自分が子どもの頃に想像した通りの未来を生きられる人がどれだけいるか。
恐らく大多数の人が想像とは違った未来を生きているでしょう。
仕事、人間関係、容姿、などなど。
子どもの頃に憧れた未来と大人になって生きる現実。
時にそれは残酷なギャップが生まれることがあります。
でも、想像していた未来と違っても、楽しく生きることは出来る。
そんなことを教えてくれるのが今回ご紹介する『クレヨンしんちゃん 超時空!嵐を呼ぶオラの花嫁』
クレヨンしんちゃんの映画史上初めて「未来」が描かれた作品です。
厳密には同じ世界ではないのでしょうが、未来に希望を抱いた『オトナ帝国』と実際の未来を描いた『オラの花嫁』。
初登場の未来のしんのすけとかすかべ防衛隊を中心とした作品です。
”未来は想像したものと違うこともある”がテーマ。
ある意味『オトナ帝国』の反対のテーマになるこの作品。
では、その時人はどうするべきかってのがこの作品の伝えたいことです。
それでは早速作品の紹介をしていきます。
『クレヨンしんちゃん 超時空!嵐を呼ぶオラの花嫁』とは
概要
2010年4月17日に公開された『クレヨンしんちゃん』劇場映画シリーズ第18作目。
上映時間1時間39分。
あらすじ
ある日、野原しんのすけの前に、タイムマシンで時を越えた女性・タミコが現れる。
タミコは未来からやって来たしんのすけの花嫁だと名乗り、未来のしんのすけが未来都市・ネオトキオの支配者・金有増蔵に捕えられてしまい、彼を救うためには5歳のしんのすけの力が必要なのだと語る。
しんのすけは半信半疑ながらも、かすかべ防衛隊の面々と共にタミコに連れられて未来の春日部にタイムトリップする。
未来へやってきたかすかべ防衛隊の面々が目にしたのは、華やかな大都市ネオトキオと、ネオトキオとは対照的に荒廃した春日部の町だった。
未来の世界では地球に隕石が衝突し、その影響で日傘効果が起き、一日中夜のような状態になってしまっていたのだ。
しんのすけを捕まえているネオトキオの支配者・金有増蔵は電力を供給する会社の社長で、街の電力をすべて取り仕切っているのだという。
未来の年老いたひろしとみさえ、大人になったひまわりや、さまざまな職業に就いた未来のかすかべ防衛隊と出会いながら、未来のしんのすけを助けるため金有の下へ向かうかすかべ防衛隊とタミコ。
しかし、5歳のしんのすけが現れたことを知った金有増蔵が放った刺客「花嫁(希望)軍団」がしんのすけとタミコを狙って一行の前に立ちはだかる。
花嫁(希望)軍団から逃走しつつ未来のしんのすけの下へ向かおうとするしんのすけ達だったが、その最中にタミコが金有電機のロボットに捕まってしまった。
しんのすけは自分の未来の花嫁を救うため、未来の家族やかすかべ防衛隊の力を借りて金有の下へ乗り込んでいく。
なぜ大人しんのすけの顔が描かれない
この作品には大人しんのすけが登場します。
しかし、肝心の素顔は見られません。
その理由は原作者である臼井義人氏の強い意向があったそうです。
「『映画クレヨンしんちゃん 超時空!嵐を呼ぶオラの花嫁』の時に大人のしんのすけが出てきましたが、『大人になったしんのすけをそのまんま出したくない』と臼井さんがおっしゃっていたので、彼はアクション仮面のマスクをかぶって登場するんですよね」。
未来に夢を膨らませるかすかべ防衛隊
未来の花嫁さんのタミコとしんのすけを中心にしながらもかすかべ防衛隊の4人も主役級の活躍をします。
作品冒頭で4人はリアルおままごとをしながら、それぞれの未来を熱く語ります。
【かすかべ防衛隊の夢】
風間くん→社長
ネネちゃん→美人女優
マサオくん→売れっ子漫画家
ボーちゃん→発明家
対照的にしんのすけは夢がありません。
強いていうなら子どものままがいいと。
そんなしんのすけを笑うメンバー。
理想とは異なる未来
【かすかべ防衛隊の未来】
風間くん→敏腕社長の右腕(言いたいことは言えない)
ネネちゃん→双葉幼稚園の保育士(合コン負け組)
マサオくん→連載3週間で漫画を打ち切られて、今は寂れたコンビニの店員(ずっと漫画の文句を言ってる)
ボーちゃん→発明家
自分の友人であるボーちゃんや風間くんが出世しているという残酷さがあります。
全員が悲惨な人生を送っているならまだしも、周りは出世している。
この事実はかなりショックが大きいことです。
みんなが出世していないなら、「人生ってそううまくはいかないもの」で終わるのですが、うまくいっているものがいると始末が悪い。
しかし、私はこれの方がリアルだと思います。
皆さんも同窓会などに参加してこのような体験をしたことがあるのではないでしょうか。
学生時代と比べて良い方に人生が向かっている人と悪い方に向かっている人。
特に人と自分を比較しがちな人は、自分との違いにかなりがっかりすることでしょう。
未来ネネちゃんの言葉を借りるなら、
「いいこと? 大人の生活ってえのは、リアルおままごとより悲惨よ。それだけは覚えといて!」
子どもの頃も大人になった今でも”リアル”な未来を想像してみることはあるでしょう。
しかし、現実の世界はその想像以上に悲惨だったりします。
20代は無理でも、32歳くらいには結婚しているだろうとか、年収は500万は無理でも、450万くらいならとか。
しかし、現実はそれ以下だったりすることが多々あります。
そういう現実の悲惨さを表しているのが、この作品なのです。
未来を見過ぎず、今を生きよう
では、この作品は未来は残酷な結果になることの方が多いと説いているのかというとそうでもない。
その鍵はしんのすけが握っています。
彼は特に未来に夢を持っていません。
しかし、彼は今を楽しく生きるというポリシーを持っています。
実はこれこそがこの作品で最も言いたいことなのです。
確かに未来を見据えて、あれやこれやを考えることは大切です。
しかし、そればかりになって今を楽しむ、今努力することを怠ってはいけません。
自分がなりたい自分になるためには、今を疎かにしてはいけない。
それこそが、この作品で最も伝えたかったことなのです。
クレヨンしんちゃん映画を観るなら!
映画クレヨンしんちゃん 超時空!嵐を呼ぶオラの花嫁を観るならamzonプライムが断然お得です。
月間プランの場合、400円(税込)、年間プランの場合、3,900円(税込)。
映画24作品が見放題です。
いつでも30日間の無料体験を実施しています。
とりあえず30日試して、途中で辞めることも可能です!
もちろん、無料期間内なら料金は発生しません。
まとめ
理想の未来と残酷な現実。
それらと向き合うには今をとにかく精一杯生きよう。
この作品はしぎのあきら監督になって2作品目なのですが、前作に引き続きテーマとメッセージ性がハッキリしている良作でした。
まだ2作目なのですが、私はしのぎあきら監督の作品がとても好きになりました。
しのぎあきら監督の作品はバランス感覚、いわゆる折り合いをつけて考えることの大切さを教えてくれます。
これは子どもの向け作品であるクレヨンしんちゃんにおいてはもしかしたら難しいメッセージかもしれません。
しかし、とても大切な考え方です。
子どもがいるご家庭で、是非観て欲しいと思える作品でした。
それでは、さようなら!