日本のWBC史上初となる全勝での一・二次ラウンド突破を決めた侍ジャパン。
今大会のダークホースとなっていたイスラエル戦は序盤0行進と緊張感のある戦いが続いたが、終わってみれば8対3と快勝。
地力の差、とりわけ投手力の選手層の差を見せつける試合展開にはもはや頼もしさすら感じられた。
今日はそのイスラエル戦について話していく。
目次
結果
チーム | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
イスラエル | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 3 |
侍ジャパン | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0 | 3 | × | 8 |
【日】千賀、○平野、宮西、秋吉、牧田
【イ】ザイド、●アクセルロッド、ソーントン、カッツ、ゴールドバーグ、ヘロン、レーキンド
【本】筒香ソロ(6回)
引用:侍3連勝1位で準決勝進出!筒香V弾/WBC詳細 - WBC : 日刊スポーツ
スタメン
【日本】
1(指)山田=ヤクルト
2(二)菊池=広島
3(右)青木=アストロズ
4(左)筒香=DeNA
5(一)内川=ソフトバンク
6(遊)坂本=巨人
7(右)鈴木=広島
8(三)松田=ソフトバンク
9(捕)小林=巨人
先発P=千賀=ソフトバンク
日本は前日のキューバ戦のスタメンから中田、秋山が外れ、代わって内川、鈴木選手がスタメンに名を連ねた。
中田、秋山に関してそれぞれ疲労と怪我の状態を考慮してのスタメン落ち。
二次ラウンド三戦全て 8得点と好調な打線
強豪ぞろいの二次ラウンドにおいても侍ジャパンの打線の勢いは止まらなかった。
全試合で8得点を奪い、計24点。
ここまで全6試合で46得点、1試合平均は7.6得点と圧倒的な攻撃力を見せている。
日本代表史上最強の4番打者誕生 筒香選手の進化は止まらない
その打線においてここまで圧倒的な存在感を示しているのが4番筒香選手。
【筒香選手のWBC6試合の成績】
打率.364 3本 8打点 出塁率.462 長打率.773 OPS1.234
文句無しの成績とここぞの場面でその勝負強さを発揮している。
昨日のイスラエル戦でもゼロ行進が続く試合展開の中、均衡を破る先制のホームランを打ってみせた。
ここまで絶好調の侍ジャパン打線。
しかし全てが順風満帆というわけではない。
大会前に叫ばれたサードとキャッチャーの人材難、大会中の山田、青木選手の不振など個々でみれば不安な要素を抱えて戦ってきた。
4番の筒香選手だけは大会前からも、大会中も抜群の働きを見せてチームを牽引してきた。
この男が中心にどっしり座っていることがどれだけチームに安心感を与えてきたか。
筒香に回せばなんとかなるという期待がチームに繋がりを持たせた。
一次ラウンドのキューバ、オーストラリア戦で同じスタメンで戦って以降は試行錯誤しながらスタメンをいじってきた侍ジャパン。
その中で筒香選手が4番として計算出来たことは首脳陣にとって非常に大きかった。
逆に筒香選手が打てなければチームに『筒香でも打てないのか』と不安がよぎりかねない。
そこまでの存在になってきている。
チームの浮沈に大きな影響を与える絶対的な存在。
準決勝、決勝で対戦するメジャー級の投手との対戦はチームの勝利、そして筒香選手の今後を占う上でも重要なものとなる。
これまでと同様、いやそれ以上の活躍に期待したい。
分厚い選手層と怪我の状況が不安な中田、秋山
筒香選手の先制ホームランを皮切りに終わってみれば13安打8得点を奪った打線。
その背景には筒香選手以外の選手たちの安定した働きと不調・怪我人をカバー出来る選手層があった。
筒香選手と共に2番・セカンド菊池、9番・キャッチャー小林の両選手が全試合にスタメン出場。
次いで5番・ファースト中田、6番ショート坂本が5試合にスタメン。
筒香選手の後ろで睨みをきかせる中田選手、安定感抜群のセンターラインを形成した小林、菊池、坂本選手と軸となる5選手の存在は非常に大きかった。
そこにムードメーカー松田選手、復調した山田哲人選手が加わり打線の迫力は日増しにましていった。
更に不調の選手をカバーするように秋山、内川といった選手が控える選手層はこれまでの日本代表の中でもトップクラスの選手層。
心配なのはイスラエル戦のスタメンを外れた中田、秋山選手の疲労・怪我の状況。
ここまで打撃・守備の両面で貢献してきた二人が万全の状態で決勝ラウンドに臨めることを切に願う。
日増しに安定感を増す投手陣
ここまで大味な展開が目立った侍ジャパン。
特に二次ラウンドでは石川、菅野投手といった先発投手が序盤で大量失点を喫してしまった。
しかしそれをきっちりカバーしたのが日増しに安定感を増した救援陣。
リリーフ陣は初戦のキューバ戦以降、27回2/3を投げて僅か5失点、防御率1.62。
フォークを自在に操る平野、増井。抜群の切れ味の変化球で奪三振を量産する左のドクターK松井、左右の変則サイド秋吉、宮西、安定感抜群のアンダースロー守護神牧田。
バラエティー豊かな投手陣を状況によって使い分けられる侍ジャパンの継投は他国にない武器の一つ。
大会前に不安視されたリリーフ陣の好調は試合中の安定感と勝負強さ以外にも大きな果実をもたらした。
新たに誕生した侍のエース千賀投手
イスラエル戦で代表初先発となった千賀投手。
オランダ戦で中継ぎとして2回を投げてからの中2日での先発。
今年は先発としての練習を一切していなかったという男はそれでも抜群のパフォーマンスを見せた。
5回被安打1、奪三振4で無失点。
2017WBC2次ラウンド~日本対イスラエル~育成の星!千賀滉大ヒーローインタビュー!
その結果もさることながら打者を圧倒的にねじ伏せる直球の威力とフォークの落差。
あれで昨日のフォークは調子が悪かったというのだから驚きだ。
千賀投手の今後の起用法が侍ジャパンの運命を左右する。
準決もしくは決勝での先発、もしくは両試合で中継ぎ待機。
菅野・石川投手の状態いかんによるが準決勝までは中6日。
私の予想は準決勝の先発。
小久保監督が最も難しい試合になると口にするその重要な試合で最も信頼できる投手を先発させないわけにはいかない。
ここまで千賀投手は3試合で9回を投げて無失点。
1試合完封に匹敵する抜群の内容を見せる男の右腕に期待したい。
まとめ
ここまで6連勝といえどほとんどの試合、場面が緊張感のあるものだった。
その戦いを終えてからの中6日。
移動、疲労回復、コンディション調整、緊張感の維持など準決勝、決勝までのピーキングが非常に難しい。
ただそこは超がつく一流選手たちの集まり。
問題なく調整してくれると信じている。
自分たちがここまでやってきたことを信じてやって欲しい!
それでは、さようなら!