死ぬまで生きる問題

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日本の人口減少問題がいつか甲子園を終焉させる時

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連日賑わいを見せる夏の甲子園予選。

各地で続々と代表校が決定し、役者が出そろってきた。

 

これからますます盛り上がることが予想される高校野球・甲子園。

球児たちの頑張りには連日、毎年驚きと感動を覚えさせられる。

子どもの頃から日本の夏を彩ってきた、いまや夏の風物詩といっても過言ではない甲子園。

しかし、このイベントがいつまでも賑わいを見せてくれるとは限らない。

 

日本の人口減少、野球以外のスポーツの人気上昇、旧態依然とした野球界の空気。

 

いつまでも、あると思うな、甲子園。

目次

減りゆく高校野球児と加盟校数

高野連の調査結果によると、日本の高校野球児と高野連加盟校は減少傾向にある。

 

日本高校野球連盟は3日、今年度(5月末現在)の加盟校数、部員数の調査結果を発表した。硬式部員数は16万1573人で前年度比6062人減となり、1982年の調査開始以来、最大の減少幅となった。加盟校数は25校減の3989校で12年連続の減少となり、29年ぶりに4000校台を割り込んだ。

引用:会員登録のお願い - 毎日新聞

 

2014年に一度増加したこともあったが、調査を開始した1982年以降、減少の一途をたどっている。

 

原因は様々あるが、主な原因は日本の人口減少と野球以外のスポーツの台頭が挙げられる。

日本の人口減少傾向

周知のとおり、日本の人口は減少傾向にある。

2017年1月1日時点の人口動態調査によると、日本人の総人口は1億2558万3658人で、8年連続で減少した。前年から30万8084人減り、減少幅は1968年の調査開始以降で最大。出生数は初めて100万人を割った。少子化の進行が鮮明となり、東京圏への人口集中も顕著になっている。

引用:日本の人口、減少幅最大の30万人 東京圏集中も加速 :日本経済新聞

 

人口が増加した都道府県は東京、沖縄、千葉、埼玉、愛知、神奈川の6つのみ。

その他の県では人口が減少している。

 

人口が増加している県は移住目的の沖縄を除くと、どれも都心部

全体のパイは減少し、富める県に人口がますます集中。

その結果、地方の過疎化は加速。

 

内閣府の調査では2060年の日本の人口は約8,600万人まで減少予想。

しかも、そのうち60歳以上の人が占める割合は4割を超える。

 

【年齢区分別将来人口推計】

f:id:jubenonz:20170726201512p:plain

引用:1 高齢化の現状と将来像|平成28年版高齢社会白書(全体版) - 内閣府

 

0~14歳の人口は約1,600万人から約791万人にまで減少が予想される。

 

人口減少現象に頭を抱える先進諸国の中で、フランスのように人口増加施策を成功させている国もある。

フランスは1955年以来人口増加がつづき、2010年に6200万人を超え、2050年に8000万人に達するまで一貫して増えつづける。

引用:明暗くっきり、人口が増える国、減る国:日経ビジネスオンライン

 

ただ、そんなフランスが育児奨励策を導入したのは1930年代。

約1世紀に渡る長い試行錯誤によって、人口増加を成功させたのだ。

 

今から仮に日本政府が育児奨励策に踏み切ったとして、その結果出始めるのは数十年先になる。

どこかでV字回復する可能性もあるが、少なくとも2060年代の日本の人口は現在内閣府が発表している数字に近くなる。

 

人口減、とりわけ高校野球の対象となる子どもの数が減れば、単純に考えて高校野球児の減少は避けられない。

人材が野球に集中する時代は終わった

では、人口の減少だけが高校野球児の減少の原因なのか。

答えはNOと言える。 

 

人口減少と共に考えられる要因は、スポーツの人材が野球だけに集中しなくなった時代背景がある。

 

2002年の日韓ワールドカップで、サッカー日本代表の監督を務めたフィリップ・トルシエ

トルシエ監督がプロ野球チーム・横浜ベイスターズ(横浜DeNAベイスターズ)の二軍を視察したさいに「日本のフィジカルエリートはここにいたのか」と驚いたというエピソードがある。

