死ぬまで生きる問題

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西武大石達也投手は復活から覚醒へ 怪我から這い上がった6球団競合右腕の逆襲

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早稲田の大石はもういない。

いるのは新たに覚醒した西武大石。

 アマチュア時代の圧倒的な輝きが時にプロになってから足枷になることがある。

西武大石達也投手もその一人。

 

早稲田大学時代に日本ハム斎藤佑樹、広島福井優也投手と共に早大トリオと騒がれて、大活躍をした大石投手。

豊作の年と言われた2010年のドラフト会議にあっても、その評価は郡を抜いており6球団が競合したほどだ。

 

抽選の結果埼玉西武ライオンズに入団した大石投手だったが、待っていたのは大学時代の活躍からは想像も出来ないほど過酷なプロの世界。

 

プロ6年間で100登板、2勝、8セーブ、防御率3.59。

 

一体誰がこんな成績を予想しただろうか。

周囲の期待に応えられない中で大石投手はもがき苦しんでいた。

 

それでも2016年に復活の兆しを見せると、2017年にはその活躍がまぐれでないことを証明しようとしている。

 

同世代が華々しく活躍する中、遅れてきた黄金時代の逸材が輝きを放とうとしている。

 

そこで今日は復活から覚醒への道を突き進む、埼玉西武ライオンズ大石達也投手について語っていく。

目次

大石達也とは

1988年10月10日生まれ。

福岡県太宰府市出身。

中学時代の先輩に後にプロ入り後西武でチームメイトになる野上亮磨投手がいた。

 

福岡大大濠高では甲子園出場はならなかったものの、最速145km/hを誇る九州屈指の右腕として注目を集めた。

 

大学は早稲田大に進学。

当時の早稲田大学野球部監督の應武篤良は「日本一の遊撃手になれる」、「鳥谷敬を越える逸材」と遊撃手としての起用を熱望。

ただ、大石投手の故障や投手希望もあって投手として登録される。

 

1年秋から3年春の4シーズンにかけて38回2/3連続無失点を記録し、初めて規定投球回に達した3年秋のリーグ戦ではベストナインを受賞。

 

先発では安定感がなく、同級生の先発投手に斎藤佑樹や福井優也ら先発の柱がいたため3年頃からは、ストッパーに定着。

 

4年生の時に明治大学戦で自己最速となる155km/hを計測。

斎藤、澤村、大野らと共に一躍ドラフトの目玉として注目されることになった。

 

2010年プロ野球ドラフト会議では横浜ベイスターズ、東北楽天ゴールデンイーグルス、広島東洋カープ、オリックス・バファローズ、阪神タイガース、埼玉西武ライオンズの6球団から1巡目指名。

抽選の結果西武が交渉権を獲得し、入団。

 

プロ一年目は当時の監督渡辺久信の意向で抑えから先発に転向。

しかし、オープン戦では球速が最速でも140km/h台前半に留まるなど大学時代の剛速球は影を潜めた。

リリーフとして開幕一軍に登録されたものの、練習中に右肩の痛みを訴え、登板機会のないまま登録抹消となった。

プロ一年目は登板なしに終わった。

 

プロ二年目にようやく一軍デビュー。

リリーフとして登板を重ね、24試合に登板し、防御率2.75。

プロ初勝利も記録した。

 

プロ三年目は抑えを任されたものの、不安定な投球を続け、すぐに中継ぎに配置転換。

37試合に登板したものの、防御率6.38に終わった。

 

プロ4年目は右肩痛のため一軍での登板は0、5年目もわずか3試合の登板に終わった。

 

プロ6年目となった2016年にようやく復調の兆しが見えだした。

シーズン途中から1軍に定着すると36試合に登板して、防御率1.71。

31.2回を投げて、奪三振36と高い奪三振能力を見せた。

早稲田大学時代の圧倒的な投球 大学ナンバーワン投手

早稲田大学時代の大石投手の投球はまさに大学ナンバーワン投手の肩書きが相応しかった。

 

150キロを越える速球は球速以上にノビとキレを感じさせ、打者を圧倒していた。

 


大石達也(早稲田大) 好調時の投球

 

また、ストレートばかりに目が行きがちだが、変化球の制球力もまとまっており、カウントを稼ぐスライダー、低めにコントロールされるフォークボールを操り、ただのストレート頼みの投手ではなかった。

 

圧巻はその奪三振率。

特に2年時には、33.2回を投げて66奪三振。

奪三振率は驚異の17.68にまで達した。

 

大学生レベルでは歯が立たないレベルに2年生時に達していた。

 

