どうすれば伝わる文章力が身につくのだろうか。
自分にはブログの文章力がない。
そんなことを考えたブログ初心者の方は多いでしょう。
また、ブログに限らずビジネスマンのプレゼン資料、学生の論文、果ては好きな人とのチャットなど文章力で悩んでいるかたは多いでしょう。
私も文章力についてはかなり悩んでいる物の1人です。
悩んでいても問題は解決しないので、文章力を鍛えたいと思い『伝わる!文章力が身につく本』を読みました。
読んでみて今までいかに自分が文章の基礎をないがしろにしていたかに気づかされました。
そこで、今日は『伝わる!文章力が身につく本』を読んで気づいた文章力の基礎についてお話します。
目次
『伝わる!文章力が身につく本』とは
どんな本
文章作成のノウハウや考え方などについて80通りのルールやコツが書かれている本。
構成
1つのテーマごとに見開き2ページで構成されている。
左ページにテーマとその解説、右ページに解説とイラストという流れで完結に書かれている。
文字やイラスト付き
字が大きく、イラストも多用されているため非常に読みやすい。
わかりやすい改善前と後の例文
全てのテーマに改善前と後の例文が書かれている。
また、その例文が誰もがやってしまうような文章ばかりなので、自分の問題として捉えやすい。
対象
文章作成の基礎について書かれているため、初心者向けの本。
もちろん基礎を見直したい中級者以上にもオススメの本。
ただ、文章や日本語のルールに68テーマ、文章構成のテーマは12しか書かれていません。
ですので、文章構成について深く学びたい人や売れる文章のテクニックなどを学びたい方にはあまり適していません。
私が気づかされたこと
ここからは私が気づいたことについて大きく二つに分けて書いていきます。
基礎の基礎が出来ていない自分
80のテーマのうち、自分が出来ていない、知らなかったことは25前後もありました。
意外にも少なかったというのが私の感想です。
ただ、それらの25前後は非常に重要なことばかりでしたので、いくつか共有します。
- 難しい言葉と易しい言葉は混ぜない
- されている⇒している、思われます⇒でしょう
- 決まり文句は避ける 例:唇を噛んだ ~の達人 銀世界
- 主語を示す新情報なら助詞は『が』、旧情報なら『は』を使う
といったものです。
中でも一番なるほどと感じたのは『決まり文句は避ける』です。
具体例を挙げると、
- 悔しい気持ちを表すときに使う『唇を噛んだ』
- 雪景色を表現するときに使う『辺り一面が銀世界』
- 食べ物美味しかったことを表現するときに使う『ほっぺが落ちそう』
誰もが耳にしたことがある表現(常套句)は避ける必要があります。
なぜ常套句を使ってはいけないか。
筆者曰く、常套句を使った書き手の文章感覚さえ疑われかねない危険な行為とのこと。
誰か、センスのよい先人が編み出したころには、とても新鮮だったことでしょう。なるほど気が利いていると重宝され、広く使われるようになりました。やがて手垢がつき出し、使うとその人の文章感覚さえ疑われるようになりました。
ようはこれらの言葉を使ってしまうと読み手は退屈に感じてしまうし、書き手に対して信頼感を失ってしまうそうです。
確かに使い古された表現を目の当たりにすると、『この人オリジナリティーがないな』や『自分で考えていないのかな』と感じたりします。
というかそもそも印象に残らないことのほうが多いです。
以前、ある人気ブロガーさんとお話する機会があったのですが、その方は形容詞を使う時に人とは違う形容詞が使えないかと考えるそうです。
ようは差別化を図るのです。
例を挙げると、『「ガンジーでも助走つけて殴るレベル」の怒り』みたいなものです。
それだけ常識的に考えてあり得ない程の行動、状況の事を形容したいのですが、それを単に「はらわた煮えくり返る」の怒りと言っては印象に残りません。
これは非常にみにつまされることで、私は時々常套句を使って悦に入っている時があります。
『おれはおしゃれな表現を使ったぞ』と。
しかし、たいていそういう時は自分の色々考えていることは少なく、単に自分の知識に頼っているだけに過ぎません。
そうではなく、自分の体験したことや感じたことをいかに自分の言葉で表現するのかにもっと向き合う必要があると身につまされました。
一度に全てご紹介できないのが残念なくらい上記に挙げた例以外にも非常にためになることが多く書かれていたので、是非一度目を通して頂きたいです。
英語にも共通する文章力の基礎
英語と日本語とで共通する文章力があるという発見がありました。
英語で文章を書く際にも使える文章力の基礎がいくつもありました。
例を上げると、
- 副詞と動詞 形容詞と名詞は近くに配置する
- 修飾語句には置く順番がある(大きいもの順)
- ~と~ などの表現を使う際は言葉の重複は避ける(ご飯を食べて、おかずを食べて、デザートを食べて⇒ご飯、おかず、デザートを食べた)
上記に挙げた例は英語でも同じルールが存在します。
つまるところ、どんな言語でも読み手に伝わる文章には共通したルールがあるのです。
言語学の才能がある人の中には文法を理解する才に優れた人がいます。
そういった方は人間が本能的にわかりやすいと感じる文章の基礎ができているのでしょう。
ルールや基礎を知ることの大切さ
ここまで説明してきた話を含めて80ものルールや基礎があると聞いて「そんな基礎ばかりではつまらない文章になるので? もっと自分のオリジナリティーをだしたい」と考える方もいらっしゃるでしょう。
しかし、ルールや基礎を知ることは非常に大切なことだ。
この本で筆者も先人たちが試行錯誤を重ねて出来上がったルールや基礎はそれだけ無駄のない、洗練されたものであるとおっしゃっている。
皆さんは『守破離』という言葉はご存知でしょうか。
これは日本の茶道や武道、芸術における師弟関係のあり方の1つです。
簡単に説明すると、
言われたことをしっかり守り型を作る”守”
自分なりに考えて型を破壊する”破”
師から教わったことから離れる”離”
大事なのはまず有用な誰かの型を一度真似ることができます。
出来上がった型というのは多くの人にとって受け入れやすい、人気のあるもの。
その型を学ぶ過程でどういうことをすれば他人に受け入れられやすいのかを知ることが出来ます。
それらを知ったあとで、改善やオリジナリティーを加えていくほうが結果的にはより早く自分の望む結果を得られるのです。
基本やルールを知るのはめんどくさい、無駄だと考える方は一度『守破離』に則って、基本を身につけて欲しい。
まとめ
この本は文章の基礎について丁寧に書かれた本です。
筆者は全てのテーマを読む必要はないとおっしゃっています。
自分にとって興味のある部分、知らない部分だけを目次からピックアップしてもいいでしょう。
1つのテーマを読むのにかかる時間は3分程度なので、皆さんにも是非気軽に手にとって頂きたいです。
それでは、さようなら!
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