クレヨンしんちゃんだからこそ出来ることってなに? それは圧倒的おバカ。
常人では出来ない、思いつかない発想を次々繰り出すしんのすけを始めとしたキャラクターたちとそれに振り回されてるような常識人もまた変なやつ。
ようはみんな変なやつ。
変なやつしかいなさ過ぎて逆にその世界が普通に見えてきて、おバカことを普通に受け入れてしまう視聴者。
これこそがまさにクレヨンしんちゃんマジック。
例えば、『嵐を呼ぶジャングル』で見せた集団けつだけ歩きなんてのはその代表的なもの。
普通に考えたらあれで歩く、ましてや高速スピードでなんて無理です(笑)
でもそもそも猿に命令されてアニメを作らされるなんて普通じゃない状況なんだし、もういいじゃんって感じで全員がけつだけ歩きで復讐するというおバカ展開。
これが許される、絵としておかしくないってのはクレヨンしんちゃんアニメにしかできないこと。
『戦国大合戦』でも少し触れましたが、実写では表せないクレヨンしんちゃんアニメでしか表現できないことにクレヨンしんちゃんの良さがあるわけです。
逆に実写化してしまえたあの作品にどれだけクレヨンしんちゃんの良さがあったのか。
と話がそれてしまいましたが、今回お話するのは『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 栄光のヤキニクロード』。
最初に言います。感動要素なんて一切ありません。
恐らく『オトナ帝国』、『戦国大合戦』好き、またはそれと似たタイプの作品を期待した人はかなり期待を裏切られるでしょう。
もちろん気に入る人もいるでしょうし、そうでない人もいるでしょう。
ストーリー性とか、泣けるシーンはありません。
もしかしたら熱海市に思い入れがある人が熱海が忠実に再現されていることに感動して.... それはないか(笑)
それではこの映画についての私の感想を述べていきます。
- 『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 栄光のヤキニクロード』とは
- 全ては焼肉のために! 劇場版最高のギャグ逃走劇
- これぞ野原一家の本当の姿 リアルしんちゃんって金髪なの?
- 終始残念な敵役 魅力的な敵がいればもっと楽しめたのに
- まとめ
- クレヨンしんちゃん映画を観るなら!
『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 栄光のヤキニクロード』とは
概要
2003年4月19日に公開された『クレヨンしんちゃん』の劇場映画シリーズ第11作目。
本作品から監督が原恵一から水島努にバトンタッチ。
上映時間は88分(シリーズとしては最短)。興行収入は約14億円。
キャッチコピーは『走れしんのすけ!のはら一家が指名手配?』。
あらすじ
ある朝の野原家、いつもに輪をかけて貧相な朝食に、とてもご機嫌斜めなしんのすけ・ひろし・ひまわり・シロ。だがそれは、みさえが数か月前から家計をやりくりし、浮いた食費で購入した夕食の最高級焼肉の為であった。
少し予算オーバーしたためにそのような朝食になったことに納得する一同。
しかしそこへ車で野原家の塀を突き破り、突然謎の男が助けを求めて転がり込んでくる。
それを追撃してきた謎の一団に危険を感じた野原一家は、冷蔵庫に入っている最高級焼肉を残して、その場から逃げ出した。
何とか謎の一団の追跡を振り切った野原一家だったが、どういうわけか突然警察やマスコミから凶悪犯一味と断定され、追われる事になってしまう。
北本や鳩ヶ谷夫妻は報奨金目当てに野原一家に襲い掛かり、かすかべ防衛隊や幼稚園の先生達、ななこやひろしの会社の同僚など親しい人達は一家を拒絶、やむなく野原一家は春日部から逃亡することになる。
これら一連の事件は熱海に本部を置く「有限会社スウィートボーイズ」の陰謀が関わっていることを知った野原一家はスウィートボーイズの陰謀を阻止するため、一路熱海を目指す。
だがその途中でスウィートボーイズの追っ手が一家に追いつき、野原一家は追っ手から逃げるうちに離れ離れになってしまった。それでも野原一家は別々のルートをたどって熱海を目指す。
夕食の焼肉を希望にスウィートボーイズ幹部三部隊の執拗な追撃を振り切り、一家はついに熱海へとたどり着いて合流を果たし、スウィートボーイズのアジトへ乗り込む。
引用:クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 栄光のヤキニクロード - Wikipedia
「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 栄光のヤキニクロード」 予告編
全ては焼肉のために! 劇場版最高のギャグ逃走劇
この映画で野原一家の原動力となっていること、それは『晩御飯に最高級の焼肉を食べる』ということ。ただそれだけ。
そのためなら全国指名手配されようが、実父が警察に事情聴取で連行されようが、会社を懲戒免職されようが、最愛の人に嫌われようが、親友に裏切られるようが、埼玉から静岡まで走ろうが、もうなにも関係ないんです!