 

確かに日本のスポーツ界における野球の存在は非常に大きい。

かつては巨人戦が毎試合ゴールデンタイムで、リアルタイム放送され、公式戦でもない2月のキャンプ情報が連日連夜放送される。

しかも他のスポーツの公式戦や世界大戦の結果を差し置いて。

 

そもそも高校野球に至っては、アマチュアの高校生の全国大会にも関わらず、全試合が試合開始から試合終了までNHKで放送される。

 

日本スポーツにおける野球の存在はそれほどまでに特別なものだ。

 

実際今でも他のスポーツ界が喉から手が出るほど欲しい逸材が、野球の道を選ぶ。

 

2016のドラフト会議で、東北楽天ゴールデンイーグルスにドラフト1位指名された藤平尚真選手。

藤平選手は中学3年生の時に、陸上の走り高跳びジュニアオリンピック優勝。

 

佐野日大中央大学で活躍する五十幡亮汰選手。

五十幡選手は中学3年時の13年全日本中学校陸上競技選手権大会に出場。

サニブラウン・ハキームを退けて、100メートル、200メートルで2冠を達成。

 

現在日本一注目されている高校生、早稲田実業・清宮幸太郎選手の父はラグビー界のレジェンド・清宮克幸氏。

小学4年生まではラグビーと野球の二競技を行っていたが、野球に魅了されて野球の道を選んだ。

 

このようにスポーツ界の逸材は現在でも野球界に流れている。

 

ただ、この流れがいつまでも続くとは限らない。

現に最近のアンケートでは、他のスポーツが野球を押しのけて上位にランクインすることがある。

 

Q.自分の子どもに、どんなスポーツを習わせたい?(複数回答)
1位:水泳 38.5%
2位:サッカー 9.9%
3位:野球 9.6%
4位:ダンス 7.7%
5位:空手 7.2%
6位:バレエ 5.0%
7位:テニス 4.8%
8位:体操 4.6%
9位:バスケ 4.1%
10位:剣道 3.8%

引用:SUUMO調べ、子どもに習わせたいスポーツランキング3位野球・2位サッカー・1位は・・・ | スーモジャーナル - 住まい・暮らしのニュース・コラムサイト

 

2012年にバンダイが行った「お子様の好きなスポーツは何ですか?」 というアンケートでも、総合第 1 位が「サッカー」34.3%、 「野球」が総合第 3 位、全体の 11.1%。

※参考:http://www.bandai.co.jp/kodomo/pdf/question205.pdf

 

今や野球一強の時代は終わりを迎えつつある。

サッカー以外にも、平成20年から義務教育課程の必修となった武道・ダンスがランクイン。

また、これまで中々世界で勝てなかった個人競技のゴルフ・松山英樹、テニス・錦織圭フィギュアスケート羽生結弦、体操・内村航平といった逸材が、子供たちの憧れの対象になっている。

 

これからはますますスポーツ人材の分散化が顕著になっていく。

野球は人気だから子供たちが選んでくれるなどと、ふんぞり返っていたらいつか見向きされなくなる時代がきてもおかしくない。  

時代遅れの野球界 日本の野球界の未来は明るいか

人材が取られるのは国内の他スポーツだけではない。

 

21世紀の日本球界は海の向こうアメリカへの人材流出が加速している。

イチロー松井秀喜の二大スターのメジャー成功を皮切りに、続々と日本のスター選手がメジャーの門をたたいた。

 

松井稼頭央井口忠仁城島健司ダルビッシュ有田中将大前田健太...

