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【ドラえもんとSF好きにおすすめ!】藤子・F・不二雄のSF短編集の感想

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 どうも、はろーぐっばい(@jubenonz)です。

 

本日は、【ドラえもんとSF好きにおすすめ!】藤子・F・不二雄のSF短編集の感想をお話します。

目次

藤子・F・不二雄のSF短編とは

『ドラえもん』『パーマン』『キテレツ大百科』『エスパー魔美』『21エモン』など、数々の名著を世に送り出した藤子・F・不二雄氏。

 

その藤子・F・不二雄氏が普段の児童誌でなく、青年向け漫画誌に書き下ろした短編集がありました。

1968年09月号の小学館『少女コミック』に掲載した「スーパーさん」に始まり、1995年05月10日号の小学館『ビッグコミック』に掲載した「異人アンドロ氏」。

 

足かけ27年の間に112もの短編集を忙しい通常連載の合間に作りづけたのです。

 

ドラえもんなどでも時折のぞかせていたブラックユーモアを惜しむことなく盛り込んだ作品もり、未だにファンの間では根強い人気を読んでいるのが藤子・F・不二雄のSF短編集です。

藤子・F・不二雄のSF短編の魅力

ここからは藤子・F・不二雄のSF短編の魅力について少し語っていきます。

未来を予知したかのような豊かな想像力

ドラえもんなどでもよくある藤子・F・不二雄の未来予知能力。

21世紀となった2017年の今でも、それらの予知能力は色褪せることはありません。

 

核保有国同士のいがみ合い、食料自給率の問題、定年後の貧困など、現代の世の中でも社会、世界問題となっている事象をまるで予見したかのように登場させています。

 

車や土地、マイホームに魅力を感じない若者が登場するあたりは、最近読んでみてゾクッとさせられる部分でした。

古代、現代、近未来、惑星開拓の様々な時代がテーマ

扱っている年代は現代が中心です。

ただ、中には少し文明が発達した近未来もあれば、惑星開拓が当たり前のかなり技術が発展した未来もあります。

 

中にはカンブリア期や古代オリンピアを意識させるような過去も描かれています。

古代から現代までの歴史、科学、生物学、医学、心理学、社会学など、ありとあらゆる年代ジャンルに精通している藤子・F・不二雄氏。

 

こうした様々な背景知識があったからこそ、様々な未来を予見できたのでしょう。

大人を飽きさせないことはもちろん、子どもの教育にも一助となる作品の数々があります。

ゾッとするラスト! ブラック・ユーモアや考えさせられる倫理観もたっぷり

藤子・F・不二雄のSF短編集の魅力の一つがブラック・ユーモア。

『世にも奇妙な物語』、『笑ゥせぇるすまん』にも似た、背筋がゾッとさせられる大ドン返しや驚きの伏線回収があります。

 

短いもので10数ページ、長いもので30ページほどの短い物語なのですが、非常に読み応えがあります。

星新一さんのショートショートが好きな方には堪らない内容です。

 

その内容も単なるミステリーやトリックではなく、考えさせられる倫理観があります。

食べるものと食べられるものの関係が逆転した人間と牛、人類を生き残らせるために食料となる人間、人間社会の矛盾構造。

高校や大学の授業の題材になるような作品が満載。

 

生死、裏切り、性、恋愛、親子愛、生物の食物連鎖。

 

生きる意味や生き方を考えさせられる題材を通して自分の思考の幅が広がっていきます。

ドラえもんのようなほっこりさせられる展開

シリアスな展開やブラック・ユーモアがある一方で、ほっこりさせられる展開のストーリーもあります。

 

藤子・F・不二雄のSF短編集ではうだつが上がらない、平凡、モテない、夢を追う人物などが主人公になることが多いです。

そんな彼らがちょっとしたきっかけや出会い、考え方を変えることで人生を好転させていくお話もあります。

 

「夢ばかり見てないで現実も見ろよ」と周囲から言われていたり、「自分には何もできない」と下ばかり向いている人は、是非一度読んでみてください。

 

その他にもほっこりする少年少女の恋愛や、思わず涙が出そうになる親子愛、友情のシーンが描かれています。

 

ドラえもん好きの方には是非読んで頂きたいです。

藤子・F・不二雄SF短編PERFECT版各巻の収録作品とおすすめポイント

藤子・F・不二雄氏のSF短編は様々な形で書籍化されています。

私が実際に読んだ「PERFECT版」の各巻の収録作品とおすすめポイントをご紹介します。

 

基本的にそれぞれの短編には繋がりがありませんので、どの巻からお読み頂いても問題なく楽しめます。

各巻のおすすめ作品をご紹介しますので、興味がある方は是非お手に取られてみてください。

 