よくこの話にストーリー性がないという人がいますが、この作品にそれを言うのはナンセンスです。
ストーリー性とかないけどとにかく自分たちの信じたことに対して突き進んでいく。
そのためならどんなおバカなことでも出来る、まかり通るっていうのがクレヨンしんちゃんなわけです。
それとどうせ敵の本部に行くのなら最初から逃げずにつかまっておけばよいという人もいますが、私は反対です。
いきなり押しかけてきて、そのうえ自分たちを一瞬のうちに指名手配犯に出来るほどの力を持ったやつらに素直に捕まりますか?
仮に捕まるという行為が正しかったとしてこんな非常事態に冷静な判断など出来ないでしょう。
そんなことはさておき今作は今までの劇場版の中でも屈指のギャグ特化型の作品です。
しかもクレヨンしんちゃん独特の。
なので、クレヨンしんちゃんの笑いは苦手という方にはおススメできませんが、逆にクレヨンしんちゃんの笑いが好きという方にはこれ以上ないくらい笑える作品でしょう。
それまでのクレヨンしんちゃん、例えば『暗黒タマタマ大追跡』も同じ逃走劇でした。
ただ『暗黒タマタマ大追跡』の逃走シーンは前半のパートのみ。
今作に関しては3/4近くが逃走シーンとなっています。
終盤は野原一家が追われる側から追う側になって敵を追いつめるという終始逃走劇が見られます。
クレヨンしんちゃんギャグと逃走劇、これらが好きな人にとっては最高の作品です。
これぞ野原一家の本当の姿 リアルしんちゃんって金髪なの?
この作品の中盤、一家は離れ離れになります。
その際それぞれが敵のアジトがある熱海までいくことを諦めかけそうになります。
その時彼らを救ってくれたのが『晩御飯に最高級の焼肉を食べる』ということでした。
「自分が食べる焼肉はどれだけ美味しいだろうか?」、「焼肉を食べるとしたらどんな食べ方をするか?」、「一杯目のビールは最高だろうな」
などなどを妄想するシーンがあります。
その時なぜかかなりリアル(通り越して美化され過ぎ?)な野原一家が描写されるのです。
シロにいたってはわたあめ感なし!!
こんなとこに無駄に凝って尺を使うなんて他のアニメではないでしょう。
しかも安くない製作費を使ってるのに。
『ヘンダーランド』や『ブタのヒヅメ』でもこうした劇画タッチのシーンが出てきましたが、それらはストーリー上重要なシーンでしたし、尺も短めでした。
しかし今回は比較的どうでもよいシーン(焼肉を食べることを目的にしているという意味では強い動機づけのために必要なシーンではありますが)。
そこに異常に高いクオリティを持ってくるあたりこの作品はTHE・クレヨンしんちゃんと言える作品なのではないでしょうか。
終始残念な敵役 魅力的な敵がいればもっと楽しめたのに
この作品に私がけちをつけるとしたら敵役が残念なことです。
敵がマヌケ過ぎるんですよね。正直何をしたいのかわからないし、1人1人のキャラが中途半端。
それまでのクレヨンしんちゃん映画では野原一家顔負けの強烈な敵役がいました。
しかも敵の幹部役にまで。
ハイグレ魔王、Tバック男爵、ニーナ&サリー、ヒエール・ジョコマン、チョキリーヌベスタ、ス・ノーマン・パーなどなど。
劇場版にしか登場しない強烈な悪役と野原一家の戦いが物語をより面白くしてきました。
ただこの作品、正確にいうとこの作品以降のクレヨンしんちゃんの劇場版にはあまり印象的な敵役が出てきません。
その点がこの作品をもやっとさせている要因だと思います。
ここで敵の存在がもっと強烈であれば、最強の敵を倒した達成感と共に食べる最高の焼肉という爽快感を視聴者に与えることが出来たのに残念です。
やっぱり劇場版クレヨンしんちゃんは敵役あってこそでしょ!
まとめ
シリアスな展開なしの終始ギャグ路線、かすかべ防衛隊の裏切りなど所々攻めた作品。
「オトナ帝国」、「戦国大合戦」の流れで続けて観ると期待値が高まっている分、残念感があるかもしれません。
しかしこの作品だけを単体で見るならクレヨンしんちゃんのギャグ要素がふんだんにつまった作品です。
クレヨンしんちゃんのおバカワールドを見たくなった時には是非こちらをご覧になってください。
それでは、さようなら!
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