先週の埼玉西武ライオンズは4勝1敗の貯金3。
ビジター5連戦で出来過ぎと言っていいくらいの嬉しい結果となった。
5試合合計でわずか7失点。
1試合最多失点が2失点と投手陣の安定が光った。
今日は先週のライオンズ振り返りと今週の展望について語っていく。
- パ・リーグ順位表(2017/5/15時点)
- 先週(2017/5/9~5/14)のライオンズ
- 投手陣 5試合で7失点 先発投手が試合を作る見事な安定感
- 野手陣 売り出し中のルーキー源田が止まらない
- 今週の展望(5/16~5/21)
- まとめ
パ・リーグ順位表(2017/5/15時点)
ライオンズは貯金1で3位に浮上。
首位楽天とのゲーム差を6.5に縮めた。
試合消化数に差はあるものの、得点数はリーグ1位。
失点数もリーグ2位の少なさと投打のバランスが取れている。
先週(2017/5/9~5/14)のライオンズ
先週のライオンズはビジターで日本ハムと2連戦、オリックスと3連戦。
日本ハムと1勝1敗、オリックス戦3勝で週間勝ち越し3。
理想は週間1つ勝ち越しと考えていただけに、出来過ぎな結果となった。
日本ハム戦
懸念の裏ローテの軸、高橋光成投手にようやく今シーズン初勝利がついた。
今季は前週まで4試合に先発して全敗。昨季からは自身6連敗中だった。昨年8月14日以来の白星に「本当にうれしい。去年から勝ち星が少なくて今年も良くなくて…。いっぱい打っていただいて楽に投げられたので、次は自分が長いイニングを投げて、中継ぎの皆さんを楽にさせたい」と笑顔だった。
また、故障復帰後、なかなか状態が上がらなかった栗山選手に待望の復活アーチが飛び出した。
復活に向けてデーゲーム後は自主的に1時間以上打ち込み。「簡単に取り戻せるわけじゃない。それが分かって良かった。ずっと練習を続けてないとダメだと思ってやってきた。間違ってなかった」。地道が最短距離と再確認した。
5月に入って月間9勝2敗の好調日本ハムが相手だったけにここを5分で乗り切れたのは大きかった。
もし3連戦だったら、負け越しもあり得ただけに、スケジュールに助けられた形になった。
楽天戦
オリックス戦は3勝。
今シーズン対戦成績0勝5敗の苦手相手に最高の結果を残した。
今月の肝となるゲームと考えていたので、これを乗り切ったのはチームとして非常に価値があるものとなった。
中々本塁打が出ずに苦しんでいた浅村選手に久々の一発が飛び出した。
4月4日オリックス戦以来28試合125打席ぶりの今季第3号だったが「もう全部、1、2番のおかげです」。浅村の前で好機をつくり続ける秋山、源田をたたえた。
また、今季初登板となった佐野泰雄投手が5回1失点の好投で嬉しい先発初勝利。
「最後は疲れてたね。ファームで何をやってたんだ、と言ってやりました」と笑いつつ「でもよく試合をつくってくれた。佐野だけに、厄を払ってくれた」。
今の西武には牧田、シュリッター、増田といった安定感があるリリーフがいるため、最高6回、最低5回までは先発投手が投げ切ってくれるだけで有り難い。
現在のローテだと菊池雄星選手、佐野選手と左が続く。
同じ左の力投型で上位互換の菊池選手の後に投げるのはできるなら避けたい。
また、裏ローテは右投手のみで構成されている。
佐野投手が菊池選手とは違うローテに入って、各対戦カードに必ず左の先発投手が登板出来るようになるのが理想だ。
ただ、まだ佐野投手は1試合結果を残したに過ぎない。
これから結果を残し続ける中で、いい意味でローテ再編を考えさせるほどの投手になって欲しい。
投手陣 5試合で7失点 先発投手が試合を作る見事な安定感
先々週は6試合で43失点。
しかし、今週は5試合で7失点に持ち直した。
好投光る先発投手陣
中でも先発投手が試合を作ったのが非常に大きい。
【先週のライオンズの先発投手】
・5/9 高橋光 5回自責点2
・5/10 十亀 5回自責点1
・5/12 菊池 6回自責点0
・5/13 佐野 5回自責点1
・5/14 ウルフ 6回自責点1
安定したリリーフ陣と破壊力がある打撃陣がいるため、先発が試合作れれば十分勝機はある。
今週は課題の6連戦が予定されている。
ローテ再編に伴い野上投手が裏ローテに回る。
【予想先発投手】
5/16:野上
5/17:高橋光
5/18:十亀
5/19:菊池
5/20:佐野
5/21:ウルフ
野上投手の登板を一つ飛ばしてまで、行ったローテ再編だけに、この結果がプラスに働くことに期待したい。
ルーキー田村伊知郎選手が1軍デビュー
そして、今週はドラフト6位のルーキー田村伊知郎選手が1軍デビューとなった。
5/9の日本ハム戦でリリーフ登板で無失点デビュー。
12、13のオリックス戦にも登板し、ここまで3試合連続で無失点。
ストレートで空振りを取れていない現状を見るに、接戦での登板はまだ怖い。
点差のついた試合での登板が予想される。
そこで結果を残して、首脳陣の信頼を勝ち取って欲しい。
今週の投手MVP:高橋、佐野
今週のキーマン:野上、十亀
野手陣 売り出し中のルーキー源田が止まらない
リーグトップの得点数。
