なぜかわからないけど、覚えている昔のことってありませんか?小学生の時友達が先生に怒られた話や、子供の頃に観たアニメのエピソードなど。
それらの中には自分の中で教訓として残っているエピソードがあるのではないでしょうか。
今日は私が幼少期に観て良い話だと思った、サザエさん兄弟の兄弟愛と家族愛が教えてくれたありのままでいる大切さについてご紹介します。
※私のおぼろげな記憶を元にしたお話であることをご了承ください。
目次
サザエさんとは
長谷川町子原作の説明不要の日本の国民的アニメ。
アニメとしての印象が強いが、原作漫画も存在する。
元々は新聞連載の4コマ漫画である。
いわゆるストーリー性はなく、一話完結型の漫画であった。
新聞連載であったことからその時や時代背景に合わせたネタも多く、連載後期には社会風刺ネタが目立つようになった。
新聞連載終了後に朝日新聞社から単行本が全45巻が出版されている。
単行本の発行部数は姉妹社版が7000万以上、朝日新聞社が1600万部以上に達する。
これは日本の新聞連載漫画としては最大のベストセラーと言われている。
※詳細はこちらを参照
私のサザエさんの思い出
原作漫画への思い入れ
私はアニメももちろんですが、原作漫画にも思い入れがあります。
たまたま実家にサザエさんの原作が全巻あったので、小学生の頃によく読んでいました。
アニメとは違って、前述した社会風刺の要素があり、子供の頃にはよく意味がわからなかったです。
ただ、大人になって読んでみると理解できるものがあってかなり面白かったです。
また、原作のネタがアニメでの度々登場するので、それをアニメで発見するのが面白かったです。
それと、原作とアニメの違いと言えば、各キャラクターの性格が結構異なる点だと思います。
特にワカメちゃんとマスオさんの性格は結構異なります。
アニメではどちらかと優しいキャラとして描かれがちな2人ですが、漫画では結構意地汚いというか悪い一面が描かれていたりします。
また、ワカメちゃんの場合は結構勉強の出来が悪く、アニメの優等生キャラとは違った味わいを見せてくれます。
小学生の頃に体験した悪夢
ちなみに小学生の頃、給食の時間の校内放送で『サザエさんの三兄弟は誰と誰と誰でしょうか?』というクイズが流れてきて、私が自信を持って『サザエさん、カツオ君、ワカメちゃん』と答えるとみんなに笑われました。
『何を言っているの? カツオ君、ワカメちゃん、タラちゃんでしょ』と。
私は『みんな知らないんだな、見てろよ答えが流れた時に俺が正しいことを証明してやろう』と心待ちにしていました。
しかし、校内放送で流れてきた答えに私は愕然としました。
『正解はカツオ君、ワカメちゃん、タラちゃんです』と。
私は耳を疑いました。
必死に私が正しかったことを訴えても誰も信じてくれません。
今みたいに携帯でググってすぐに証明することもできず、先生に確認しても『カツオ君、ワカメちゃん、タラちゃんでしょ』と。
というまたしても信じられない答えが返ってくるだけ。
私はますます孤立していったことを『今でも』覚えています。(笑)
90年代前半のアニメ版が好きだった幼い私
個人的には90年代前半のサザエさんが好きでした。
なんと説明したら良いかぱっと思い浮かばないですが、「全員ゴマ目」だった時代のアニメです。
雰囲気がほのぼのとしていて全員が優しかったです。
各エピソードも優しいものが多く、見ていて心が癒されました。
当時の日本がまだ豊かだったことが影響しているのかもしれません。
もしかしたら今のサザエさんが行き過ぎた表現だったり、キャラクターが過激になってしまったのは時代背景が影響しているのかもしれませんね。
まあ、私が変わってしまっただけかもしれませんが(笑)
磯野兄弟の見栄とありのままの愛
ここからはそんな90年代前半のアニメ版から私が思い出に残っているエピソードを紹介していきたいと思います。
サザエさんがカツオ君に見せた姉としての見栄
きっかけは確かサザエさんが例によって例のごとく、とんちんかんなことをしてカツオ君に呆れるところから始まります。
その時、母のフネさんから『あなたがそんなんだからカツオに悪影響を与えている』とサザエさんがたしなめられてしまいます。
そこからサザエさんが良い姉であろうと一念発起します。
すぐにカツオ君を叱ったりせず、優しい言葉使いを心がけ、家事をいつも以上に頑張り、果ては教養を磨こうと慣れない読書に手を出します。
しかも難解で知られる「ドストエフスキー」に。
寝る間を惜しんで努力を重ねたサザエさんですが、無理をし過ぎた結果、昼間の家事中にうたた寝をしてしまい、ボヤ騒ぎ(ちょっとお鍋を焦がしてしまうだけですが)を起こしてしまいます。
最近のサザエさんの頑張りを見ていたので、誰も攻める人はいませんでしたが、サザエさんは落ち込みました。
落ち込むサザエさんがマスオさんに『また失敗しちゃった。またカツオに悪影響を与えてしまった』と。
そんなサザエさんを見たマスオさんが『そんなことはないよ。君が頑張っていた姿はカツオ君にきっと届いている。実際、誰も君を攻めたりしなかったじゃないか。ただ、頑張りすぎちゃったからこれからはいつもの君でいいよ。それでもきっと良い影響を与えられるから』と。
カツオ君が悪さをしたら叱って追いかけたのです。
その時カツオ君が『良かった。いつもの姉さんに戻ったんだね。昨日までの姉さんもいいけど、やっぱり僕は今の姉さんがいいや』と。
