広島東洋カープの菊池涼介選手と言えば、その広い守備範囲で二塁手のエリア以外もカバーしている。
一塁手や遊撃手、時には右翼手や中堅手の分まで菊池涼介選手がカバーしてしまうケースがある。
その異常ともいえる守備で幾度もチームを救ってきた、いまや日本球界屈指の守備職人と言っても過言ではない。
当然今回のWBCで侍ジャパンのメンバに選ばれているわけだが、現状はレギュラーを確約された立場ではない。
しかし、彼には様々な役割が求められる。
彼が侍ジャパンでカバーしなければならないのは守備範囲だけではない。
そこで今日は侍ジャパンでも活躍が期待される広島東洋カープの菊池涼介選手の話をしていく。
目次
菊池涼介選手とは
2011年のドラフト会議で広島東洋カープから2巡目指名を受けて入団。
ルーキーイヤーは前半戦こそ二軍で過ごしたが、7月に正二塁手の東出輝裕選手の故障もあって一軍昇格。
最終的に63試合に出場し、存在感を示した。
プロ2年目はレギュラーに定着し、141試合に出場。
リーグ最多の18失策を喫したものの、二塁手としてはプロ野球記録となるシーズン528捕殺の新記録を樹立した。
シーズンオフには自身初となるゴールデングラブ賞を獲得した。
打撃では打率.247ながら、11本塁打を放ち長打力があることを示した。
プロ3年目には全144試合に出場。
打撃面でも大きく進化し、リーグトップの39二塁打、2年連続の11本塁打を放ったほか、打率.325、188安打(いずれもリーグ2位)という好成績を収めた。
また、守備面では前年に自身で達成した二塁手としてのシーズン補殺数の日本記録を535にまで更新した。
オフには2年連続となるゴールデングラブ賞を獲得した。
更なる飛躍を期待されたプロ4年目は2年連続で一軍公式戦全試合に出場。
しかし、打撃面では、打率.254、本塁打8、打点32という内容で、2013年のレギュラー定着後最低の成績に終わった。
守備面では変わらぬ輝きを見せ、3年連続となるゴールデングラブ賞を獲得した。
雪辱を喫したプロ5年目には大きな変化を見せた。
141試合に出場し、自身初の打撃タイトルである最多安打を獲得。
安打数と犠打数のリーグ1位を同時に達成するのはNPB史上初である。
守備面でもチームに貢献し、4年連続となるゴールデングラブ賞を獲得した。
そしてチームは25年ぶりのリーグの優勝を果たした。
歴代二塁手捕殺記録の守備範囲とマルチな才能を発揮する打撃
ここからは守備と打撃に分けて菊池涼介選手の凄さを語っていく。
驚異の守備範囲
菊池涼介選手と言えばその圧倒的な守備範囲を誇る守備が代名詞。
持ち前の脚力を活かして左右前後に所狭しとグランドを駆け回る。
彼ほど深い位置で守れる内野手は他にいない。
更には肩の強さも持ち味。
素早い送球だけでなく、どんな態勢からでも送球出来る面も彼のスローイングの大きな武器である。
その守備範囲の広さは数字にも出ており、歴代の二塁手捕殺記録上位3つを全て菊池涼介選手が占めている。
【歴代二塁手捕殺記録】
1位 2014年 菊池涼介 144試合 補殺数535 1試合あたり3.72
2位 2013年 菊池涼介 141試合 補殺数528 1試合あたり3.74
3位 2016年 菊池涼介 141試合 補殺数525 1試合あたり3.72
マルチな才能を発揮する打撃 まだまだそこが見えないポテンシャル
守備の人と思われがちだが、菊池涼介は打撃でも高いポテンシャルを秘めている。
前述した通り、2016年はNPB史上初となる安打数と犠打数のリーグ1位を同時に達成。
攻撃面ではマルチな才能を発揮している。
【菊池選手の攻撃力(レギュラー定着してからの4年間)】
・ミート力:打率3割を二度達成(2014年と2016年)
・長打力:2桁本塁打を三度達成(平均は10.75本)
・小技:3度のリーグ最多犠打
・走力:4年連続の2桁盗塁(平均は17.75盗塁)
ご覧の通り、様々な攻撃指標で高い水準を示している。
気になるのは出塁率。
選球眼の目安となるIsoD(出塁率-打率からその選手の選球眼を測る指標)。
0.5が普通、1を超えると優秀とされるIsoDのキャリア最高が0.5しかなく、レギュラー定着後の平均が0.395。
ここが改善されてくれば、もっと嫌らしい選手になる。
また、フリースインガー(四級が少なく、IsoDが低い選手)の選手は成績が安定しない傾向(日本で代表的なところだろ楽天の今江選手など)にある。
実際、菊池選手は打撃成績が良いシーズンと悪いシーズンが隔年できている。
彼がより良い選手になるためには打撃成績の安定が必要不可欠。
そのためにも是非選球眼の向上も目指して欲しい。
侍ジャパンでの役割
さて、そんな菊池涼介選手の今回の侍ジャパンでの役割だが、現時点ではレギュラーは確約されてはいない。
山田哲人選手と二塁手の座を争いながらも、懸念の三塁手のレギュラーを担う可能性もある。
その他にも坂本勇人選手に万が一があった時に遊撃手を務める可能性がある。
内野手のバックアップという意味では日本ハムの中島卓也選手も候補になるが、二塁・三塁・遊撃手のポジションでレギュラーと遜色のないレベルを務められるかというと疑問が残る(遊撃手の守備だけを見れば中島卓也選手も十分務まる)。
また、前述した通り、菊池涼介は攻撃面においてもマルチな能力を持っている。
1,2番でチャンスメイク・繋ぐ力もあれば、下位打線でポイントゲッターの役割(2016年の得点圏打率.343)を務めることも出来る。
現時点の侍ジャパンの大きな弱点の1つが打順が固定出来ていない点。
ある程度流動的に打線を組むことが予想されるため、菊池涼介選手のように様々な打順で使える選手の存在は大きい。
※追記2017年WBCでは正二塁手として活躍。
全7試合に2番セカンドで出場し、攻守にに大活躍。
世界にそ守備が世界に通用することを証明した。
まとめ
菊池選手は守備で間違いなく歴代トップの1人というところまで上り詰めている。
それに加えて、攻撃面でもトップクラスの能力を兼ね備える菊池涼介選手の才能と努力には本当に頭が下がる。
日本を代表する名二塁手の世界での活躍に期待しています。
それでは、さようなら!