※おすすめ作品は黒字にしております

藤子・F・不二雄SF短編PERFECT版 1巻

収録作品

  • スーパーさん
  • ミノタウロスの皿
  • ぼくのロボット
  • カイケツ小池さん
  • ボノム=底抜けさん=
  • ドジ田ドジ郎の幸運
  • じじぬき
  • ヒョンヒョロ
  • 自分会議
  • わが子・スーパーマン
  • 気楽に殺ろうよ
  • アチタが見える
  • 換身
  • 劇画・オバQ
  • イヤなイヤなイヤな奴

 

「ミノタウロスの皿」は、食べられるものと食べるものの立場が逆転した惑星が舞台。

ひょんなことから謎の惑星に不時着した主人公。

その星では人間が食べられる側で家畜として飼われ、牛が食べるものとして人間を飼っています。

 

牛に食べられることに喜びと栄誉を感じる絶世の美女・ミノア。

必死に食い止めようとする主人公とミノアや周囲の牛たちとで生まれる認識のズレ。

 

「地球では食べられないの?」、「ただ死ぬだけなんて... なんのために生まれてきたのか、わからないじゃない。」、「ズン類はウスを保護し、住居とエサをあたえ、ウスをその愛情にこたえおいしくなろうとつとめ、」。

 

普段牛を食べる時には残虐などと考えないのに、立場が逆転した世界で家畜側(この場合は人間)が食べられるとなると残虐と感じる。

 

人間の矛盾や生物の食物連鎖とは何かについて考えさせられるテーマです。

 

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引用:藤子・F・不二雄SF短編PERFECT版 1巻 

 

動物愛護と言いながら生物を食べるのは何なんでしょうね。

結局は人間側、食物連鎖の頂点に立つ側にとって綺麗事に過ぎないのではないかと感じさせられます。 

藤子・F・不二雄SF短編PERFECT版 2巻

収録作品

  • 休日のガンマン
  • 定年退食
  • 権敷無妾付き
  • ミラクルマン
  • ノスタル爺
  • コロリころげた木の根っ子
  • 間引き
  • 箱舟はいっぱい
  • アン子 大いに怒る
  • やすらぎの館
  • ポストの中の明日
  • どことなくなんとなく
  • ボクラ共和国

 

人口爆発を迎えた世界が舞台の「間引き」。

増殖率が他の生物と比べて圧倒的に大きい人間の行き着く先とは何か。

 

「どの科の動物にも特有の全個体数には上限がある」という説をもとに、人類がなぜ人口爆発するに至ったかが考察されます。

 

近頃希薄になった異性愛、肉親愛、隣人愛、友情...

それらがもたらす人類の終焉。

 

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引用:藤子・F・不二雄SF短編PERFECT版 2巻

  

人類という生物の存在に一石を投じている作品です。

藤子・F・不二雄SF短編PERFECT版 3巻

収録作品

  • なくな!ゆうれい
  • 3万3千平米
  • ひとりぼっちの宇宙戦争
  • 分岐点
  • ぼくのオキちゃん
  • 世界名作童話
  • ウルトラ・スーパー・デラックスマン
  • T・Mは絶対に
  • 幸運児
  • 1千年後の再会
  • おれ、夕子
  • 大予言
  • 老雄大いに語る
  • 光陰
  • 俺と俺と俺
  • 女には売るものがある
  • みどりの守り神
  • 耳太郎 

 

突如原因不明のノイローゼで表舞台から姿を消したタロット占い師の田呂都先生。

果たしてなぜ彼は表舞台から姿を消したのか、何を恐れているのか。

 

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引用:藤子・F・不二雄SF短編PERFECT版 3巻  

 

冷静に現在の地球が置かれている状況を鑑みた男の恐怖が描かれています。

藤子・F・不二雄SF短編PERFECT版 4巻

収録作品

  • カンビュセスの籤
  • ユメカゲロウ
  • 考える足
  • オヤジ・ロック
  • 宇宙人レポート サンプルAとB
  • ぼくは神様
  • スタジオ・ロボ物語
  • 未来ドロボウ
  • 宇宙人
  • あのバカは荒野をめざす
  • 老年期の終り

 

「カンビュセスの籤」は、古代オリエントの兵・サルクが砂漠の上を生死をさまよいながら歩くところから始まります。

サルクは不思議なことに謎の近未来施設にたどり着いた。

そこには優しく可憐な女性が。

 

命を救われ、寝床や衣服、食料を恵んでくれる謎の女性・エステル。

翻訳コンピューターの故障で言葉を交わせぬ両者だが、次第に心を通わせていきます。

 

常に優しい彼女の唯一の欠点が食料をケチること。

サルクがおかわりを要求しても、こっそり食料を食べようとしても烈火のごとく怒ります。

なぜ彼女はそうまでして”食料”をケチるのか、なぜ生きようとするのか。

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引用:藤子・F・不二雄SF短編PERFECT版 4巻  

 