森、金子、山川不在ながら攻撃力はリーグトップクラス。
全員が揃った時が今から楽しみだ。
好調な主力四天王
主軸4人は依然として好調を維持。
秋山、浅村、メヒア、中村選手がリーグOPS6~9位。
浅村、中村選手はリーグ打点王トップ。
秋山選手は出塁率4割越え。
メヒア選手も勝負所での一発や好守備が光る。
全員が揃って好調なことはそれぞれが上手く補完しあっている。
このままケガなくシーズンを乗り切って欲しい。
止まらないルーキー源田選手の勢い
そしてその主軸の活躍がかすむほどの大活躍を見せているのが売り出し中のルーキー源田壮亮選手。
打率リーグ8位の.314、盗塁リーグトップの9、守備はUZR6.0でリーグ全体2位。
走・攻・守でチームを牽引する活躍を見せている。
やや驚き気味の周囲とは裏腹に辻監督は源田選手の活躍を想定通りととらえている。
辻監督は「源田? だから、あいつの打撃はいいって前から言ってるじゃん」と言葉を弾ませた。
高い守備力を買い、春季キャンプの早い段階から「源田は遊撃のレギュラー」と公言していた。
衆目は線の細さ、バットスイングの力感のなさから「打撃が課題」「2割5分打てればいいが」としていたが、その点についても「タイミングの取り方は天性。実戦になれば打てる」と断言していた。
課題だった出塁率及び選球眼もここにきて改善の兆しが見えてきている。
出塁率は及第点の.354、5月に入って四球6(通算9)。
徐々にプロのボールに慣れてきたようだ。
WAR(勝利貢献度)2.2はリーグ4位。
今や西武に欠かせない不動のショートストップとなった。
心配なのは体力面。
外せない存在になってきているが、森、金子選手が復帰後は打順を下げるなどして、なるべく負担を減らして欲しい。
ようやく当たりだした苦労人木村選手
開幕から打撃不振に苦しんでいた木村文紀選手が5月の月間打率.371と好調。
プレッシャーで体重が10kg落ちるほど、悩んでいた男のバットにようやく快音が響くようになってきた。
辻監督も、新戦力を登用する難しさに直面していた。当初から「多少結果が出なくても我慢して使う」と腹をくくっていたが、それにしても時間がかかった。「なぜ木村を使い続けるのか」。自宅では、ネット上の手厳しいコメントを目にした夫人が、泣きそうな目を向けてくる。「気にするなと言ってるんだけど…」と肩をすくめた。
それでも辻監督は、早朝8時の早出特打から木村文に付き合い、アドバイスをし続けた。転機は5月第1週のソフトバンク3連戦。試合前に現役時代の戦友、秋山幸二氏と再会し、木村文の打撃について話し合った。「トップでバットがもう少し寝た方が、スムーズにスイングできるのでは」。そういう結論に至り、その場で秋山氏とともに、木村文に助言を始めた。
思い切ったフォーム改造は、成果につながった。5月の打率は3割7分1厘。木村文は「使い続けてもらっているのに、申し訳ないとずっと思っていました。これからもっと打ち続けないと」と巻き返しを誓った。
5/13のオリックス戦では今シーズン待望の第1号アーチを含む猛打賞。
UZRではパリーグ全体7位、右翼手1位の2.9。
パリーグ全体4位、中堅手1位の3.7を誇る秋山選手と鉄壁の右中間を形成している。
守備を重視する辻野球を陰で支える存在だ。
木村選手がこのまま打撃の状態も上げてくれれば、辻監督の野球は更に近づく。
ライオンズは外野手の攻撃力に課題を残すだけに、木村選手に覚醒に期待したい。
パ・リーグポジション別wRAA(5月14日終了時点)
— DELTAGRAPHS (@Deltagraphs) 2017年5月14日
楽天は昨季弱点になっていた外野手の攻撃力を大幅に改善。茂木の成長と共に躍進の要因に。オリックスは徐々に攻撃力が低下し、T-岡田らが9.4点のプラスをつくる左翼以外は苦しい状況。日本ハムは復調してきたが二遊間など攻撃の穴は多い pic.twitter.com/HP5V6MCX1d
先週の野手MVP:源田壮亮
今週のキーマン:木村文紀、栗山巧
今週の展望(5/16~5/21)
今週は火曜日からZOZOマリンで千葉ロッテマリーンズと3連戦、金曜日からはソフトバンクホークスとホームメットライフで3連戦。
鬼門の6連戦となる。
週間目標は4勝2敗で貯金2。
現在最下位のロッテは5月2勝10敗と絶不調。
先発が予想される投手もチェン、スタンリッジ、佐々木の裏ローテ。
敵地ではあるが、ここは是非勝ち越しを狙いたい。
ソフトバンクはロッテ対照的に5月9勝2敗と絶好調。
ただ強力な千賀、東浜、バンデンハークの登板はない。
対戦相手は中田、寺原らが予想される。
注目は菊池選手。
プロ入り後対ソフトバンクホークス戦は13試合で0勝9敗。
打倒ソフトバンクに向けて、エースで初戦をとって勢いに乗りたい。
強い相手だが、ホームの地の利を活かして、勝ち越しを目指して欲しい。。
まとめ
先発投手の奮闘で貯金生活に戻ったライオンズ。
5月の成績は5勝6敗の借金1。
目標の月間貯金2に向けて、まずは今週2カード連続勝ち越しを狙いたい。
それでは、さようなら!