時間の使い方に悩んだことがない人はいないでしょう。
無駄だと思うことが無駄だと言う人もいますが、私は誰しも無駄な時間を過ごすことはあると考えています。
無駄を無駄と思えないことのほうが無駄です。
ようするにそれは現状を正しく認識できていないということです。
自分が完璧な時間の使い方を出来ているわけではありません。
でも、その自覚があるからこそ試行錯誤もしています。
そんな私の悩みを解きほぐしていくれたのが今日ご紹介する本。
ちきりん著『自分の時間を取り戻そう』です。
私はちきりんさんの他の著作やブログを読んでいるのですが、いつも多くの気づきを与えてくれます。
今回紹介するこの本も非常に参考になるものでした。
早速私の気づきをお伝えしていきます。
目次
この本で書かれたこと ~生産性への意識~
この本のテーマは何かと聞かれたら、『生産性への意識』と答えるしかないほど生産性について書かれた本です。
他のブロガーさんもこの本のテーマは生産性とおっしゃっています。
とはいえ、炎上によって本の内容が書き換えられるわけでもなく、「高生産化社会へのシフト」という面白い視点もありました。
ちきりん著「自分の時間を取り戻そう」を読んで生産性の高め方を考えた。 - 俺の遺言を聴いてほしい
この本のメッセージを一言でまとめると、「生産性を上げましょう」となります。
ちきりん氏「自分の時間を取り戻そう」の内容を一言でまとめてみる - Outward Matrix
ここは別の観点から持論を展開しようとも考えたのですが、そんなことが出来ないくらい生産性について書かれた本です。
この本で私が感じた大切なこと
ではそんな中で私が感じた大切なことは何なのかについてここから紹介していきます。
インプットの制限
アウトプットをするためにはインプットが大事。
インプットがなければアウトプットは出来ません。
でも、インプットし過ぎてはアウトプットをする時間を作ることが出来ないのもまた事実です。
現在、私の中でブログの記事にしたいネタは30ほどあります。
その中にはすぐにでも記事にできるものと少し情報を補強しなければ書けないもの、時期がくるまで記事に出来ないものなど様々です。
ただ、日々いろんな体験、考えが浮かぶので書きたいことがどんどん増えていっています。
このままではアウトプットが追いつかないというのが現状です。
せっかくオーストラリアに来ているのだから、ここでしか出来ないことをしよと思うあまり、インプットに時間をかけすぎていました。
しかしこの本を読んで、インプットを制限してしまえばよいというシンプルな考えに行き着きました。
確かにインプットは大切なことですが、アウトプットなしでは成果物(記事)や報酬(収益)が生まれません。
十分に書けるだけのネタがあるなら、まずはそれらを使ったアウトプットに集中することも大切であることに気づかされました。
全てをやろうとしない
上記のことにも関連するのですが、同時に全てをやらないことも大切です。
自分のやりたいことややらなければいけないことはたくさんあります。
しかし、それらの全てを行う時間はありません。
そこで考えなければいけないことは全てをやろうとしないことです。
生産性という観点で考えれば、ますはやろうとしていることを生産性の観点から見つめなおす必要があります。
ステップは以下のとおりです。
【生産性を見つめなおす四つのステップ】
- 短い時間で効果が出やすいことから始める。
- 短い時間で効果は出にくい、もしくは長い時間で効果がでやすいことをやる。
- 長い時間で効果も出にくいか、今後を考えたときに自分のためになる重要なことをやってみる。
- 分類した上で必要がないと考えたものはやることから外す必要があります。
まずは取捨選択。
そのうえで、今のリソース(時間)の上でやれることを期限を決めてやるというのが一番良いです。
この本の副題にもなっている通り、『ゆとり』というものも時間を取り戻すためには必要です。
全てをやった結果、利益(収益やスキル向上・評価など)が出なければそれは生産性の低い行動でしかありません。
また、人それぞれ頭を使って集中できる時間は限られています(ちきりんさんは4時間だそうです)。
なので、量とタスクをこなすことに縛られて、質が下がるのは生産性の低い行動です。
常に生産性を意識することの大切さをここでも改めて感じさせられました。
このように時間の使い方を分類することは思考の整理につもつながりますので、興味がある方は下記の記事もご覧になってみてください。
時間がなくて困っている人へ 時間をシンプルに4分割すれば時間は生み出せる
学びの成長曲線
すべての学びには成長曲線が存在します。
それはかけた時間と習熟度合で表すことが出来ます。
かけた時間に対して、どれだけ習熟できているか。
この本では「人はある一定の段階までは比較的短い時間で到達できる」と書かれています。
そして、ある一定段階に達するとそれまでとは違って習熟の成長度合いが鈍化する(初期と比べてかけた時間分の成長がない)とも書かれています。
つまり、その鈍化するポイント以降は生産性が低くくなるとちきりんさんは指摘しています。
この考えはスポーツや語学、ゲームなど大抵のことに当てはまります。
例えば語学などでいえば、旅行会話・軽い日常会話までは比較的誰でも1年もあれば到達できます。
私の例だと英語学習してから5ヵ月で旅行英会話、7ヵ月でTOEIC700点、10ヵ月で1時間以上の日常英会話(会話のスピードは遅いですが)を出来るようになりました。
しかし、そこからは成長曲線が鈍化しています。
洋書や英字新聞を深く理解する、ビジネスで議論や交渉に使える会話力、TOEICで900点などはそう簡単にたどり着ける領域ではありません。
5、10年はかかるかもしれません。