そして、その投球はアマだけではなく、プロにも通用することは3年生時のプロアマ戦で見せつけた。

 

NPB選抜を相手に1イニングを投げて無失点、2奪三振。

ストレートでグイグイ押し込んだ姿を見て、誰もがその将来を確信した。

 

また、この頃大石投手はショートとしても公式戦に出場。

元々福岡大大濠高時代は、1年春から外野手としてレギュラーに定着するなど野手としての素材は一級品。

高校時代の監督は大石の外野守備を大濠歴代ナンバーワンと評するほど。

 

その野手として非凡な才能を感じていた早稲田應武監督は大石選手のショート起用を熱望したほど。

早稲田大学出身のショート鳥谷選手を凌ぐ逸材と形容した。

 

大学ナンバーワン投手は野手としてもずば抜けた才能を有しており、プロに入っての成功は約束されたようなものだった。

プロ入り後の不振 先発転向、右肩痛

プロ入り後、西武は大石投手を先発として育成する方針をたてた。

理由は体力面の強化。

 

大石投手は基礎体力面のプロレベルではないとみなされ、先発として調整していく中で体力向上を図った。

 

また体力面だけではなく、投手としての駆け引きなどを覚えさせることで、投手としての総合力の強化が目論まれていた。

 

ただでさえ試合数が少ない大学野球で、それも抑えとなると投げる機会は極端に少なくなります。いくら練習で投げ込むとはいえ、試合で投げるのとは緊張感も違いますし、体の張りも全然違ってくる。ピッチャーというのは、試合を多くこなすことで肩や体のスタミナをつけ、駆け引きを覚えていくのです。しかし抑えだった大石は、そうした部分で経験を積むことはできなかった。


 また数少ないアピールする場で、大石はスピードにこだわり過ぎたのではないでしょうか。新聞やテレビなどで『150キロ右腕』とか呼ばれると、無意識のうちにスピードを意識してしまう。速い球を投げようとすると、どうしても余計な力が入り、その結果としてフォームを崩すことが多いんです。事実、大石も4年生の時は力が入り、投げ方もぎこちなかった。もちろん、スピードもキレもこれまでとは別人でした。

引用:【プロ野球】西武・大石達也は大学時代に背負った『負の遺産』を返せるか?|プロ野球|集英社のスポーツ総合雑誌 スポルティーバ 公式サイト web Sportiva

 

ところが大学時代からフォームを崩していた大石投手は先発どころか、思うようなボールさえ1球も投げられなくなってしまった。

一時はストレートが130km台にまで低下してかつての剛腕の鳴りを潜めてしまった。

 

だましだましで投球を続けていくうちに右肩を痛めてしまい、2014年は1軍登板0。

2軍でも6試合の登板に終わるなど、どん底まで落ちた。

森投手コーチとの二人三脚で蘇ったかつての剛腕

どん底の淵で彷徨っていた大石投手を救ったのは2015年より埼玉西武ライオンズの二軍投手コーチに就任した森慎二氏。

 

長身、剛速球、フォークボーラー。

森コーチと大石投手には共通点が多く、二人は二人三脚で再生の道を歩みだした。

 

日々変わるトレーニングメニューに戸惑いながらも、森コーチの引き出しの多さに感心していたという大石投手。

 また、森コーチと体重移動を課題にフォームを修正。

 

「筋力的には大学時代よりも今のほうがついていると思うので、やはりフォームのタイミングが要因だと思います。今シーズンは体重移動がうまくできていて、上半身と下半身のタイミングが合ってきたことで、球の強さにつながってきていると思います。体重移動はずっとやってきたことなんですけど、今年のキャンプで、森慎二投手コーチとトレーニングをやってきて、それがやっと自分のものになってきたと思います」

引用:西武大石が激白、どん底からの“復活”「余裕はない。結果を残すしかない」 | Full-count | フルカウント ―野球・MLBの総合コラムサイト―

 

徐々にかつてのストレートを取り戻しつつあった大石投手は2016年に復活の兆しを見せ始めた。 

 

36試合、防御率1.71、31.2回、奪三振36。

 

大学時代のような剛速球で打者を圧倒するほどではなかったものの、淡々と自分の役割をこなし、結果を積み重ねた。

 

一時は投げることすらままならなかった大石投手。

それでも肩回りの強化トレーニングを重ねることで、2016年のキャンプから右肩の痛みは解消

 

