死ぬまで生きる問題

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加害者意識のない児童虐待 映画『クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃』【ネタバレ感想】

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夢、友情、親子の絆、児童虐待...

 

今作のクレヨンしんちゃん映画は大移動や大冒険はありません。

ひたすら春日部市民の夢の中を行き来するだけの世界観。

 

しかし、描かれたテーマは非常に重い内容。

これだけの重いテーマを描けるのはクレヨンしんちゃんというギャグアニメだからこそ。

今まで子どもに見せたくないアニメとして位置づけられていたクレヨンしんちゃんが「児童虐待」に対してメッセージを送るというシュールな反撃

 

子どものためだとか言ってるその行動こそが子どものためになってないんじゃない!?」という強烈な皮肉が込められています。

 

それが今回ご紹介する『クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃』です。

 

 

 『クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃』とは

概要

2016年4月16日に公開された『クレヨンしんちゃん』劇場映画24作目。

興行収入は歴代3位の21.1億円。

 

脚本は高橋とお笑い芸人としては初の劇団ひとりとの共同執筆で、劇団ひとりは「ファンも多い作品ですから、プレッシャーも大きかったですが、世界観を壊さないように、かといって今までと同じにならないよう、スタッフの方々と何度も打ち合わせを繰り返し、7、8カ月ほどかけて推敲を重ねました」と明かしている。

あらすじ

ある日、巨大な魚に呑み込まれる夢を見たのをきっかけに春日部市民たちは夢の中で巨大魚の体内にある不思議な世界「ユメミーワールド」に迷い込む。

 

その世界ではやりたい事が自由にできるということで市民たちは自分の夢に浸っていくが、その中で大人たちは楽しい夢を奪われて魚の体内に放り出されてしまう。

 

魚の体外は地獄のような世界で次々と現れる恐ろしい出来事=悪夢にうなされた大人たちは次第に元気を無くし、日が経つにつれて子供までもが夢を奪われて悪夢ばかり見るようになってしまう。

 

それに気づいた野原しんのすけ達カスカベ防衛隊は原因を探るため、悪夢のせいで元気を無くした佐藤マサオの代役として春日部に引っ越してきた少女・貫庭玉サキを仲間に加えて夢の中に入り、その原因がサキの父親・貫庭玉夢彦であることを突き止める。

 

夢彦は悪夢しか見られない貫庭玉サキのために人々の夢を操っては楽しい夢を奪い取り、そのパワーで貫庭玉サキの悪夢を中和していた。

 

風間トオル、桜田ネネ、ボーちゃんも悪夢を見るようになる中、真相を知ったしんのすけはサキの幸せのためにサキの悪夢を獏に食べさせるという作戦を考え、野原一家は揃って夢の中へ入っていく。

引用:クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃 - Wikipedia 

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緻密なストーリーと脚本 二回目以降が絶対面白い作品

 この作品は前半の発言が後半に回収されるシーンが非常に多いです。

また、サキとしんのすけのそれぞれの家庭での食事のシーンの対比などで二人の状況の違いを見せたりするなど非常に凝った作りが特徴です。

 

エンドロールでも本編で見ている夢と絆が深まってからの夢が異なって描かれていたりします。

一種の宝探し感があって非常に面白いです。

 

近年のクレヨンしんちゃん映画でここまで前半と後半でストーリーが繋がっているのは『B級グルメ』以来ではないでしょうか。

 

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今回のヒロインサキちゃんが冒頭しんのすけを突き倒したシーンが意味するもの。

 

後になぜ彼女がああまでして「お馬鹿」を嫌っているのかが重要なシーンで回収されます。

 

その他にもいくつも伏線が張られていますので、その導線を探すだけでも十分楽しめます。

 

個人的に一番好きなシーンは悪夢のシーンです。

 

悪夢=自分が恐れるもの。

 

それぞれのキャラクターにとって何が恐れることなのか。

 

私は風間君とひろしの悪夢が好きです。

特にひろしは『ロボとーちゃん』でも恐れたあるものを失うことに恐れを感じます。

 

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日本のお父さんなら同感すること間違いなしなシーンです。

 

テーマは友情、家族愛、そして児童虐待

この作品のメインテーマは3つ。

  • 友情
  • 家族愛
  • 児童虐待

 

中でも一番重要なテーマが児童虐待です。

その原因が家族愛であり、それを助ける要因となるのが友情であり、家族愛になるのです。

 

先に友情から触れると今回はクレヨンしんちゃん映画史上最もしんのすけが男前に描かれています。

 

  • サキちゃんがいじめっ子達に追いかけられているのを助ける
  • 風間くんがサキちゃんを疑っているときに否定
  • 一人で自分の内側に閉じこもるサキちゃんは「サキちゃんが、またひとりぼっちになっちゃうから」と言う
  • 夢のなかでサキちゃんを助ける

 

これ以外にもあげたらキリがないほど名シーンが多いです。

 

とにかくカッコイイ!

