宇宙人シリリ』のお話をします。
※このレビューはネタバレを若干含みますが、極力避けております。
【最初に一言感想】
- 駄作じゃないけど、良作でもない。
クレヨンしんちゃん 襲来!!宇宙人シリリとは
概要
『映画クレヨンしんちゃん』シリーズ25周年記念作品。本作は第20作『嵐を呼ぶ!オラと宇宙のプリンセス』以来5年ぶりに宇宙を題材にしているほか、日本を縦断して目的地に向かうというロードムービー方式が第5作『暗黒タマタマ大追跡』以来20年ぶりに使われている。シリリによって子供にされてしまったみさえとひろしを元に戻してもらうために野原一家がシリリを父の元まで連れていく道中に巻き起こる事件を軸として、物語が展開されていく。
あらすじ
ある日の夜、野原家にUFOが不時着。UFOの中にいたのは、宇宙から来たという宇宙人のシリリだった。シリリが発した光線を浴びたひろしとみさえは25歳若返り、ひろしは10歳に、みさえは4歳の姿に戻ってしまう。シリリは、生き物を若返らせることは出来るものの、成長させることは出来ないのだという。そして、日本の南の種子島にいるシリリの父親なら、ひろしとみさえを元の姿に戻せるらしい。翌日、シリリはしんのすけのズボンの中に入り、野原一家は日本縦断の旅に出発する。
その後、カスカベ防衛隊にシリリの存在とひろしとみさえが子どもになった事がばれてしまうも、他人には言わないという約束を交わす。ようやく新幹線に乗り込んだ野原一家だったが、泥棒に全財産とシリリの私物を盗られてしまい一時静岡に下車することに。そしてヒッチハイクで八尾という宇宙人オタクの男に拾われ彼の家に行くが、シリリの存在に気づいた八尾がシリリを捕まえようとしたため、野原一家たちは森へ逃げる。そこで、しんのすけ、シリリ、シロの3人は誤って熊本行きのトラックに乗ってしまい、熊本へ。一方、ひろし、みさえ、ひまわりの3人は、反省した八尾と共にしんのすけ達を追って熊本へ車を進める。
なんとか熊本で再会を果たした野原一家だったが、謎の二人組のモルダダとカスリーに捕まってしまう。
そんな中、シリリの父親による恐るべき陰謀が進められようとしていた。
クレヨンしんちゃん 襲来!!宇宙人シリリの感想
映画オールスター大集合! キャラだけでなく設定も!
一番(って言っていいのか?)の見所は、過去全映画の関連キャラクターが出てくるところです。
あるキャラクターがインタビューを受けたり、銭湯から出てきたり、映画鑑賞していたり。
あるものはおもちゃになっていたり、ポスターに掲載されていたり。
ある人物と共に楽しんだアイテムを本作の登場人物が身につけたり、楽しんでいたり。
過去の24作品を観たことがある人なら、「あっ!〇〇の〇〇だ!」のように楽しめます。
一回目ではなかなか気が付けないものもあるので、それだけで何回も観られます。
前作観た人間としては特に。
全クレヨンしんちゃん映画ランキングベスト25【2017年最新作含む!】 - 死ぬまで生きる問題
また、再登場したのはキャラクターやアイテムだけではありません。
設定や展開、描写なども過去作と似たようものがあります。
おしりを巡る騒動、異星人との考えの相違、幼児化するみさえとひろし、記憶をなくすみさえ、春日部から飛び出してのロードムービー、離れ離れになった野原一家の再会...。
挙げればキリがないほど、似通った設定があります。
クレヨンしんちゃんの映画を観てきた人にとっては、かなり”既視感”のある作品になっているのです。
重要な点としては、過去作を知っていなければ楽しめないわけではありません。
『クレヨンしんちゃん 襲来!!宇宙人シリリ』のストーリーを理解する上で、必要なことはないからです。
ですので、初めてクレヨンしんちゃん映画を観るという人も十分楽しめます。
半端ない残尿感! 結果的に全てが中途半端
対立する親子愛、友情、家族の絆、地球のピンチ...。
まぁ、盛り上がりそうな要素はかなり散りばめられており、時折ギャグも交えてくるので、終始ワクワク感を持って楽しめます。
最終的に伏線をどういう形で回収するのか、この作品のメッセージは何か、今までにない結末は?
などど、期待感を膨らませる要素が数多くあります。
あったのです!