プロ6年目、28歳とやや遠回りしたが、大学ナンバーワン投手がようやくプロで活躍出来るスタートラインに戻ってきた。

蘇った大石投手の飛躍の2017年

飛躍が期待される2017年。

開幕から好調を維持しており、11試合連続無失点を継続。

途中首痛で戦列を離れたものの、6月末に一軍復帰。

 

好調の要因はストレートの回転数。

その回転数はリーグトップクラスを誇る。

 

昨今、ダルビッシュ有(レンジャーズ)や上原浩治(カブス)のフォーシームが打たれにくい理由として「スピン量」に注目が集まるなか、大石にも同じことが言える。弾道測定器「トラックマン」で計測すると、大石のストレートはリーグトップクラスの回転数を誇るという。スピンの効いたストレートは打者にとってホップしてくるように感じられ、差し込まれるケースが多くなる。

引用:L大石、“脱力“も球威失わぬ理由。苦悩の豪腕右腕が掴んだ“メカニック“ | ベースボールチャンネル(BaseBall Channel) - Part 3

 

森コーチと取り組んできたトレーニングが身を結び、ストレートの質を高めることに成功したのだ。

大学時代のような150キロを超すボールではないが、それでも今の大石投手のストレートは十分プロの打者に通用している。

 

そのストレートの質の高さは結果にも現れている。

大石投手のストレートの被打率は2016年が.213、2017が.158。

しかも全投球の中で62~63%もストレートを投じながらこの成績を収めている。

 

わかっていても中々打ち返せない域まで到達している。

 

この回転数の多いストレートを生み出した背景には子どもの頃に父から教わったかまぼこ板を使ったトレーニングにも影響している。

「ちゃんとしたきれいな回転じゃないと、(板が)まっすぐいかないんです。変な回転だとすぐ落ちてしまいます。かまぼこを食べて、板を洗って、1人で投げては拾ってを繰り返していました」

引用:父直伝の“かまぼこ板トレ”!? 西武大石が剛速球復活へ行った珍練習とは | Full-count | フルカウント ―野球・MLBの総合コラムサイト― - (4)

 

かつての横浜ベイスターズで活躍し、1999年には17勝を上げた川村丈夫投手もストレートの質を高めるために取り入れていたというかまぼこ板トレーニング。

社会人野球の九州産交(1988年休部)で投手として活躍した父の教えが、現在の大石投手の球質につながっている。

 

そんな大石投手は折に触れて、勝ちパターンで投げたいと発言している。

現在のライオンズは武隈、牧田、シュリッター、増田の勝ちパターン投手が君臨。

大石投手は同点・ビハインド時での登板が多くなっている。

 

実際、2016年はホールド数3、2017年はここまで0。

まだまだ勝ちパターン投手とは言えない状況だ。

 

しかし、土肥コーチはゆくゆくは大石投手を勝ちパターンで起用することも視野に入れている。

 

土肥義弘ピッチングコーチはこう評する。

 

「以前、一軍でクローザーとして登板していたときは、おそらく肩の痛みもあって大石の本来の状態ではなかったと思います。彼のストレートは独特で、140キロぐらいでも、十分打者を詰まらせることができます。今は、そのストレートが戻ってきたし、スピードガンでも球速は140キロ台の後半が出ています。ストライク先行で自分のスタイルを貫けているのがいちばんいいですね。ゆくゆくは勝っている場面でマウンドを託すこともできると思っています

引用:西武・大石達也がようやく帰ってきた。同期の牧田、秋山を今度は追う側に。(2/3) - プロ野球 - Number Web - ナンバー

 

6月に入って、牧田2敗、シュリッター1敗、増田2敗とリリーフ陣にほころびが出てきたライオンズ。

苦しい台所事情にあって、今後は大石投手にも勝ちパターンでの登板が巡ってくるかもしれない。

 

新たに手にしたリーグトップクラスのスピン量のストレートを武器に大石投手が大学時代のように勝敗を左右する場面で好投してくれることに期待したい。

まとめ

大学時代に注目を集めて、鳴り物入りでプロ入りして早7年。

結果が出ず、故障でろくに投げられない日々もあったが、ようやく一軍で活躍出来る状態までになった大石投手。

 

おっとりとしたような性格で、主張が足りないと言われることもあるそうだ。

しかし、大石投手は「投手をやりたい」という強い信念だけは一度も曲げなかった。

高校、大学、プロと野手としての非凡な才能を評価されても投手としてのこだわりを捨てなかった。

 

投手というポジションは時に頑固なくらいがちょうど良い。

 

強い信念と並々ならぬ努力で手にした球界一のストレートでパ・リーグの強打者たちを牛耳って欲しい。


それでは、さようなら!

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