 

数え切れない数のスター選手がアメリカに渡った。

NPB経由メジャー行きは、日本人野球選手にとって一つの既定路線になりつつあった。

 

しかし、人材流出に頭を悩ませる日本球界に、衝撃が走ったのは2008年。

2008年の都市対抗野球でMVPにあたる橋戸賞を受賞した、新日本石油ENEOSの右腕エース田澤純一選手が、日本球団からのドラフトを拒否。

直接MLB球団と契約する意向を表明したのだ。

 

マチュアトップ選手にとって、NPBが目指すべき最終ゴールでなくなってしまったのだ。

事態を重く見た日本球界は、日本のプロ野球のドラフト指名を拒否して海外のプロ球団と契約した選手は、当該球団を退団した後も一定期間(大卒・社会人は2年間、高卒選手は3年間)はNPB所属球団と契約できないとするルール(いわゆる田澤ルール)が設けた。

 

マチュア選手への牽制ともいえる、この前衛的な処置には批判の声が上がった。

だが、もしこの施策をとっていなければ、もっと多くのトップアマがメジャー挑戦をした可能性もある。 

日本球界で実績を残した選手ならまだしも、まだなんの実績もない選手にとって、もし失敗すれば、3年間日本球界に復帰できないのはかなりリスクの高い選択だ。

 

ただ、そんなことを恐れぬ若者が、メジャー志向を持ってしまった。

 

田澤問題に揺れた翌2009年。

甲子園を沸かせた花巻東高校のエース・菊池雄星(現埼玉西武ライオンズ)が直接メジャー球団との契約を匂わせた。

最終的に、日本球界でのプレーを選択したが、それを発表した際の彼の大粒の涙はとてもこれから”栄光”のドラフト1位が待ち受けている選手の表情ではなかった。

 

その3年後の2012年。

またも花巻東高校の怪物・大谷翔平選手がメジャーリーグ挑戦の意向を表明。

しかも、菊池選手の時以上に意志は固かった。

北海道日本ハムファイターズがドラフトで大谷を1巡目で単独指名した後も、アメリカでやりたい思いは変わらないと発言。

日本ハムとの交渉を重ね、最終的には日本球界のプレーを選んだが、限りなく日本のアマトップ選手が直接メジャー挑戦しようとした例である。

  

このままでは、いつ日本人のトップアマ選手が直接海を渡ってもおかしくない。

 

メジャーに挑戦する選手をまるで裏切り者のように扱う人もまだ日本球界には存在する。
本来アスリートがより高いレベルに挑戦するのは至極当然のこと。

それに対して、日本球界では具体的な策もこうじられるまま、田澤ルールだけが残っている。

 

 

他のスポーツではテニス、ゴルフ、サッカー、体操、フィギュアスケート...

多くのスポーツでアスリートがグローバルな活躍をする中、野球界だけその道を閉ざそうとする。

 

本来は自国のリーグをもっと魅力があるものにする、日米の選手・球団双方にとってよりよい移籍ルールを設けるなど、善処策を講じなければいけない。 

 

こんな状況を受けて、子どもたちがいつまでも野球を選択してくれるとは私は思えない。

今までは野球が好きだった世代が親なので、子どもたちに野球を選択させたケースも多かった。

しかし、これからは様々なスポーツの魅力を知る世代が親になっていく。

そんな状況下で、旧態依然とした日本球界の体質を変えていかなければ、 プロ野球どころか、甲子園を志す子どもたちは減少していく。

 

体罰問題、プロアマ規定の緩和、女性野球部員甲子園出場、国際化...

様々な問題を解決して、より魅力的な野球界を作っていかなければ、楽しい甲子園をいつか見られなくなる日がくる。 

 

甲子園が日本の夏の風物詩でなくなる日はそう遠くないかもしれない。

まとめ

子供は世の宝。

 

高校野球は野球以外にもたくさんの素晴らしい面がある。

試合に出場している選手以外の部員や生徒などが、必死になって応援する姿は非常に美しい。

 

子どもたちが全力で頑張る姿勢が大人たちの胸を打って、ここまで大人気のコンテンツとなってきた。

しかし、いつまでも甲子園が盛り上がるとは限らない。

いつ子どもたちにそっぽ向かれてもおかしくない。

 

子どもたちが今まで大人たちを楽しませてきたのなら、今度は大人たちが子どもたちに恩返しをする時がきたのではないか。

それなしでは甲子園の終焉は近い。


それでは、さようなら!

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