webで通用するライティング技術とは何か?
特にwebマーケティング初心者にとっては何から初めて良いかわからないでしょう。
かくいう私も通常のライティング技術とweb向けのライティング技術の違いがよくわかっていません。
ということで手にとったのが先日紹介した『沈黙のWebマーケティング』の続編にあたる 『沈黙のWebライティング』。
前作の『沈黙のWebマーケティング』では、主にWebマーケティングの「基本と本質」
について語っています。
『沈黙のWebライティング』では、そこから更に踏み込んだweb向けのライティング技術について書かれています。
特に『沈黙のWebライティング』では、SEO対策について重点的に書かれています。
「SEOとは何か?」、「SEO対策はなにをすればよいのか?」とお困りの方には必見の本です。
それでは早速話を進めていきます。
目次
『沈黙のWebライティング』とは
商品紹介
SEOのためのライティング教本の決定版! 「成果が上がる」文章の書き方がわかる!
Webで「成果を上げる」ための文章の書き方を実用入門書。
謎のWebマーケッター「ボーン・片桐」が活躍するストーリーを通じて、
SEOに強いライティングのノウハウを学ぶことができます。
本書はWeb上で連載され、大人気を博したコンテンツを書籍化したものです。
連載をまとめた本編全7話に、書籍だけの書き下ろしとなる本編エピローグ、
Webで成果を上げる文章を書くための手法や思考法を伝える特別解説(約100ページ)を加えました。
特別解説は、ストーリーを通じて語られるさまざまなノウハウや考え方を、
より深く具体的に掘り下げた実践的な内容になっています。
Webサイトやブログの記事だけではなく、
ビジネス文書などにも活用できるライティング教本の決定版です!
あらすじ
須原にある温泉旅館「みやび屋」。
若女将である宮本サツキが切り盛りしているが、
Web集客が振るわず、経営の危機を迎えていた。
やがて、みやび屋にひとりの男が来訪する。
男の名は「ボーン・片桐」。
重さ39.9kgのノートPCを操る謎の男の目的とは一体……! ?
いま、みやび屋のWebライティングを巡る激闘が始まる!
ストーリー 目次
EPISODE 01 SEOライティングの鼓動
EPISODE 02 解き放たれたUSP
EPISODE 03 リライトと推敲の狭間に
EPISODE 04 愛と論理のオウンドメディア
EPISODE 05 秩序なき引用、失われたオマージュ
EPISODE 06 嵐を呼ぶインタビュー
EPISODE 07 今、すべてを沈黙させる・・・! !
エピローグ 沈黙のその先に ※書籍書き下ろし
著者
松尾/茂起
京都のWebプランニングチーム「ウェブライダー」の代表として、様々なWebコンテンツのプロデュースやWebマーケティング支援を行なう。
また、松尾シゲオキ名義では作曲家、ピアニストとしても活動。本質を捉えるプランニングを軸とし、様々なフィールドで活動中
引用:Amazon.co.jp: 松尾 茂起:作品一覧、著者略歴
本の感想と対象読者
前作『沈黙のWebマーケティング』と同様に、章ごとに吹き出し形式の会話で物語が進行していきます。
そしてその章で出てきたテーマについて、活字で10ページ前後の説明があります。
個人的に『沈黙のWebマーケティング』の方がストーリーは面白かったです。
- 主人公が闘う動機
- 敵が主人公と闘う動機
- マツオカの人たちの成長
- クライマックスの盛り上がり
正直、今作『沈黙のWebライティング』のストーリーはWebライティング編のために無理矢理作られた感じがしました。
ただ元々はストーリーの面白さで売るための本ではなく、あくまでWebライティングについての本。
前回よりストーリーが面白くなかっただけで、みやび屋の人たちが成長していく過程は読者を勇気づけるものであり、必要不可欠な存在ではありました。
一点気になったのは、前作と被る点があったこと。
それはwebマーケティング面です。
webマーケティングで通用するためのwebライティングの参考書なので、仕方ない部分もあるのですが...
