第99回全国高校野球選手権大会(朝日新聞社、日本高校野球連盟主催)の地方大会は23日、長崎大会で決勝があり、波佐見高校が清峰高校に4―2で勝ち、16年ぶり3回目の選手権代表を決めた。
目次
試合結果
学校名 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 計
波佐見 1 0 1 0 0 0 0 0 0 2 4
清峰 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0 2
■投手
波佐見 隅田、村川竜
清峰 岸川滉、豊村、岸川滉
■本塁打
川口
1回に波佐見高校はここまで不振だった2年生4番バッター内野のタイムリーで先制。
3回には清峰高校の守備のミスをついて1点を追加。
その後は両チームチャンスを作るも投手の粘りと好守備でお互いピンチをしのぎあうロースコアの展開となった。
9回裏に清峰高校が2点をとって土壇場で同点に追いついた。
直後の10回表、波佐見高校は川口侑宏のツーラン本塁打で2点を奪い再リード。
10回裏はエースナンバーをつけた村川竜が締めて甲子園出場の切符をつかんだ。
総評
長崎県を代表する強豪高校同士の引き締まった試合になった。
両チーム共に大型選手は少なく、長打で押していくよりも、バントや盗塁を絡めてコツコツ次の塁にランナーを進めていく攻撃スタイルが持ち味。
また、両チームとも好投手を揃え、守備も堅守を誇っていた。
さすが強豪らしく隙のないチームを作り上げてきたという印象。
また、両チームの一塁手が再三に渡って内野手からの難しい一塁送球を踏ん張って好捕球をするなど内野全体のレベルの高さを感じた。
特に内野手は身長160~170センチ台と小柄ながらもセンス溢れるプレイヤーが多く、強豪でレギュラーを張るだけはある。
3回表には2年生ながら4番を任されている清峰高校の右翼・谷川葵依が好返球で本塁への生還を阻止するなど、守備でもそのポテンシャルの高さをみせた。
清峰は江川、谷川、波佐見は早熊、内野らの2年生が中心を任されており、来年も楽しみなチームになりそうだ。
両校で目立った・印象に残った選手
試合の中で私の印象に残った選手の雑感を語っていく。
清峰
豊村直大(投手兼一塁手) 3年 背番号1
身長184センチの大柄な右投手。
速球は最速で142キロを計測するなど、コンスタントに130後半台の速球を連発。
馬力の高さを見せつけた。
打撃でも長打力を放ち、身体的なポテンシャルの高さはこの試合の中で別格の存在
大学、もしくは社会人でもやっていけるだけのポテンシャルの高さを感じさせられた。
岸川滉生(投手兼外野手) 3年 背番号11
先発して3回を2失点。
その後は左翼手にまわった。
初回に144キロを計測。
本人がストレートのMAXは140キロと言っていることを考えると誤測の可能性はあるが、それでも左投手で140キロ台を計測したのは驚き。
一昔前の高校野球なら左腕の140キロ台となれば好投手と大騒ぎされたものだが、それが背番号11を付けた2番手投手。
高校野球のレベルが上がっていることを感じさせせられた。
打撃でも三塁にセーフティバントを決めるなどセンスと脚力も併せ持つ。
投手だったため9番を打っていたが、打撃に専念すれば上位を任されてもおかしくないセンスを感じた。
金堀歩(二塁手) 3年 背番号4
再三再四に渡る好守備を連発。
球際の強さ、送球の正確さ、守備範囲の広さ。
守備のどの面をとってもレベルの高さを見せた。
特に7回表1死1・3塁の場面でセカンドゴロをさばいてからの本塁への完璧な送球で三塁走者の本塁生還を防いだプレーは技術だけでなく、勝負所での精神面の強さも見せつけた。
左打者登録ながら、右打席にも立つなど野球センスの高さを感じさせられた。
6月から練習し始めたというから更に驚きだ。
波佐見
隅田知一郎(投手) 3年 背番号1
左のスリークォーター気味の位置からキレのある速球を小気味よく投げ込む好投手。
スライダーのキレもあり、時折右打者の外にチェンジアップを放るなど、変化球の精度も高い。
低めに集められる安定したコントロールを持ち合わせるなど大崩れしない安定感がある。
投球フォームも非常にスムーズで、出所が見づらそうに見えた。
今後身体が出来てくれば、高いレベルでも通用するポテンシャルと技術を秘めている。
村川大介(遊撃手) 3年 背番号6
左打席ではセンターからレフトを中心に鋭い打球を連発。
対応力の高さを感じさせられた。
50mを6秒フラットで駆け抜ける脚力を攻守に発揮。
バントで内野安打、塁に出れば果敢に盗塁を仕掛け、2得点に絡んだ。
また、守備では広い守備範囲と球際の強さを見せた。
三遊間の深いところから強い送球を見せるなど強肩も光った。
野球センスに溢れる選手。
早熊拳太(中堅手) 2年 背番号8
2年生ながら3番センターを任される走・攻・守にハイレベルな選手。
初回に追い込まれてから、左腕・岸川滉生の難しいインローのスライダーをセンターへ強烈なライナー性の打球のセンター前ヒットを放つなど打撃センスは本物。
第二打席では無死1・2塁のフルカウントからインローの直球をセンターに大飛球を放つなどインサイドアウトの上手い裁きを見せた。
まだ2年生であることを考えると、今後ますます身体が出来上がってくれば、あの打球はセンターオーバーになっていただろう。
打球速度は今日出場した選手の中で一つ図抜けた存在。
今後の成長が楽しみな存在。
甲子園で期待すること
チーム力としては優勝候補とは言えないだろう。
ただ好投手隅田、村川を中心とした固い守りは甲子園でも十分戦えるレベル。
まずは1勝を目標にして目の前の試合を一戦必勝で臨んで欲しい。
そして2007年の長崎日大以来10年ぶりの夏2勝を目指したい。
特に隅田の投球は甲子園を驚かせるだけのポテンシャルを秘めているだけに、しっかりと疲れをとって甲子園を迎えてくれることを祈る。
※波佐見高校の本大会情報については下記の記事を参照してください。
まとめ
甲子園の座を巡るハイレベルな試合を見せてくれた両校に拍手を送りたい。
見応えのある死力を尽くした試合はこれぞ高校野球といえる好ゲームだった。
選手、指導者、父兄、応援と全ての関係者にお疲れ様ですと言いたい。
甲子園、今後の活躍に期待したい。
それでは、さようなら!
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