恐れていたことが現実に...
イチロー選手が2018年中の残り試合を出場しないことがわかりました。
米大リーグで歴代21位の通算3089安打を放ったマリナーズのイチロー外野手(44)が球団の特別アドバイザーに就任し、選手としては今季の残り試合に出場しないことが3日、複数の球団関係者の話で分かった。
ベンチ入りの25人枠から外れるが、球団と生涯契約を結んでチームに同行し、練習しながら選手らをサポートする。来季以降は試合出場も可能という。米国時間3日(日本時間4日)に発表される。
関係者によると、メジャーでも極めて異例の契約内容。本人は従来50歳まで現役続行を公言するなどプレーをする意欲は高く、来季以降にマリナーズの一員として故障者が出た場合などに選手としてプレーする可能性があるという。この契約を結ぶことで日本球界に戻る可能性はなくなった。
衝撃的なニュースを目にした瞬間は、現役引退かと思いましたがそれは早とちり。
話を整理すると、下記の通りです。
【イチロー選手がマリナーズ球団特別アドバイザー就任することの影響】
- 現役引退ではない
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2018年中の試合出場なし
- 球団と生涯契約を結んでチームに同行し、練習しながら選手らをサポート
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エンジェルス・大谷翔平選手との初の直接対決の可能性は消滅
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2018年中の日本球界の可能性もなし
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2019年以降に試合出場の可能性あり
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本人は50歳までの現役続行を希望
一つ一つ整理していきます。
イチロー選手がマリナーズ球団特別アドバイザー就任することの影響まとめ
マリナーズ・イチローが球団特別アドバイザー就任で2018年中の試合出場なし
一番重要なのは、現役引退ではないということ。
あくまで2018年の試合出場の可能性がなくなったのです。
米国時間3日(日本時間4日)に発表され、その後ベンチ入りの25人枠から外れます。
通常はマイナーで調整、もしくは他球団へのトレードが一般的。
どこも引き取り手がなかった場合は、日米からのオファーを待ち、オファーがなければ引退します(翌シーズン以降もオファーを待つ可能性あり)。
ところが、今回のイチロー選手の場合は、他球団への移籍する可能性はなく、 一旦2018年シーズンの選手としての活動は終了します。
前例のない契約ですが、マリナーズと生涯契約を結んだのです。
色々と日本との違いをこれまで見てきましたが、こんな契約は記憶にありません。
【MLB初心者向け】メジャーリーグと日本(NPB)の違いまとめ【ルール、制度、常識】
エンジェルス・大谷翔平選手との初の直接対決の可能性は消滅
早ければ米国時間3日(日本時間4日)にベンチ入りの25人枠から外れます。
従って、日本人が待ちわびたエンジェルス・大谷翔平選手との日本人選手対決が消滅しました。
マリナーズは4日(日本時間5日)から本拠地シアトルでエンゼルス3連戦を予定しているが、大谷翔平との対戦もなくなった。
「【2018年版】エンジェルス大谷翔平VS日本人選手対決の日程と見どころまとめ【日本人メジャーリーガー一覧も】」でも記事にしましたが、今季のメジャーリーグで最大の注目対決だったため、落胆するファンは多いでしょう。
せめて、せめてエンジェルス戦までは試合に出場して欲しかった....。
2018年中の日本球界の可能性もなし
今後のイチロー選手はチームに帯同。
球団特別アドバイザーの役割が具体的にはわかっていませんが、監督やコーチ業とは異なる役職になるようです。
豊富な経験やムードメーカー的な言動で若いチームメートらを支え、ここまで17勝12敗とチームの好スタートに貢献。首脳陣や選手間での存在感はフロント陣の期待以上だという。かつての球団の象徴、将来の米国野球殿堂入りが確実な功労者という意味もあわせ、生涯マリナーズの一員として働いてほしいという声が球団内で強まっていた。
あくまで選手たちと一緒に練習を続けながら、サポートをする。
