自分が欲しいものをお店やネット、ブログなどで調べている時に選択肢が多すぎて悩んでしまった経験がある人は多いでしょう。
テレビや雑誌、ブログなどでこれが良い、あれも良いと人の宣伝やオススメを見ていると逆に悩んでしまって購入をやめたという経験がある人もまた多いはずです。
宣伝する側は色んな選択肢があった方がお客さんも比較検討出来ると思って、数多くの種類の商品を置いています。
しかしそれはかえってお客さんを悩ませることになっていることがあります。
そんな消費者側の悩みや目線についてなるほどと思わせることを書いているのが、今日ご紹介する『なぜ、日本人は考えずにモノを買いたいのか?』。
この本で学んだ、商品の宣伝方法に悩む人が知っておくべき「選択肢を絞り込むススメ」についてお話します。
目次
『なぜ日本人は考えずにモノを買いたいのか?』とは
変わり続ける消費者の変化を1万人の時系列調査で20年追い続けた結果見えてきた消費者の傾向について書かれた本です。
3つの章に分かれており、内容は以下のとおりです。
◎日本人がいま欲しいもの、欲しくないもの
◎キーパーソンとなる消費者プロファイル
◎「考えずに買いたい」人たちがモノを欲しくなる戦略
モノをほしがらない消費者はいま、何に欲望し、お金を使っているのか。
日本人の欲望の行き先を明らかにしています。
本書は約200ページほどで構成されていますが、統計調査を元にしたグラフや数字が使われているため、飽きずに読み進めることが出来ます。
この本のテーマ
本書ではキーパーソンを若者やシングルの女性、シニア世代などに分類してプロファイルしている。
この本では消費者は選択肢を絞り込むことを望んでおり、情報が多すぎると迷うと書かれている。
そこの絞り込み方を誤らなければ、商品は売れるという話がこの本で一番言いたいことだ。
選択肢を絞り込むススメ
では、なぜ選択肢を絞り込み必要があるのか。
どうしてその状況が生まれたのか。
それについてこれからお話しする。
インターネットがもたらした利便性と消費者の疲弊
現代社会ではリアル店舗での買い物だけでなく、ネットショッピングなど多くの方法で商品を買うことが出来る。
また、パソコンやタブレット、スマートフォンと電子機器が普及したことによって商品を購入できる媒体まで多種多様になってきている。
それらは消費者に利便性を与えると同時に疲弊させているのだ。
冒頭でもお話したとおり、皆さんも店頭に数多く並ぶ商品やネット上の情報(ブログやレビュー)を比較しながら商品購入を検討した結果、悩んだ経験はあるだろう。
そうしたあふれる情報が消費者の商品購入決定においてマイナスになることがあるのです。
多すぎる情報は人を惑わせ、意思決定を妨げるが、いくつかの選択肢に絞り込めば案外すんなりと意思決定できるものである。
ブランド商品が売れるわけ
様々な情報があふれるなかで、シンプルに消費者に商品力を訴求できるものがある。
それがブランド品だ。
皆さんの中にもあれやこれや悩んだ結果、有名もしくは馴染みのあるブランドを選択した経験をお持ちの方も多いだろう。
前述した消費者を商品購入の悩み(疲弊)から解き放つ効力があるブランド品はまだまだ強い力を持っているのだ。
衒示(げんじ)的商品(見せびらかし)ブランドは消費者が悩まず、あまり時間をかけずに商品の選択・購入ができる物差しとなるものである。
また、みせびらかし消費自体、人が商品購入する動機となりやすいのだ。
なぜ、人は悩みたくないのか
消費者が商品購入の際に悩みたくない理由は二つある。
一つはここまで話したとおり、インターネットとスマートフォンの普及からくる選択肢の豊富さだ。
そしてもう一つは女性の社会進出によって時間的余裕がなくなってきていることだ。
女性の社会進出は女性自身の時間的余裕がなくなるだけではない。
かつての専業主婦として生活する女性が少なくなったことで、男性も時間的余裕をなくしているのだ。
今までは女性にやらせていたことを男性もやらなくてはいけない社会にシフトしたことで、社会全体として時間がない人たちが増えてきているのだ。
そのため、仕事に家事にその他の趣味や付き合いなどに時間を費やしていると時間的に余裕がなくなってくる。
ただでさえ時間がなくて、その上疲れているのに買い物で頭を悩ましたくない。
そのため、あまり考えずに即決できるように選択肢を狭めることが現代社会の消費者は求められているのだ。
スマートの普及でいつでも買い物ができる基盤が整備されている。
働く女性の増加によって時間的余裕がなくなっている。
ルーティン化する買い物
疲弊した消費者たちがその解決策として行っているのが買い物のルーティン化だ。
本書に載っているアンケート結果によると、定期的に購入しているものがあると答えた人の割合が64%にまで昇る。
中でも20代~30代の占める割合が多い。
単身世帯が多いこの年齢層にとっては時間短縮のために買い物をルーティン化する流れが進んでいることが伺える。
この本を読んで私はどうするか
私はこの本を読む前に悩んでいたことがあった。
それはブログで記事を書く際に、複数のことをまとめて書くか一つのことについて書くかだ。
私はブログを読むときや人から商品をすすめられる時、多くの選択肢を与えられたい派の人間だ。
複数の選択肢のなかで、より自分に合った商品を購入したいからだ。
しかし、そんな私でも選択肢が多すぎて悩むことがある。
それはどの商品も魅力的に感じてしまい、どれが自分に合うのかわからなくなることがあるときだ。
それと単純に情報量が多すぎて、比較するのがめんどくさくなることもある。
そういったことを考えて、1つに絞った方が良いのだろうかと考えることがあった。
しかし、それでは情報不足ではないか同時に悩むこともあった。
ただ、この本を読んでからは選択肢を絞って記事を書いた方がよいと感じた。
消費者に悩む要素を与えないことも書き手の重要な役割の一つだからだ。
少なくとも、商品をすすめる時にはそれが最適である。
なので、この本で学んだことを活かすために、今後は選択肢を絞った提案や商品紹介をしていく。
まとめ
多すぎる選択肢は消費者に疲弊をもたらし、商品購入から遠ざける可能性がある。
消費者にスムーズな購買を促すためにはある程度情報・商品を絞って提案する必要がある。
買い物をせずに生活している人は日本にはあまりいない。
日本で生活するほとんどの人にとって欠かせない買い物。
それらの活動を行う際に人々がどんな行動をとり、何を考えているのかを知るのは商品を宣伝する上では非常に重要なことだ。
もちろんブログを書いて情報を発信している立場の人にも同様なことが言える。
消費者の立場になった時になるべくストレスを与えない宣伝をこころがける必要性がある。
マーケティングや商品宣伝、ブログの記事の書き方に悩んでいる人にはヒントになることが数多く書かれているので、興味がある方は一度手にとってはいかがだろうか。
それでは、さようなら!