 

ここまで直接的にしんのすけが人を守ってあげたケースって実はかなり珍しい。

私個人の感想としては劇場版で一番カッコイイしんのすけが見られます。

 

もちろん、おケツ出したり、中年みたいなスケベな夢を見てたりいつものおバカな要素も全開。

それでいて、カッコイイという無敵な姿が描かれています。

そのバランスが絶妙でした。

 

不思議と感動おし路線を感じなかったのはこのしんのすけの存在が大きいです。

 

そして、今作ではネネちゃんが主役級の活躍をします。

孤立しているサキちゃんをかすかべ防衛隊に引き入れたり、最後までサキちゃんを見捨てなかったり。

 

今までのクレヨンしんちゃんでは中々描かれなかった女性の友情を描いています。

『オラの花嫁』では「女の友情は儚いもの」と言っていたネネちゃんはどこへやら。

 

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熱い友情を見せてくれます。

友達に裏切られてもそれを受け入れる

これは『スパイ大作戦』でしんのすけが見せた行動です。

 

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かすかべ防衛隊がなぜ仲良しなのか。

その要因の一つに友達のミスを受け入れる姿勢が大きいです。

彼らとていつも仲良しではありません。

それぞれが自分のエゴに走る時があります。

 

しかし、そんなことが起こっても彼らは最終的に仲直りします。

映画版で一番それが描かれたのは『B級グルメ』のまさお君のビスケット。

 

かすかべ防衛隊が愛されるのは友達のミスを受け入れる姿勢でしょう。

 

この”受け入れる”というのは今作の隠れテーマでもあります。

 

受け入れる姿勢がサキが悪夢から解放されるヒントになっているのもまたこの映画の脚本が優れているところ。

 

最後サキを助けるために「友情で繋がっているからサキの夢の中に入れる」と言って彼らが助けに行くシーン。

理屈を越えた友情の素晴らしさ、かすかべ防衛隊のパワーが見事に描かれています。

子どものためって何? 親御さんに是非見て欲しい作品

 この作品の一番のメインテーマ「児童虐待」。

非常に重たいテーマです。

 

しかも、直接的な暴力で描いているわけではなく、「子を想うがゆえに生まれた児童虐待」というのが今作で描かれた児童虐待の厄介なところ。

 

サキを夢から守ろうとすればするほど、サキは苦しんでいく。

 

「娘のためなら他人がどうなってもいい!」

 

と叫ぶ父夢彦。

 

彼はあくまで娘サキのためを想って全て行動しています。

しかし、それが結果的にサキを苦しめている。とは父夢彦は気づいていないのです。

 

この親と子の行き違いこそ「児童虐待」の恐ろしさなのです。

同時にどの家庭でも児童虐待が起こり得ることをこの作品は描いているのです。

 

そういう時に非常に重要な役割を果たすのが、野原一家の存在です。

『スパイ大作戦』でもひろしが

 

「レモンちゃんは物分かりがよすぎる! 子どもはもっとわがまま言って親に甘えるものだ!」

 

と言ってレモンに自分の想いを親に伝えることの大切さをときます。

 

 レモンと同様サキも親に迷惑をかけたくないと親を庇ってしまいます。

 

「もうみんなに迷惑をかけたくない、でも、パパが困るのもイヤなの」

 

これは典型的な虐待を受けているこどもの心理

子供は心のどこかで親に捨てられたくない、親に嫌われたくないという想いを秘めています。

特にこのサキのケースのように一人親の場合は依存心が高まります。

結果自分が悪い、自分が悪夢を見るからパパも困っているというふうに自分をせめてしまいます。

 

そんな思考回路こそがサキが悪夢から逃れられない原因を作っているのです。

 

そんなサキを助けたのは母としてみさえ。

今作のみさえは映画史上みさえが最も輝いたシーンかもしれません。

 

かすかべ防衛隊が友情で結ばれていたからこそサキの夢の中に入れたように、みさえもまた親子の愛情で結ばれているからこそしんのすけの夢の中に入れるのです。

 

理屈を越えた愛情の素晴らしさを描いているのです。

 

子どもと同等の精神年齢になってみさえとひろしが夢の中で活躍するシーンがあります。

そんなみさえとひろしを見て夢彦が驚きます。

 

「なぜそこまで出来るのかと」。

 

それはみさえとひろしが子どもの目線に合わせて物事を考えられるからです。

 

大人の理屈で機械を使ってサキを助けようとする夢彦。

理屈そっちのけで、子どもを助けたい一心で奮闘するみさえとひろし。

 

この両者の対比もまたこの作品の非常に面白いシーンです。

 

 

話戻ってみさえはしんのすけの夢を経由して、サキを助けにいきます。

 

親がこどもの心がわからないのと同様、子どもも親の心がわかりません。

サキの母親に対する誤った理解をみさえがそっと解きほぐしてくれます。

 

そして、そこからサキがとったある行動。

これこそが今作の最大のハイライトシーンです。

 

自分は児童虐待していないと思っている親、自分は児童虐待されていないと思っている子ども。 

 

この作品が実際にいるかもしれない児童虐待に気づけていない親子の助けになればいいなと思わされました。

まとめ

 重たいテーマを扱いながらも、しっかりとギャグも交えて面白い。

しかも今回は原点回帰と言わんばかりに子ども置き去りな昭和のギャグが目白押しです。

 

親子で映画鑑賞後に「あれってどういう意味だったの?」と子どもが尋ねて親子の会話が始まるのを狙っているんじゃないかなと邪推してしまいました。

 

この映画のテーマである”児童虐待=親子の行き違い”が起きないために必要なのは会話。

 

そのきっかけには最適な映画がこの作品です。

是非お子さんと一緒に見て欲しい作品です。

 

それでは、さようなら!

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