WBCでも見せた通り、イチロー選手は時にはチームを鼓舞したり、ジョークで笑顔をもたらしたりなど、背中だけでなく、言動でもチームを引っ張ることが可能です。
日本人選手だと、かつて川崎宗則選手が2016年のシカゴカブス時代に、出場選手登録枠としては外れながらも、チームのムードメーカーとして帯同し、チームのワールドシリーズ制覇に大きく貢献しました。
10月26日より開幕したMLBのワールドシリーズ。
71年ぶりのワールドシリーズ進出、優勝すれば108年ぶりというシカゴ・カブスと、68年ぶりの優勝がかかるクリーブランド・インディアンズという歴史あるチームの偉業がクローズアップされているが、その裏側で昨年のブルージェイズに続き、今年も出場登録枠から外れながらも、モチベーターとしてチームに同行し続けている川崎宗則の存在に再び話題が集まっている。
引用:試合に出なくても絶対に必要な選手、川崎宗則が最強シカゴ・カブスのワールドシリーズに帯同し続ける理由 - AOL ニュース
その川崎選手とは違った形になるでしょうが、グラウンド外の部分でチームメイトを支える役割が期待されます。
2019年以降に試合出場の可能性あり 本人は50歳までの現役続行を希望
あくまで本人意向は50歳までの現役続行。
2019年以降に試合出場する可能性はあります。
2018年シーズンは、開幕直前まで所属球団が決まらず、実戦での調整機会が不足。
加えて、右ふくらはぎ故障などもあり、コンディションは万全ではありませんでした。
その結果、29試合のうち15試合に出場して打率は.205。
先発出場は13試合で9安打と、精彩を欠く結果。
さらに、開幕前に故障していた正レギュラーが怪我から続々と復帰して、5月以降は出場機会の減少が予想されていました。
伸び盛りの若手外野手かイチロー選手がマイナー落ちすることが噂されており、チームとしてもイチロー選手の扱いが難しくなっていたのです。
現地メディアからは、イチロー不要論の声もチラホラあがり始め、今後の選手起用が注目されていました。
一応、今回の球団特別アドバイザー就任はイチロー選手も合意の上でのこと。
イチロー外野手が半永久的にマリナーズにとどまることになった。練習を継続し、来季以降は選手として試合にも出場可能。ユニークな契約内容は、本人と球団双方の思惑が一致したものだ。
どんな形であれ、まだまだ”選手”イチローの活動は見られそうです。
イチロー選手への感謝の思いと一言
昭和日本野球界最高のスター選手が、王貞治&長嶋茂雄ならば、平成最高のスターはイチロー&松井秀喜選手。
イチロー&松井秀喜選手のメジャーでの活躍は、日本人選手がFAやポスティングを利用して、メジャー挑戦することを当たり前のものにしました。
平成が残り1年で終わるという2018年5月になって、こんな事態が起こるとは...。
平成元年生まれの私にとって、常に野球界にはイチロー選手が存在していました。
イチロー選手のいない野球界など、想像できません。
私は松井秀喜選手が現役引退したニュースを知った時、今までの人生で味わったことがない喪失感を経験しました。
今回のイチロー選手のニュースを聞いた時も、同じような喪失感を感じいます。
2018年は松井稼頭央選手が古巣西武に復帰したり、上原浩治投手が日本球界&巨人復帰したり、松坂大輔投手が日本球界復帰後初勝利をあげるなど、ベテラン選手の話題が数多くありました。
まだまだ子どもの頃のヒーローたちの活躍を観ていたいと思っていただけに、残念でなりません。
ただ、イチロー選手の現役生活は終わったわけではないです。
2019年以降も、グラウンドを駆け抜けるイチロー選手の姿を観られるでしょう。
今回は少しだけイチロー選手を観られない時間が長い、少し長めのシーズンオフだと思うことにします。
2018年に試合に出場しないことで、2019年に活躍するのは無理だと笑う人がいるかもしれません。
ただ、イチロー選手はかつて『常に無理だって笑われてきた野球人生だった』とコメントしたことがあります。
今回も、「無理だ、無理だ」とせせら笑う人達が出てくるでしょう。
そんな周囲の雑音を、これまで通り結果で黙らせてくれる。
私はそう信じています。
常に不可能を可能にしてきた不世出の天才選手が、また私たちを驚かせてくれる日はそう遠くないはずです。
またイチロー選手の雄姿を観れる日を、楽しみにしています。
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