それと、webマーケティングに向けた本であるため、主にSEO対策をターゲットにしたライティング技術向上について語られています。
もちろん、SEO対策以外の面でも役立つライティング技術についての話もありますが、よりSEO対策に特化した本であるという認識が必要です。
ですので、この本の対象者はwebマーケティング初心者でSEO対策のライティング技術を学びたい人向けです。
【まとめ】
Webマーケティングで成功するライティング技術とは
では、ここからは『沈黙のWebライティング』で書かれている、Webマーケティングで成功するライティング技術について紹介します。
SEOを成功させるためには
検索エンジンを使うユーザーの「意図」を満足させるコンテンツが必要だ
当たり前のようでいて徹しきれていない部分。
噛み砕いて説明すると、検索エンジンを使うユーザーの多くは面白いコンテンツや感動する文章を求めているわけではなく、「情報」を求めています。
ブログを書いていると、「こんなことを書いたら面白いだろう」や「こんな書き方をしたら読者には感動的だろう」などという思いが出てくることもあります。
それらの考え方は決して悪いことではありません。
しかし、大多数のユーザーはあくまで情報を求めているわけであって、面白さや感動的であることを求めてはいません。
もちろん面白さを求めている方もいます。
ようするに、大切なのは自分の記事は何を知りたくて検索するユーザー向けの記事かを意識する必要があるということです。
では、情報を求めるユーザーに向けて具体的にどんなことを意識すれば良いのか。
本書では三つに分けて書かれています。
【検索ユーザーのために意識すべきこと】
- 専門性
- 網羅性
- 信頼性
要は、「情報を取得したいユーザーが求める情報を専門的かつ網羅する必要がある」ということです。
そして同時に、その情報は信頼性を伴う必要があります。
もっともらしいことを言っても、「なんだかこの情報は信用できない」と思われるようではユーザーは満足しません。
ではこれらの三点を満たした情報とはどんな情報か。
『沈黙のWebライティング』では結論としてこう書いてあります。
それは、検索エンジンで情報を探す人の"手間を省いてあげられるコンテンツ"
「何だかこの情報はわかりづらい」、「自分が知りたいことが全て書かれていない」、「ちょっと怪しいから他のサイトも見て比較してみる」、のようなことをさせてはユーザーの手間を増やすだけです。
【まとめ】
- ユーザーの検索の手間が少ない記事が結果的には最も検索を集められる
読み手に負担のかからない文章とは
次に大切なのは読み手に負担のかからない文章。
『沈黙のWebライティング』ではダニエル・カーネマン氏の「ファースト&フロー」という本を参考にして説明されています。
かなり簡単に話すと、「人間は物事を理解する時に二段階にわけて情報を処理する」と書かれています。
- 一段階目は直感的な処理
- 二段階目で情報を時間をかけて処理
一段階目は直感的な処理。
見た目でこの情報はわかりやすいのかを判断します。
例えば使われている語彙や文字数、色使い、改行など。
そのためここで書き手は読み手の心理的負担を減らす必要があります。
一段落で処理された情報が、第二段階で処理されるのです。
逆に言うと、直感で読み手に拒絶されては続きを読まれることはありません。
次の二段階目で情報を時間をかけて処理されます。
難しい計算式や語彙、長い論理的な文など。
そのためここで書き手は読み手にとって論理的にわかりやすい文章を書く必要があります。
これら二段階の情報処理が人間の中で起きることを想定した、文字色や改行、論理的な文章を作成する必要があります。
『沈黙のWebライティング』では、細かい具体的な方法も説明されていますので、興味がある方は是非にご覧になってください。
かなり詳細で実践的なライティング技術について書いてあります。
読者に信頼してもらえる情報とは
「SEOを成功させるためには」の項で少しお話しましたが、読者にとっては情報の信頼性も重要な要素の一つ。
そこで大事になってくることがあります。
それを『沈黙のWebライティング』では下記のように書かれています。
”誰”が作ったか?という「信頼性」が大事
要は、記事内で述べられていることにどれだけ信頼性があるか、客観性を持たせる必要があります。
例えば、『沈黙のWebライティング』の筆者・松尾 茂起さんが運営している「ナースの仕事術」というコンテンツでは、扱う情報の信頼性をピラミッド上にわけて、なるべく上位の信頼性のおける情報元に絞って参考・引用にしているそうです。
【信頼性の高い順】
厚生労働省>公的な医療機関>民間の医療機関・医師>製薬会社などの民間の医療系会社>テレビ番組(NHK、民放)>そのほか
※左にいくにつれて情報の信頼性高
みなさんもブログなどで記事を読んでいて、「情報元はどこなのだろう?」と気になったことはあるでしょう。
もしそれが、書き手の友達が「噂していた」、「Twitterで見た」レベルの情報だったらあなたは信じますか?
そもそもそんな情報を掲載している書き手自体を信用できますか?
『沈黙のWebライティング』では読み手に情報を信頼してもらうことの重要性を説いています。
この本を読んで感じた過去記事リライトの必要性
ここでは私が『沈黙のWebライティング』を読んで感じた危機感についてお話します。
私は『沈黙のWebライティング』を読んで、今までの自分の記事をリライトする必要性がかなりあることに気づかされました。
私はこれまで書評を書く際に「私が心に残る部分」ということを書いてきました。
しかし、それはその本の書評を読みたい人にとって必ずしも有益な情報ではありません。
全ての読者が皆同じ目的ではありません。
実用書や参考書を求めている人が欲しい情報は、その本にどんなことが書かれているのか、果たしてそれは有益なものなのかということです。
私の心に残ったかどうかははっきり言ってあまり重要なことではありません。
もちろん、私がどんなことを感じたのかを知りたい方もいるでしょう。
ただ、ここで問題なのは私が読者を意識して書き分けて考えていなかったことです。
情報を求める人に向けてどんな情報を提供したいのか、私の感想を知りたい人向けの記事なのか。
ましてや普段「PVがPVが」と言ってる人間なのにお恥ずかしい...
『沈黙のWebライティング』の3章でも書かれている通り、推敲・リライトは非常に重要なことです。
目標の300記事に向けて記事を増やすことも大事ですが、過去の記事をリライトしてこのサイトの質を高めていく必要があると痛感させられました。
※下記はリライトの必要性について、リライトした記事です。
初心者の方がいつリライトすべきかについて記載しております。
興味がある方はご覧になってください。
まとめ
この本と前作に共通して書かれていた重要なこと。
それは自分のコンテンツ、記事が誰に向けて書いているのかを意識することです。
私は自分が雑記ブログだからとそのことをあまり意識していませんでした。
しかし、例え雑記だろうと対象の読者を意識する必要はあります。
人から読まれる求められる文章とは何か、人が読んでいて負担なく有用な情報とは何か。
ただ自分の感想を述べる日記になるのではなく、誰かにとって役に立つ情報を届けられる雑記になるよう、これからは自分のライティング力を高めていきます。
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Webライティングがどんなものかを知るためにも役立ちます。
それでは、さようなら!