死ぬまで生きる問題

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【年間4得点しか変化なし!?】得点期待値からみる野球の盗塁のメリット・デメリット

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どうも、はろーぐっばい(@jubenonz)です。

盗塁は本当に有効な攻撃戦術なのでしょうか。

 

【初心者向け】これだけは知っておきたい野球のセオリー攻撃戦術7選」でも紹介した通り、盗塁は野球の攻撃においてホームランと並ぶ華とも言える戦術。

www.shinumade.com

 

俊足ランナーVS強肩捕手、老獪な癖見抜きの達人VS高速クイック投手....

身体能力の高いアスリート同士の対決もあれば、巧みな技術や相手のリードを読む頭脳戦でもあり、野球を盛り上げてくれる作戦の一つです。

 

その一方で、統計的に見ると盗塁はハイリスク・ローリターンというデータもあります。

ようは盗塁することで得られる得点は少ないのだから、あまり走らなくても良いというわけです。

 

盗塁ができるかどうかで試合に起用されるかが変わりますが、はたして本当に盗塁できる人を優先すべきなのか。

これから統計的に見た盗塁のメリット・デメリットを語っていきます。 

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得点期待値からみる野球の盗塁のメリット・デメリット

盗塁がもたらす得点量は盗塁王でも年間3~4点 チームによってはトータルマイナス

まず最初に言っておきたいのは、盗塁は無駄な戦術ではないということです。

盗塁によってチームの得点数を増加させることは可能。

 

ただ、盗塁による得点増加”量”は微妙なところです。

下記は2017年の各選手の盗塁価値を表した図。

 

2017年のパ盗塁王・西川選手が年間で4.1点増加させている一方で、2017年のセ盗塁王・田中選手は得点数を微妙に減少させています。

ようは盗塁成功率が低い選手は、盗塁をすればするほどトータル的に考えるとチームにとってはマイナスになってしまうのです。

 

ちなみに西川選手が記録した4.1点の増加は、2004年以降のプロ野球においてはかなり上位クラスの成績です。

 

少し古い記事ですが、2011年の「得点期待値から見る盗塁 | Baseball LAB「Archives」」の記事によると、2004~2011年にかけて年間20盗塁以上した選手で盗塁得点量で4.1以上を記録したのは11名のみ。

 

2011年に年間59盗塁でパ・リーグ盗塁王に輝いた本多雄一選手ですら、年間得点量は2.99得点。

数多く盗塁しても、成功率が低ければチームの得点数を増加させる割合を少ないのです。

※詳細な図は下記のURLから参照頂けます。

http://archive.baseball-lab.jp/column_detail/id=76

 

ちなみに球団による年間の盗塁収支という統計も出ており、チーム全体で年間何点盗塁によって変化があったのかがわかります。

近年の野球だと2004年の阪神が年間9.1点増加させた一方で、2004年の横浜は盗塁によって年間-6.9点分損しているのです。

http://archive.baseball-lab.jp/column_detail/id=76

※詳細な表は上記リンクの「5.球団の盗塁収支」 を参照してください。

得点期待値に大きな影響を与えないのはシチュエーション変化の問題

なぜ盗塁が得点期待値にさほど大きな影響を与えないのか。

原因はシチュエーションが変わることで与える得点期待値の変化度合いにあります。

 

下記はアウトカウントと走者のケース別における得点期待値。

例えば無死2塁の1.059なら平均的には1点入る、二死23塁の0.578なら平均的には0点か1点になる確率が半々ということです。

 

上記の得点期待値の表をもとに、盗塁無企図と成功&失敗で変わる得点期待値は下記の通り。

状況 盗塁なし 盗塁成功 盗塁失敗後
無死1塁 .807 1.059 .233
1死1塁 .478 .682 .087
2死1塁 .204 .305 0

※1 最も盗塁企図の多いランナー1塁の状況を想定

※2 ランナーの進塁は1塁分のみを想定(暴投や捕球ミスなどによる三塁進塁は除く)

 

仮に無死1塁から盗塁を成功しても上昇する得点期待値はわずか.252。

もし失敗すれば得点期待値は-.574。

約80%の確率で1点が入ったシチュエーションが、約23%の確率でしか点が入らない状況に変わってしまうのです。

 

盗塁することで高まる得点期待値よりも、失敗することで減る得点期待値の方が大きい。

これが盗塁がハイリスク・ローリターンの戦術と言われるゆえんです。

盗塁が有効となる盗塁成功率は70%以上

統計によって数値は異なりますが、盗塁が有効となる盗塁成功率はだいたい70%以上です。

下記引用した記事によると、盗塁の損益分岐点はアウトカウントやランナーの状況によって異なります。

下の表は盗塁前の得点期待値・プレー後の期待値・成功(失敗)した場合の利得(損失)を表しています(得点期待値は2004~2010年)。損益分岐とは得点期待値を基にした利得と損失がちょうど0になる点で、これよりも盗塁成功率が高ければ盗塁をする方が得点を多く見込めることになります。

 基本的に盗塁は、成功の利得が少なく、失敗の損失が大きい作戦です。そのため成功率はかなり高い値が求められます。

引用:盗塁の損益分岐 | Baseball LAB「Archives」

※表は引用のリンクを参照してください。 

 

状況によっては9割近い成功率を求められるので、盗塁成功率が7割以下の選手に盗塁指示を出すのは確率論からいうとかなりリスクの高い(無謀な)戦術といえます。

それでも盗塁が有効なケースと理由

それでは盗塁は仕掛けない方が良いのか。

そう結論づけるのは早いかもしれません。

バッテリーの盗塁阻止率や打者と投手の能力によっては有効

本日紹介した得点期待値は、平均的な打者と投手の対戦を想定したものです。

得点期待値はあくまで統計上の平均値であるため、理論的には平均的な投手が平均的な打者と対戦する状況における得点の見込みを表す。例えばエース級の投手がマウンドに立っており打席が8番打者の場合、現実的には得点期待値の数字より得点の見込みが低いと考えられる。

引用:1.02 - Essence of Baseball | DELTA Inc.