エステルが抱えてきた孤独と悲しい過去が明らかにされていきます。

藤子・F・不二雄SF短編PERFECT版 5巻

収録作品

  • 並平家の一日
  • ぼくの悪行
  • うちの石炭紀
  • 流血鬼
  • ベソとコタツと宇宙船
  • ふたりぼっち
  • 影男
  • 宇宙船製造法
  • 山寺グラフィティ
  • マイ・ロボット
  • メフィスト惨歌 

 

イラストレーターの卵・加藤広康が主人公の「山寺グラフィティ」。

彼には幼少期を許嫁同然に過ごした幼馴染のかおるがいました。

しかし、高校創業後にかおるは短い一生を閉じてしまいます。

 

かおる亡き後、東京でイラストレーターの道を歩み広康。

その加藤の前にあろうことか幼馴染のかおるそっくりの女性が現れます。

広康とかおるの地元の山寺に伝わる土俗信仰が二人を運命的な再会に導かせたのです。

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引用:藤子・F・不二雄SF短編PERFECT版 5巻  

 

読了後にせつない気持ちにさせられるお話になっています。

藤子・F・不二雄SF短編PERFECT版 6巻

収録作品

  • 恋人製造法
  • 創世日記
  • 神さまごっこ
  • パラレル同窓会
  • 四畳半SL旅行
  • あいつのタイムマシン
  • 街がいた!!
  • いけにえ
  • 征地球論
  • コマーさる
  • 絶滅の島
  • 超兵器ガ壱號
  • クレオパトラだぞ

 

個人的に一番好きな巻です。 

一つおすすめの作品を選ぶのは非常に難しいのですが、あえて選ぶなら「征地球論」。

これは地球侵略を目論む宇宙人が、地球は征服するに値する星かどうかを議論するお話です。

 

宇宙人から見た地球人の矛盾やおかしさ、不可思議さを滑稽に描いています。

 

競争社会、平等と競争、不平等なギャンブルの構造、自己破壊本能、他人の活躍を喜ぶスポーツ観戦、天然資源の浪費、ウソとわかっているのに読む小説...。

 

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引用:藤子・F・不二雄SF短編PERFECT版 6巻  

 

地球人を知れば知るほど、地球人のことがわからなくなっていく困惑する宇宙人を通して、人類の矛盾を浮き彫りにしてくれます。 

藤子・F・不二雄SF短編PERFECT版 7巻

収録作品

  • かわい子くん
  • テレパ椎
  • ニューイヤー星調査行
  • 旅人還る
  • 白亜荘二泊三日
  • タイムカメラ
  • 福来たる
  • ミニチュア製造カメラ
  • 値ぶみカメラ
  • 同録スチール
  • 求む!求める人
  • タイムマシンを作ろう
  • 夢カメラ
  • ある日・・・
  • 倍速
  • コラージュ・カメラ 

 

謎の未来から来たセールスマンが多数登場する巻です。

この巻も好きな作品が多いのですが、個人的に好きなのが「テレパ椎」。

 

人の良さ”だけ”が売りの鳥留梨男。

彼が拾った一つの椎の実。

それは人の心の声を潜在意識まで聞き取れるものでした。

テレパ椎を拾ってしまったことで変わってしまった鳥留梨男の日常。

 

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引用:藤子・F・不二雄SF短編PERFECT版 7巻 

  

人の心の内を知りたいと願う一方で、知らぬが仏があるのも人の心。

知らないことの罪と知りすぎることの罠を教えてくれる作品です。

藤子・F・不二雄SF短編PERFECT版 8巻

収録作品

  • 懐古の客
  • 四海鏡
  • 昨日のオレは今日の敵
  • 侵略者
  • 親子とりかえばや
  • 宇宙からのおとし玉
  • 殺され屋
  • マイホーム
  • 丑の刻禍冥羅
  • 鉄人をひろったよ
  • マイ・シェルター
  • 裏町裏通り名画館
  • 有名人販売株式会社
  • 異人アンドロ氏
  • 絶滅の島 

 

いがみ合っていた父と子が入れ替わる「親子とりかえばや」。

普段は悪口ばかり言っていた親が社会からいかに必要とされ、また親がいかに自分のことを愛しているかが入れ替わりをきっかけにわかります。

 

父の方も、自分が知りもせずに否定していたものがいかに素晴らしいものかを実体験を通して知るのです。

 

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引用:藤子・F・不二雄SF短編PERFECT版 8巻  

 

一度相手の立場になって物事を考える。

非常に古典的ですが、SFの王道である入れ替わりものの原点とも言える作品です。

まとめ

8作品を紹介するだけでも迷いに迷いました。

今回ご紹介した作品以外にも、様々な良作があります。 

 

一つ一つの作品は繋がっていませんが、全作品を読むことで、藤子・F・不二雄先生の聡明な考え方を知ることができます。

機会があれば是非読んでみてください。

 

それでは、さようなら!

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