死ぬまで生きる問題

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【書評】『ババァ、ノックしろよ!』全ての親子が一度は体験するお母さんのお節介あるある集

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「お母さん、なんでこんなことするんだよ。。」

 

という経験はほぼ全ての親子が経験したことがあるでしょう。

そんな心情をストレートに表現した言葉がそう、

 

ババァ、ノックしろよ!

 

 という一言に集約されるわけです。

私はここまで下品なことを言ったことはありませんが(笑)

言いたくなったことはあります。

 

全ての親子が一度は体験するお母さんのお節介あるある集が今回ご紹介する『ババァ、ノックしろよ!』という本です。

 

 

子供が何か秘め事をしようとしている時に現れる闖入者。

それがババァことお母さん。

こんなお母さんの行為をこの本ではこう表しています。

 

事前通告なしの立ち入り検査

 

そして、それらのお節介のほとんどが悲しいかな望まぬものばかり。

このまたまたこの本の言葉を借りると、

 

的外れかつ破壊的な介入を招く 

 

「頼むからもうそんなお節介はやめてくれよ!」という子供と

 

「なんでそんなにイライラしてるの? こっちが親切でやってあげてるのに!」という親。

 

そうこの本はそんな親子の格闘と葛藤を集めた60エピソードからなる珠玉のお母さんのお節介あるある集なのだ(一つだけお父さん編もあります。)

 

では、早速本を紹介していく。

目次

 『ババァ、ノックしろよ!』とは

内容紹介

TBSラジオ「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」の投稿コーナー「ババァ、ノックしろよ!」のエピソードを書籍化。

 

番組で紹介された60のエピソードが収録されている。

エピソード毎にライムスター宇多丸さんのコメントが書き下ろし。 

TBSラジオ「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」とは

 TBSラジオで放送されているラジオ番組で、宇多丸の冠番組である。2007年4月7日放送開始。通称タマフル。

引用:ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル - Wikipedia

音楽情報番組でありながら、映画評論、ゲーム、グルメなど様々なサブカル要素も取り扱うTBSラジオの人気番組。

 

ちなみにライムスター宇多丸さんはこんな方。

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※サンプラザ中野さんでも落語家の歌丸さんでもありません。

母性という名の無神経、通称、「母シズム」とは

この本を読む上で重要なカギを握るのが「母シズム」

生きとし生けるもの、みんなお母さんから生まれてきた。
しかし、 奴らはその事実を笠に着て
我々のプライバシーにずかずかと踏み込んでくる。

たのむ、たのむから…… 「ババァ、ノックしろよ! 」

母性という名の無神経、通称、「母シズム」を、いま、告発しよう。

 

というわけで誰もが経験したことがあるお母さんの無神経な行動。

代表的な母シズムと言えば、部屋のなかで秘め事を行っている最中にいきなり部屋に入ってきたり、小学校高学年にもなって「まーくん」のような呼び方をしたり、誕生日会で勝手に手紙を読み出したりなどです。

 

なんでそんなことするんだよ!

 

と言いたくなります。

しかも思春期の子供にはそれを止める力はありません。

 

「思春期的自意識をまったく理解しようとしないまま、身もフタもない実利主義を押し通そうとする」というのは、母という名の傲慢な強権政治、通称「母シズム」の最たる例

 

この本ではそんなお母さんあるあるのちょっと過激(ブログでは言えないような)で

イライラしてくるけど、なぜか笑えるお母さんのお節介集が収録されてあります。

 

不思議なことに自分が体験したことがないけど、親近感が沸いてくるものばかりです。

誰もがどこかで味わうもの、それが「母シズム」の正体なのです。

意外にも女性リスナーからの投稿多数

意外だったのはこのコーナーは女性からの投稿も多いそうです。

実際この本に収録されている60のエピソードの内、女性からの投稿が18エピソードあります。

約1/3が女性からの体験談なのです。

 

私は男性なので、女性の気持ちはわかりませんが、女性は女性で同性同士だからこそプライバシーの侵害があるそうです。

 

この本に収録されているエピソードだと、思春期にブラを買いたいと娘が悩みに悩んで母に打ち明けると「あんたにそんなの必要あるの」的な扱いを受けて、事務処理のように下着を買ってくれた話や、洋服を買いに行った際に「あんたは顔がアレだから」を連呼されて適当な服を買われた話など。

 

同性だからこそ無神経になってしまう、母シズムがあるそうです。

 

「ババァ、ノック」案件に性別の壁などない! むしろ同性の気安さゆえに、より無神経さが発露しやすい面もある

 

そしてこの女性からの投稿の中には加害者側であるお母さんからの投稿もあるそうです。

ただ、構成作家の古川耕さん曰くそれは、

 

申し開きとも開き直りともとれる

 

そうです(笑)

 

収録されたエピソードの中には私はあの時どうすれば良かったのでしょうかのようなお母さんからの悩み相談ともとれるものがあります。

 

なので、これから思春期を迎えるお子さんをお持ちの方や、自身の過ちを見直したいお母さんにも必見です。

「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」ワールド全開! 独特かつ秀逸な名フレーズ集

この本にはエピソード毎にライムスター宇多丸さんのコメントが書き下ろしが収録されています。 

そのコメントがとにかく秀逸でまさにタマフルワールド全開なのです。

 

