既に一次Rの突破が決まっていたものの、二次Rを良い流れで迎えるために良い形で試合をしたかった侍ジャパン。
理想的な試合運びでの勝利となりました。
野手陣は先制、中押し、ダメ押しで確実に得点を重ね、投手陣は最少失点の1失点に抑え、不安のリリーフ投手陣は無失点。
第一・二戦の良い流れをそのままに見事完勝。
日本史上初となる3連勝での二次ラウンド進出。
格下の中国相手とは言え良い流れを作れたことは好材料。
ここまでの良い流れを活かしながら調整・休養を図れ、最高の調整試合となりました。
これから今日の中国戦の感想を話していきます。
目次
結果
チーム | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
中国 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
日本 | 1 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | × | 7 |
【日】武田、藤浪、増井、松井裕、平野、秋吉
【中】ガン・チュエン、モン・ウェイチャン、クゥン・ハイチョン、チェン・クン
【本】小林(2回)中田(3回)
引用:侍小林&中田弾!3連勝で2次Rへ/WBC詳細 - WBC : 日刊スポーツ
侍ジャパンのスタメン
1(遊)田中
2(二)菊池
3(指)山田
4(左)筒香
5(一)中田
6(中)鈴木
7(右)平田
8(三)松田
9(捕)小林
先発P=武田
これまでのスタメンから青木、坂本選手が外れて田中・平田選手が初スタメン。
スタメン・選手起用から読み解く今後の選手起用
初スタメンの田中選手が先制点に絡む活躍を含む2安打2得点2盗塁。
中田選手に2試合連発となる一発が飛び出し、小林選手がまさか(失礼ですみません)の一発。
その他の主力選手にもヒットが出ており調整は順調。
気になったスターティングオーダーの意図。
今からその気になった点についていくつか触れていきます。
鈴木選手センター起用と秋山選手のスタメン落ち
この試合ではこれまでセンターを務めていた青木選手に変わって、鈴木選手がセンターでスタメン。
本来であればセンターが本職の秋山選手が起用されるかとおもいましたが、結果は違いました。
【考えられる原因】
- 首脳陣の中で平田選手の方が優先順位が高い
- 鈴木選手のセンターを試したかった
- 秋山選手は強化試合で受けた死球の影響がまだある
途中から試合に出た秋山選手はヒットを放ち、センターの守備にもつきました。
ただ、動きを見ているとどうも万全には見えません。
そこで首脳陣は万が一のために鈴木選手のセンターを試したかったのでしょう。
青木選手の状態がまだ上がりきれていないことを考えると、秋山選手の状態が戻ってこないと侍ジャパンのオプションは狭まります。
一日でも早い怪我からの復調を願うばかりです。
三番山田起用の意図
この試合でちょっと気になったのは山田選手の三番起用。
もしかしたら首脳陣は青木選手の1番起用を考えているのかもしれません。
ここまで調子の上がらない青木選手。
本職の1番打者として起用して復調を図りたいのでしょう。
まるで2009年大会直前にイチロー選手を当初の構想であった3番から1番に変えたように。
もう一つ考えられるのは一番センター青木、三番指名打者山田にすることで今後彼らが復調しなかった場合に他の選手とスムーズに入れ替えるためなのではないかということだ。
仮に両者の状態が上がらなければ、それぞれ秋山、内川選手をそのままポジション、打順変更なしで起用出来るように。
現在の侍ジャパンは2番菊池選手、4番筒香選手から9番小林選手まで非常に良い打線の流れができています。
その流れを崩さずにスムーズにスタメンを変更出来るように、新たな1・3番の起用方法を考えているのかもしれません。
小林選手への正捕手指名
侍ジャパンの捕手は3戦連続で小林選手がスタメン。
好結果を出してきた小林選手がいるとは言え、大野・炭谷選手はここまで未出場。
両選手の試合経験、小林選手の休養を兼ねて小林選手のスタメン外しも考えられました。
しかし、首脳陣は小林選手のスタメンを選択。
これは小林選手に対する「正捕手はお前だ!」という首脳陣の強い意思表示です。
もし大谷選手がいれば日本ハムの同僚大野捕手、嶋選手がいれば同僚則本投手との起用が考えてられましたが、大谷・嶋選手は不在。
そうなると基本線は捕手小林選手。
これまでの小林選手の働きへの評価と今後の期待が形となって今日の試合も小林選手スタメン起用となったのです。
またその期待に小林選手はバットと守備の両方で応えてみせました。
今後ラウンドが上がるにつれ総力戦が予想されるため、他の捕手陣の力も必要となります。
しかし、あくまで正捕手は小林選手。
首脳陣の小林選手へのメッセージが3戦連続スタメンを生んだのです。
二次ラウンドの第三先発は誰か リリーフ陣の整備は?
この試合で一番注目されたのが二次ラウンドの第三先発。
侍ジャパンの先発陣は石川、菅野選手の二枚が確定。
報道によると二次ラウンドの初戦・オランダ戦は石川選手、二戦目は菅野投手。
残る第三戦のイスラエル戦の先発は誰になるのか。
候補は武田・藤浪・則本選手。
既に登板した則本選手以外の二人が今回登板しましたが、正直当確レベルの投球とはなりませんでした。
キューバ戦の則本選手は二回パーフェクトからの三回突如の乱調。
武田選手もややボールが馴染まず、変化球の制球に課題。
藤浪選手はボール自体は良いものの立ち上がりと制球に難を残す。
もしイスラエルとの第三戦が決勝ラウンドをかけた一戦だった場合の緊張感や重圧度を考えるとやや心もとない印象。
イスラエル打線との相性が良さそうな投手が先発となるでしょうが、不安はつきません。
キューバ打線の方がイスラエルよりも劣ると考えるのなら、菅野選手を第三戦にまわして、キューバ戦に第三先発候補をぶつけるのも一つの手です。
※結果的に千賀投手が先発しました。
リリーフ陣の整備
ここまで役割が固定しきれずにいるリリーフ陣。
この試合で一際輝きを放ったのが代表最年少の松井裕樹選手。
圧巻の三者連続三振で一回をパーフェクトに抑えました。
現在の侍ジャパンのリリーフ投手の中で、奪三振を期待出来るのは千賀選手とこの松井投手。
オランダ・イスラエル、決勝ラウンドで戦うことが予想されるドミニカ、アメリカらのパワー溢れるスラッガーたちと対戦する際には、出来るだけバットに当てられることは避けたいです。
そのため、奪三振率の高い投手の存在は非常に貴重です。
松井投手には制球面での不安要素がありますが、強化試合と中国戦での好調を買って、厳しい場面での登板も首脳陣は想定しているでしょう。
9回牧田、7~8回は打者の左右に合わせて宮西・千賀。
ここに松井投手、外国人打者が苦手とするフォークボールを操る平野・増井投手が計算出来る戦力として加わってくることを願いたいです。
まとめ
当初の不安を打ち消す3連勝。
先発陣が好投して試合の流れを作り、打線が長打・小技・足を使って得点し、リリーフ陣がそのリード守る。
理想的な試合が続いていますが、まだまだ不安要素も多いです。
短い間隔で試合が続くハードスケジュールですが、休養と調整をうまくしながら次なる戦いに備えて欲しいです。
それでは、さようなら!