つまり、高いレベルの英語を理解する必要がない、仕事で英語を使う予定がない、ハイレベルな資格が必要(英語講師や海外大学入学・永住)でない方にとっては極めて生産性の低い行動となるのです。
であれば、別の言語を習得する、新たな趣味や勉強に挑戦するなどに時間を使ったほうが生産性は非常に高いのです。
以前このブログでも記事にしたのですが、私はマラソン(その他の趣味も同様な理由です)を伸びしろとそれにかかる時間を考慮して辞めました。
自分の考え方が、ちきりんさんと同様であることに勝手に喜びを見出しました。
なんというか霧が晴れたような感覚です。
また、それと同時に今後の自分の英語学習のやりようについて再考する必要があるとも考えました。
生産性が一時的に落ちても後のリターンを考えて英語力を高めるのか、英語力を高めたところでリターンが少ないなら、ほかに時間を使う(他の言語の習得、プログラムの勉強、ブログにもっと注力)ことを検討する必要があると感じました。
いずれにせよ、ここで気づかされことが今後の自分のスケジュールや目標の決め方に影響を与えるということは間違いありません。
人の時間を奪う意識
ちきりんさんは時間節約のために、Twitterなどでは要件をダイレクトに相手に伝えるようにしているそうです。
同時にダイレクトに要件を伝えてこない人の相手はしないそうです。
これはイケダハヤトさんも実践している手段の一つです。
それは相手の時間を奪いたくないし、奪われたくないという考えがあるそうです。
生産性を高めるうえでこの考えは非常に大切です。
私はつい先日、私のブログの存在を知る人からから私がブログの記事にした観光地についての感想をきかれました。(その人は記事の存在を知りません。)
そこで私は軽く感想を述べた後で、それはブログの記事にしてるのでそちらの方がわかりやすいですよ、と伝えたのですが、その人からはPV稼ぎかよと言われました。
私の行動は誉められたものではないかもしれません。
しかし、そこにはお互いの時間を奪いたくないという考えがありました。
その記事は3,500文字くらいの記事だったので、読むには10分程度かかります。
それを要約して伝えることも出来ますが、その時間が私には無駄に思えました。
何よりその人の発言からから、私の時間を奪う意識がないことが感じとられたのが残念でした。
私は何も自分のPVを稼ぎたかったわけではないのです。
ましてや、説明をめんどくさがったわけではありません。
ただ、そこに人の時間を奪う意識がなかったことが残念だったのです。
私は自分が人と時間を共有する時に互いに生産性の高い関係でありたいです。
同時にそれは自分が相手の利になれる存在である必要があります。
そして、相手の時間を使っているという意識。それはビジネスや勉強の時間だけに当てはまるものではありません。
この本でも書かれているとおり、家事や日常生活にも同様のことが言えるでしょう。
そのひとつひとつの積み重ねが時間を生み出すのです。
そのためには時間を奪う意識を持った人と人間関係を構築する必要があります。
同時に、ブログの記事を読んでもらうことで奪った読者の時間をより生産性の高い時間にしていかなければいけないと強く感じました。
文字が持つ価値
現在様々なコンテンツが世にあふれています。
その中でちきりんさんはYouTuberを例にあげて、文字を主戦とする危険性を唱えています。
大人気YouTuberの動画を観ながら、私は残念でなりませんでした。私の強みは文章力にあるので 今はブログや本でメッセージを伝えています。でも動画や漫画に比べて文字=テキスト分野は、とても不利に思えました。地味で市場規模も小さい。日本語が読める人にしか伝わらない。ああ残念だ。
確かにブログや小説などの文字媒体は動画など比べると厳しい状況に置かれているように感じます。
しかし、ちきりんさんはあることに気付いて安心されたようです。
でもあるとき文字(テキスト)の生産性の高さに気づいた私は、すっかり気分がよくなりました。
「中略」
当然ですが、2時間の対談を聞くには2時間の時間がかかります。聞き取れる程度に早送り再生しても、1時間以上はかかるでしょう。
でも、2時間分の対談の書き起こしは原稿が手元にあったら、多くの人は30分もかからず、全体の趣旨を理解することができます。
速い人なら15分ほどで理解できるでしょう。
これはテキストの生産性が動画より4倍から8倍も高いことを意味しています。
「(中略)」
『伝える』という意味では、テキストの生産性は圧倒的に高い。
短い情報を伝えるのであれば、動画コンテンツのほうが文字媒体よりも有利な面はあるでしょう。
ところが、長時間の動画となるとそういったわけにはいきません。
人の心情や長い政治の討論、国際問題など。そういったものの要点をとらえて、伝えるという意味においては、まだまだ文字媒体が生産性を保てる場面もあると語っています。
逆に言うと動画コンテンツなどの他のコンテンツのほうが有利なものと戦ってはいけないことも意味しています。
文字のほうが有利になる状況を探して、よりわかりやすく有益な情報として文字に起こす必要があるでしょう。
まとめ
多くの気づきを与えてくれたこの本。
そこには文字コンテンツがまだまだ健在であることを示しています。
個人的な意見ですが、この本を仮にYouTubeで表現するのは非常に難しいでしょう。
それだけまだ文字に価値があるということです。
ここで気づいた学びを活かすも殺すも自分次第。
せっかく読書に費やした時間を活かして実践して効果を出さなければ、この本を読んだ時間は非生産的です。
生産性を高めていけるようにこれからも意識して取り組んでいきます。
これまでにもちきりんさんの本の中には色々と気づかされることが多くありました。
もし、興味があれば今回紹介した以外の本も是非手にとってみてください。
それでは、さようなら!