ここでいくつか収録されたエピソードと共にそのフレーズをご紹介します。 

男の子のスクールカーストを脅かすもの 

「未だに親の庇護を必要としている」こと自体が恥

 

これは男性なら一度は体験したことがある体験です。

子供の頃の男の子にとってお母さんに甘えているということは決して外部に漏らしてはならないことなのです。

 

学校では「俺様口調で母さんと呼んでる」キャラが家では「僕口調でママと呼んでいる」 なんてことは間違ってもバレてはいけないのです。

仮に男の子自体は既に家でもそのキャラから脱却していたとしても母親がみんなの前で「ケンちゃん」と呼んだり、「ハンカチは持ったの?」なんて聞かれた日に面目丸つぶれなわけです。

 

しかし、母親にとってはいつまでたっても子は子。

このジレンマが生み出す恐怖的な介入こそ母シズムの真骨頂なのです。

誤解しないでください

「思春期のモヤモヤをこじらせつつある要注意人物」という職員会議のブラックリスト入り

 

これはテストの答案に落書きをしていたら絵の才能がなさすぎて「女性の乳房」を書きまくっていると勘違いされたエピソードで出てきたフレーズです。

 

見つけた教師は子を持つ女性教師。

ここにも不必要な母シズムの介入があるのです。

敵は内にあり

「兄弟という名の最も近しい敵」問題

 

これは弟や妹をもつ人なら誰しも経験したことがあるであろう「要領が良い」下の子を持つ兄弟の心情を的確に捉えた秀逸ワードなのです。

 

その家庭独自の固有名詞問題

「いかにも赤ちゃんっぽい家庭内スラングを未だに一般名詞だと思い込んでいる=乳離れできていないヤツ」

 

これは耳垢のことを家庭内では「ライオン虫」と読んでいていたことを他人にバレて恥をかいたというエピソードに収録されていました。

他にもこの本にはビオフェルミンを「お豆のお薬」というネタがありました(笑)

 

実は私の家にもこの種の家庭内スラングがあり、それはうがいすることを「グチュグチュペッ」というものです。

私は小学5年くらいまで「うがい」という単語を知らず、学校でこの「グチュグチュペッ」を使って大恥をかいたことがあります。

 

学校ではクールぶっていた私がいかにも赤ちゃんっぽい「グチュグチュペッ」使った時の恥ずかしさといったらなかったです(笑)

究極の母シズムをご紹介

私のオススメの「ババァ、ノック」案件は妹尾匡夫さん(番組アドバイザー)のエピソードです。

生まれ育った神戸から東京に引っ越した際に誰も見送りに来てくれず寂しさを感じた、当時の妹尾少年。

 

しかし引越し先の東京の家には友達からの大量のお手紙。

一瞬喜ぶ妹尾少年だが、それを見た母が放った「来たのね」という言葉。

 

この言葉から紐解かれる究極の母シズム。

明かされる手紙の正体、絶望して中一の夏休みを棒に振る妹尾少年の悲劇は必見です。 

「ババァ、ノックしろよ!」と言える幸せ お母さんありがとう!

 とここまでは言葉も含めてちょっとお母さんを悪くいうようなエピソードが続いていますが、この本の根底にはお母さんへの感謝が詰まっています。

 

 この本を扱ったブログの書評にもそれが言及されています。

 

さらに、表は魔の手なのに、裏を返すと数か国の言葉で、お母さんありがとうの文字が!

【感想】『ババァ、ノックしろよ!』息子がいる母親は閲覧禁止の爆笑本! - 本から見たセカイ

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※セカユウさんから画像の使用許可を頂いています。 

 

この本の最後に字多丸さんとお母さんのエピソードになるほどと思えることが書いてありました。

本当に何不自由なく育ててもらっていて初めて、「ババァ、ノックしろよ!」なんて、あらゆる意味で甘ったれきった、「この世で一番かっこ悪いセリフ」が言える

 

ノックが必要な子供部屋がなかった字多丸さんのお母さんからすれば「ババァ、ノックしろよ!」などと言えるだけ恵まれているということです。

 

まして、子供を想って何かしてくれるわけですから。

 

本の最後の最後にある左はじの表紙部分に母シズムはいつでも消えない親子関係が生み出すものだと書かれていました。

三十路になろうが四十路になろうが、それこそ還暦迎えようが何しようが、とにかく子供は子供、アタシが面倒見てあげなきゃな~んにもできないんだから!という不動の母シズムの前に、こちらもうっかり「子供帰り」してしまって、つい大人げない口答えなどしてしまう・・・・

『ババァ、ノックしろよ!』イズムに、年齢は関係ないのでしょうね。

                -字多丸(ライムスター)

 

まとめ

 自分がラジオで聴いた時以上に楽しめました。

それはラジオにはない書下ろしの面白さはもちろん、時間をかけてゆっくり見直すと母親の愛情を感じられるエピソードばかりだからでしょう。

 

成人した人ならいくつになっても楽しめる素晴らしい本でした。

 

それでは、さようなら!