が....。
といった感じですかね。
結果的に何かどれも中途半端で、シリリ君の成長もあまり見られないかなと。
もっと”彼にしかできないあること”を活かせる道が見つかったり、親子関係の修復・歩み寄りがある展開を期待したんですけどね。
それこそ、前作の『ユメミーワールド』のように、親側の気づきがあれば良かったのに。
加害者意識のない児童虐待 映画『クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃』【ネタバレ感想】
結果的には力技で反抗して、親側は特に反省や改心したような描写はありませんでした。
もし、この『シリリ』のテーマが「親に怯えて自分を見失うな!自分の道は自分で切り開け!」ってことだとします。
ただ、見ている子どもたちは、「親と関係悪化、修復不可」の状態にまでなりたくない人が一定数いると思うので、あまり響かないのでは?と私は思います。
親側に対する「子どもをあまり縛り付けるな」というメッセージだとしても、なんか釈然としないところはあったようにも感じました。
ひろしが子を想う親としての理想的な役割をしていただけに、余計残念な感じ。
過去のクレヨンしんちゃん映画でも、親に理解してもらえず良い子を演じる子どもは何名か登場しました。
前述した『ユメミー』のサキちゃん、『スパイ大作戦』のレモン。
ひろしがレモンにかけた言葉が泣ける 映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ黄金のスパイ大作戦』【ネタバレ感想】
彼ら彼女らは親に忠実なだけでなく、自分の思いに素直になることを野原一家との触れ合いで知り、成長しました。
同時に親側も、改心と成長をして、良き家族になっていったのです。
それらと比較した時に、ラストのあり方はちょっと疑問の残る内容でした。
シリリとしても、何だかしこりが残る人生選択になった気がします。
親が納得しなくたっていいし、そんなこともある。それでも自分を見失うな!
ってのが、メッセージならありだとは思うんですけどね。
「親からの自立」という一応の軸はできるので。
そうなると、やっぱりラストが釈然としない逆行した行動とっていますし...。
これでいいのか、クレヨンしんちゃんスタッフ。
駄作でもなければ、良作でもない。 一番後世に語り継がれないパターン
では、駄作かと言われればそこまでではありません。
ただ、人に勧めたくなるほどの良作かと言われると疑問。
結構厄介なのは、致命的な欠点らしい欠点がないことです。
無理やり探せば粗はありますが、それこそイチャモン。
良い設定や展開がありながら、ラストで残念感があった『アミーゴ』の方が、まだ手直しのしようがあります。
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今回の『シリリ』に関しては、変におかしな点がないので、修正箇所が見つからない感じがします。
何より修正したところで、劇的に良くなる感じもありません。
ロードムービーとしては、『暗黒タマタマ』や『ヤキニクロード』。
感動の親子愛の修復では、『ユメミー』。
カスカベ防衛隊の奮闘劇なら、『カスカベボーイ』や『ジャングル』。
どれも、同じような設定で、かつ『シリリ』を上回る作品があります(個人の感想)。
その中で、シリリでしか楽しめない要素ってのが希薄です。
何より残念なのが、しんのすけの活躍が少ないこと。
『嵐を呼ぶジャングル』でもお話したのですが、クレヨンしんちゃん映画がV字回復したのは「しんのすけの活躍」という原点回帰をしたからです。
映画クレヨンしんちゃん転換点!?『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶジャングル』しんのすけがヒーローを越えた瞬間【ネタバレ感想】
『シリリ』でも一応しんのすけの頑張りはあるのですが、主人公感があったのかというと微妙なところ。
個人的にはひろしの頼りがいの方が印象に残りました。
5、10年後に、25作品を超える作品の中で、あえて”見返したくなる”かという微妙かなと。
むしろ、全て見返してから観てみようかなくらいがちょうど良い所のように感じます。
うーん、もったいない。
クレヨンしんちゃん 襲来!!宇宙人シリリの漫画版
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まとめ
面白い設定が色々あっただけに、ちょっと残念な出来になった印象があります。
地球の「地球の歩き方」や、「ライトセーバー」らしき棒状アイテムのクレヨンしんちゃんらしい使い方、「無知との遭遇」。
笑い要素としても、クレヨンしんちゃんらしい要素があったので、もう少しで名作になり得た可能性はありました。
ただ、目立った修正箇所がないのが不思議なところ。
まぁ、24作品を観てきた人にとっては、宝探し兼回顧作品と割り切って観る分には良いのではないでしょうか。
それでは、さようなら!