第99回全国高校野球選手権大会(朝日新聞社、日本高校野球連盟主催)の地方大会は30日、西東京大会で決勝があり、東海大菅生は早稲田実業に6―2で勝ち、17年ぶり3度目の夏の甲子園出場となった。
早稲田実業・清宮幸太郎選手は、高校通算本塁打最多記録の更新はならなかった。
目次
スタメン
東海大菅生
打順 守備 名前 年 出身中学
1 遊 田中幹也 2年生 相模原リトルシニア
2 右 松井惇 3年生 逗子リトルシニア
3 二 小玉佳吾 3年生 秦野リトルシニア
4 一 片山昂星 2年生 横浜緑リトルシニア
5 三 奥村治 3年生 尾張ボーイズ
6 左 佐藤弘教 3年生 佐倉リトルシニア
7 中 牛山千尋 3年生 佐倉リトルシニア
8 捕 鹿倉凜多朗 3年生 秦野リトルシニア
9 投 松本健吾 3年生 東京青山リトルシニア
早稲田実業
打順 守備 名前 年 出身中学
1 二 橘内俊治 3年生 世田谷南ボーイズ
2 投 雪山幹太 2年生 神戸中央リトルシニア
3 一 清宮幸太郎 3年生 調布リトルシニア
4 捕 野村大樹 2年生 大阪福島リトルシニア
5 中 西田燎太 3年生 調布リトルシニア
6 右 小西優喜 3年生 調布リトルシニア
7 左 福本翔 3年生 富士見リトルシニア
8 三 生沼弥真人 1年生 世田谷西リトルシニア
9 遊 野田優人 2年生 早稲田実業中等部
試合結果
高校名 1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
東海大菅生 1 0 0 0 3 0 0 0 2 6
早稲田実 0 1 0 0 0 1 0 0 0 2
1回表に東海大菅生は1死1・2塁から、片山のタイムリーで1点を先制。
2回裏に早稲田実業は2死2塁から、福本のタイムリースリーベースで同点。
5回表に東海大菅生は早稲田実業・サード生沼の悪送球間、片山、奥村のタイムリーで3点を勝ち越す。
6回裏に早稲田実業は1死・3塁からワイルドピッチの間に1点を返す。
9回表に東海大菅生は2点を追加し、ダメ押し。
9回裏はエース松本が完投で締めて、試合を制した。
清宮幸太郎の全打席振り返り
・第一打席
初回2死ランナーなしの場面で打席を迎える。
・第二打席
4回裏無死・無走者で迎えた。
ストライクは一球もなく、ストレートの四球を選ぶ。
2球目のスライダーに反応したのを見る限り、スライダー狙いに見えた。
速球よりも、変化球打ちを得意とするため、清宮らしい狙い。
この清宮を見て、東海大菅生バッテリーがどんな配球をするのかが、見所。
・第三打席
6回裏・無死走者なしで、迎えた。
カウント2ボールからの、ストレートを打ち上げて三塁ベンチ前へのキャッチャーファウルフライ。
ストレートを打ち損じた形になり、悔しい表情を見せた。
八王子、東海大菅生のバッテリーは、両校とも初球にインハイのボール球を見せて、外のボールで仕留めるのが、 対清宮時の共通した攻めになっている。
・第四打席
8回裏・1死走者なしで、迎えた。
カウント1ストライクから、強烈なライト前ヒットを放った。
外野部分の芝生まで下がった二塁手が追い付けないほどの打球速度はものの違いをみせつけた。
四打席ともランナーなしで清宮を迎えられた、東海大菅生バッテリーはさすが。
総評
東京都のチームに対して、新チームになってから無敗の早稲田実業。
対する東海大菅生は3年連続で決勝敗退中。
この試合の前時点で、東海大学付属系列が東海大菅生を除いて全て敗退しており、東海大系列の威信をかけた一戦ともなった。
早稲田実は2年ぶり30回目、東海大菅生は17年ぶり3回目の全国選手権出場を目指す。
また、高校通算107本塁打の清宮幸太郎選手の記録更新の期待もかかった。
そのため、神宮球場は予定を早め、異例の試合開始6時間以上前となる午前6時50分ごろから開門。
当日券を求めて計1千人以上が未明から列を作るほどの熱狂ぶり。
試合開始1時間以上前時点で、入場券が売り切れた。
東海大菅生高校は、プロを狙おうかという選手はいなかったものの、さすがに4年連続で決勝に勝ち上がってきたチームだけあって総合力が高い。
これまで西東京の各チームが打ちあぐねた、早稲田実業のエース雪山の遅い変化球を各打者がしっかりと捉えた。
3万人を超える観客が入ったこの試合。
自分を見失っても、おかしくない状況でも、落ち着いてプレーをした。
対する早稲田実業は3エラーと、本来の固い守りを見せられなかった。
早稲田実業
※早稲田実業の選手個別評については下記のページで触れています。
早稲田実業・清宮幸太郎が高校通算本塁打最多記録タイの107号で決勝進出!
東海大菅生
片山昂星(一塁手) 2年 背番号3
高校通算20号を誇る強打の2年生4番打者。
この試合でも、初回に先制タイムリー、5回には追加点となるタイムリーツーベースを放った。
早稲田実業・雪山の遅い変化球に対しても、タイミングを崩されることなく、センターを中心に強烈な打球を打ち返した。
長打力だけでなく、対応力にも優れる。
逆方向にも強いあたりを打てるため、攻めどころが難しい好打者。
奥村治(三塁手) 3年 背番号5
片山の後を打つ、右の強打者。
高校通算本塁打は17本。
この試合では、追加点となるタイムリーを放った。
打席以上に目立ったのは三塁守備。
前の打球へのダッシュ力、難しい態勢からの華麗なジャンピングスローなど、軽快な守備を披露した。
アクロバティックな守備も魅力の選手。
また、ランナーを背負った局面でも、積極的かつ正確なプレーをみせるなど、勝負強さも光る。
まとめ
大観衆を前にしても、 力を発揮した両チームはさすが。
引き締まった試合は決勝にふさわしかった。
これだけの観衆とプレッシャーを前にしても、物怖じしなかった東海大菅生なら甲子園の大舞台で力を発揮できる。
17年ぶりの夏を思いっきり暴れまわって欲しい。
それでは、さようなら!
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