また野原家が悪役になってしまった作品。
というのが私の『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!オラと宇宙のプリンセスに関する印象です。
しんのすけとひまわりの兄弟喧嘩から始まって、最後は兄弟愛でしめる。
娘を想う親の気持ちを含めて家族愛の今作。
映画化20周年にふさわしいテーマです。
しかし、最初に言います。
私はこの作品からオリジナリティを感じなかった。
それは過去作の焼き増しのような設定や描写が目立ったからです。
20周年記念だからそうしたのか、はたまたネタ切れか。
何よりギャグに切れがない!!
はじめてみる人は普通。
古参には退屈もしくは懐かしい。
というのがこの作品の印象です。
早速今から私の感想をお話していきます。
『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!オラと宇宙のプリンセス』とは
概要
2012年4月14日公開の『クレヨンしんちゃん』劇場映画シリーズ第20作目(映画化20周年記念作品)。
監督は前作同様増井壮一が担当。上映時間111分で、これはシリーズ最長となる。
あらすじ
ある日のこと、しんのすけはプリンのことでひまわりと喧嘩をしてしまう。みさえに叱られたしんのすけは思わず、「お兄ちゃんなんてやめてやる! オラ、妹なんかいらない! ひまわりなんかいらないゾ!」と吐き捨て、家を飛び出してしまった。
するとしんのすけの目の前に突然、謎の2人組がやってくる。妹を預かると話す彼らは、ひまわりを渡すことに同意する契約書をしんのすけに渡し、しんのすけがそこにサインをすると、野原一家は上空にいたUFOに連れ去られてしまう。
しんのすけたちは、地球の兄弟星“ヒマワリ星”に到着し、そこで宇宙の平和のために、ひまわりがこの星の姫にならなければいけないと知らされ……。
「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!オラと宇宙のプリンセス」 予告編
感想
今作はひまわりが映画初登場した『暗黒タマタマ大追跡』以来のひまわりを巡る物語。
この時は兄になったばかりで嫉妬するしんのすけが描かれています。
しかし、今回は既に兄としての役割が当たり前になってからのしんのすけ。
きっかけはおやつの奪い合いでスタートとしますが、しんのすけの根底にはお兄ちゃんマインドが根付いています。
その点ではしんのすけの成長がよくわかる作品になっています。
同時にただ大人を振り回すだけだったしんのすけが損失していることも意味します。
最終的には兄として、責任を果たすためにしんのすけが奮闘する展開になって、「にーに」と呼んでもらって喜んだりするわけです。
しんのすけの兄としての成長はこの作品の一つの見所です。
ただ、それだけではちょっとパンチにかけるというのが私の感想。
今回銀河の命運とひまわりとの生活を野原一家は背負わせられるわけですが、これってどこかでみた展開。
そう、それは地球の運命かシロとの生活を天秤にかけられた『歌うケツだけ爆弾』と同じ展開。
この時に少し話したのですが、解決策を持たずに野原一家が自分たちのやりたいことをするってのがどうも好きになれないんですよね。
それは野原家の良いところなので、否定はしないのですが、みようによっては野原家が悪役に見えてしまうので。
それと今回は悪役であるはずのヒマワリ星の人々がイマイチ悪として描かれていない。
子供を無理やり連れ去って親にも会わせない非道さと銀河を守るための彼らの使命という悪と正義がぶつかりあった結果中途半端な存在になってしまった。
そのため、野原一家に勝って欲しいという期待感がイマイチ高まらない。
結果、野原一家がひまわりを取り戻してもなんかスッキリ感がないんですよね。
クレーマー処理にかける時間が無駄だから、お店が非を認めるのに似た残念感が強く残ってしまう。
やるなら徹底的な悪を描かないと野原一家が正義として成り立ちません。
「どっちが悪で、どっちが正義かわからない」みたいな展開を狙ったのかもしれませんが、それをやるならしっかりとした設定や脚本がないとかなり中途半端ですよね。
初期の頃に多くいた作品を盛り上げる悪役が出てこないので、対立軸が生まれてこないのです。
クーリングオフのくだりを使うように見せて、結局解決策としては使われない。
せっかく地球でかすかべ防衛隊からひまわり奪還の手がかりを掴んだのに、それを活かさないと「みんなの応援を力に変えた」っていう感動も生まれない。
こっちがクーリングオフしたくなる展開でした。
「娘はいつか出ていくもの、地球よりもよい環境で暮らすことがひまわりのため」といった面白いテーマがあっただけにそれが活かされなかったのが非常にもったいないなかったです。
そもそもひまわりが必要な理由もわかりにくい。
正直自分が子どものときに見てもイマイチ危機感が伝わってこなかったです。
ギャグも少なく、ストーリーもわかりづらいので、子ども向けの作品としてはイマイチかなと思います。
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まとめ
兄しんのすけの成長と娘の将来を想う両親。
という面白いテーマだったのですが、イマイチそれを活かしきれていないのが残念でした。
可もなく不可もなく。
というのが私のこの作品に対する感想です。
それでは、さようなら!