 

ですので、2018年のセ・リーグであれば巨人の菅野投手VS打撃が苦手な投手であれば、得点期待値はかなり下がります。

逆に横浜DeNAの筒香選手VS不調の投手の対戦であれば、得点期待値は何もしなくても上昇するでしょう。

 

つまり、何も作戦をしないとほぼ点が取れない状況であれば、少しでも得点確率を高めるために盗塁を仕掛けるのは有りなのです。

 

また、選手の中には9割以上の確率で盗塁を成功する選手もいます。

そうした選手は仮に盗塁失敗することはあっても、年間トータルで見た場合は盗塁収支はプラス。

投手のクイックや捕手の肩などを鑑みて、成功率が高いと判断すれば盗塁という戦術をミドルリターン・ローリスクの戦術にすることも可能です。

俊足ランナーが塁にいることでバッテリーに与える投球モーション・配球の変化

これは盗塁を仕掛ける時によく言われるのが、盗塁が与える影響は盗塁企図と成功かいなかだけではありません。

 

「1塁ランナーが走るかもしれない」という心理的なプレッシャーが、相手投手の動揺を誘ったり、バッテリーがストレート中心の配球になることで、味方の打者に有利に働くケースもあります。

今回紹介した得点期待値は、ランナーの走力が全て一緒くたになっているので、ランナーの走力が与える影響は定かではありません。

ですので、「走ってくるチーム」という認識を与えることが多少得点期待値を高める効果はあるかもしれません。

 

守備側の盗塁阻止に関する考察は「野球の盗塁阻止率で捕手が評価される違和感と求められる必要な阻止率」の記事をご覧ください。

www.shinumade.com

チームの雰囲気を高められる

客観的な効果はわかりませんが、盗塁がもたらす精神的な影響もあるでしょう。

試合を見ていていると、盗塁が決まった瞬間にチームのモチベーションや観客のボルテージが上がり、「よし!いける!」という雰囲気が生まれます。

その心理的な高揚感がプラスに働く可能性はあるでしょう。

 

まぁ、投手の中には「うるさいランナーが走ってくれたから打者に集中できる」と割り切れるタイプもいるので、盗塁が相手にプラスに働く可能性も否めません。 

試合の状況や大会によって効果は異なる

得点期待値の表は過去10年のNPBのデータを基にしたものであり、高校野球にも丸々当てはまるかと言えば疑問符がつく。また、数字で表すことは難しいと言いながら俊足ランナーが1塁にいる時のプレッシャーや、ワンヒットで生還出来る2塁ランナーの存在感の大きさは投手出身の筆者には痛い程よくわかる。打者への集中力が削がれる、配球がストレート中心になる、ウエストにより打者有利のカウントを作りやすくなるなど、数字を超えた”駆け引き”も野球の魅力の1つである。

引用:11盗塁を決めても機動破壊の威力はわずか0.743点?セイバーメトリクスが盗塁を好まない理由(小中翔太) - 個人 - Yahoo!ニュース

 

今回ご紹介してきた統計は、プロ野球から集めたデータ。

これがMLBやアマチュア野球(高校野球や大学野球など)、国際大会(WBC、オリンピック)になると、得点期待値は異なりますし、一つの盗塁がもたらす意味も変わります。

 

統計はあくまで統計なので、選手の能力や戦力差、試合の状況によってことなる1点の重みなどを総合的に判断して、盗塁戦術を有効なものにする必要があるのです。

 

特にアマチュアの高校野球以下のカテゴリでは、チーム内での選手の実力差も大きく、無策で点を取れる確率が低くなる傾向にあります。

打力の低いチームが得点確率を高めるためには、盗塁やバントが有効戦術になりうるケースもあるでしょう。

1番怖いのは監督が単なる動きたがり屋になること

盗塁に限らず、一番怖いのは監督が動き過ぎることです。

野球漫画の『砂の栄冠』にも登場しましたが、監督の中には「自分が試合を動かしている」感を味わいたいタイプもいます。

 

 

「点が取れないのは監督が積極的に仕掛けないからだ」という批判を恐れるあまり、とりあえず動いてしまうと、チームの得点期待値はただただ下がってしまいます。

盗塁やエンドラン、バントの指示をすることだけが采配ではありません。

チームの手駒や得点期待値を頭に入れて、動かないという采配も立派な采配の一つ。

まとめ

  • 盗塁で年間増加する得点は個人なら3~4、チームなら7~8点で立派な成績
  • 成功するリターンは少なく、失敗するリスクの方が高い
  • 打者、走者、バッテリーの力量によって盗塁の有効度合いは異なる
  • 確実であれば動かないことも立派な采配

 

盗塁は立派な戦術ですが、時にチームの得点機会を損なう可能性もあります。

打順や選手起用、育成方針を考えるときに「盗塁を出来るかどうか」を過度に重視しない方が良いかもしれません。

 

特にプロ野球の監督には一度見直して欲しいものです。

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