この話の教訓
現状の自分が嫌になって自分を変えようとした経験を持っている方は多いのではないでしょうか。
もちろんそんな姿勢も大切ですが、自分が嫌っていた自分を好きでいてくれる・わかってくれる人もきっといるはずです。
この話はそんなことを教えてくれるお話でした。
カツオ君がワカメちゃんに見せた兄としての見栄
次はカツオ君についてのお話。
カツオ君とワカメちゃんが学校帰りに歩いているとそこにワカメちゃんのお友達の女の子とそのお兄ちゃんが一緒に歩いているのを見かけます。
それを見たワカメが『あの子のお兄ちゃんはとっても優しいのよ。しかも、成績優秀で勉強も教えてくれるし、運動も出来るの。あんなお兄ちゃんがいて羨ましい』と。
それを聞いたカツオ君は落ち込みます。
『ワカメはそんなことを思っていたのか』と。
そこからカツオ君は一念発起します(先ほどのサザエさんのように)。
ワカメちゃんに『何かして欲しいことはないか。なんでもするぞ』と。
しかし、ワカメちゃんからは『お兄ちゃんどうしたの?気持ち悪いよ。熱でもあるの?』と。
ここでくじけずカツオ君が『勉強でも見てあげようか?』と提案します。
しかし、返ってきた答えは『お兄ちゃんが見てもわからないよ』と。
ここでカツオ君の心に火が付きます。
テストで良い点をとって信頼を勝ち取ろうと。そこから猛勉強の日々が続きます。
友達からの遊びの誘いもテレビもたって、毎日勉強をします。
そして来るテストの当日。
カツオ君は確かな手応えをつかみます。
しかし、返ってきたテストの結果はカツオ君が望む点数には程遠かったのです。
先生や周囲の友達はよく頑張ったねと声をかけますがカツオ君はこんな点数じゃダメなんだと落ち込みます。
落ち込みながらカツオ君が下校していると、泣いている迷子がいます。
カツオ君が様子を察して、泣いているその子をおどけて泣き止ませます。
その後、迷子のお母さんを見つけてあげるのです。
実はこの様子をワカメちゃんが見ており、ワカメちゃんがお兄ちゃん凄いねと声をかけてくれます。
しかし、テストの結果が優れなかったことをワカメちゃんに話すと『そんなことを私は気にしてないよ。お兄ちゃんには良いところがいっぱいあるから。私はそんなお兄ちゃんが好きなのと。他のお兄ちゃんにない良いところがいっぱいあるよ』と。
それを聞いたカツオ君は安心します。
その夜、夢の中でワカメちゃんのピンチを救う夢を見るカツオ君が、『ワカメ、お兄ちゃんがついているぞー』とそう言いながらカツオ君が寝返りを打っていると。
ワカメちゃんが微笑みながらカツオ君に布団を掛けてあげるのです。
この話の教訓
他人の兄弟や家族、カップルと比較して自分を卑下してしまう時があるかもしれません。
しかし、自分の気づかない他の良いところを見出してくれる人がいれくれるはずです。
そして、同時に私も誰かの本人が気づいていない良いところを見つけて挙げられたらなと思ったりします。
そんなことを考えさせてくれるお話です。
ワカメちゃんが母を思って見せた見栄
最後に紹介するのは末っ子のワカメちゃんのお話。
ある日ワカメちゃんが学校の宿題で『自分のお母さん』について作文をする宿題を与えられます。
そこでワカメちゃんは大好きなお母さんを紹介するならみんなに素敵なお母さんだと思ってもらえるような素晴らしい作文を書こうと決意します。
家に帰ってきたワカメちゃんが兄のカツオ君に相談するとカツオ君もワカメちゃんの考えに賛同します。
そして自分が情報収集してくると言って色々な人にお母さんの良いところ聞いて周ります。
磯野家だけでなく、フネさんの女学校時代の同級生のお軽さんなど様々な方から情報を聞きだそうとします。
最終的にフネさん自身に色々質問をしていると父波平さんから叱責されてしまいます。『何をこそこそ聞きまわっているんだ。またよからぬことを考えているんだろう』と。するとサザエさんたちも怪訝な表情で集まってカツオ君を説いたてます。
するとそこでワカメちゃんが、『お兄ちゃんは悪くないの。私がお兄ちゃんに頼んだの』と、ことの顛末を皆に伝えるのです。
事情を知った一同が困惑した表情をしていると、マスオさんが笑顔でこう言います。
『僕はワカメちゃんの考えに反対だな。お母さんをみんなによく思ってもらおうとする気持ちはわかるけど、そうやって作り上げたものを用意してもそれは本当のお母さんじゃないんじゃないかな?もっと自分が素直に感じるお母さんの良さを書けば良いんじゃないかい』と。
そこでワカメちゃんは気づくのです。
取材なんてしないでも自分はお母さんの良さをたくさん知っている。
それと作り上げて人を感動させようとすることの卑しさに。
その後ワカメちゃんは自分の思ったままのお母さん作文を作りあげます。
この話の教訓
自分の大切な人や物を他の人によく思ってもらおうと思って、過剰に作り上げてみせたことがある人はいるのではないでしょうか。
しかし、そんなことをしなくても周りの人には十分に伝わります。
その伝えたい人や物には十分良い部分が備わっているはずだからです。
『ありのままの良さを伝えよう。きっと伝わるから。』
そんなことを教えてくれる話です。
まとめ
今回はいくつになっても、むしろ歳を重ねれば重ねるほど良い自分にとって良い教訓になるお話を紹介させて頂きました。
皆さんの中にも何か思い出に残るお話や物語があるかと思います。
時にはそんな話を思い出されてみてはいかがでしょうか。
それでは、さようなら!