死ぬまで生きる問題

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友達ならミスを許しあえる 映画『クレヨンしんちゃん ちょー嵐を呼ぶ 金矛の勇者』【ネタバレ感想】

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クレヨンしんちゃんの劇場版で"魔法"といえば「ヘンダーランドの大冒険」がお馴染み。

その時、監督を務めた本郷みつる氏がそれ以来12年ぶりに監督を務めたのが、『クレヨンしんちゃん ちょー嵐を呼ぶ 金矛の勇者』。

 

 

かなり期待して観たのですが、私の感想はいまいちです。

その一番の原因はクレヨンしんちゃんがクレヨンしんちゃんのギャグを否定してしまったからです。

 

全体的に子供の無邪気な一面を否定するようなシーンが目立ちました。

 

魔法という子供が夢見るものを扱った作品で、子供の無邪気さを否定する。

 

かなり矛盾しているのではと私は感じました。  

ちょっと迷走し過ぎではないかとさえ思えました。

 

冒頭からネガティブな話し方になってしまいましたが、早速お話していきます。

 

目次

『クレヨンしんちゃん ちょー嵐を呼ぶ 金矛の勇者』とは

概要

2008年4月19日に公開された『クレヨンしんちゃん』の劇場映画シリーズ第16作目。

 

本作のみ監督がムトウユージから本郷みつるに再度バトンタッチ。

本郷みつるの5作目の監督作品。脚本も本郷が兼ねる。

本郷みつるが劇場版を監督するのは1996年『ヘンダーランドの大冒険』以来で12年ぶりになる。

 

上映時間は93分。興行収入は約12億円。

あらすじ

暗黒世界ドン・クラーイの帝王アセ・ダク・ダークは、人間界を支配しようと企んでいた。

しかし、闇を打ち払う「三つの宝」と「勇者」の伝説を知ったダークは、「三つの宝」の一つである「銅の鐸」を奪取。残る二つの宝「金の矛」と「銀の盾」を奪おうとするが、一足早くダークの企みを知ったある男によって「金の矛」と「銀の盾」は人間界へ送られる。

 

その頃、しんのすけはデパートでアクション仮面の新作のおもちゃ「アクションソード」を買ってもらう。

ところが家に帰って箱を開けてみると、アクションソードはものさしに変わっていた。それから数日後、幼稚園からの帰りにシロにそっくりな黒い犬・クロを拾い、クロをペットとして飼うことにした。

その夜、目を覚ましたしんのすけは突然家を訪ねてきたプリリンというセクシーな女性に出会い、彼女に頼まれて一緒に外出する。

しかし、プリリンの正体は人間界に送り込まれたダークの部下だった。しんのすけはダークの策略にかかり、人間界とドン・クラーイを繋ぐ扉を開いてしまう。

 

翌日、しんのすけが開いてしまった扉から闇が人間界に流れ込み、その影響で野原家に様々な災難が降りかかっていく。

 

そんな時、しんのすけの前にマタ・タミという少女が現れる。

彼はしんのすけが「金の矛」に選ばれた勇者だと告げ、しんのすけを守るためにやってきたのだという。

マタと共にダークと戦う決意をしたしんのすけだったが、マタが現れたことを知ったプリリンが罠を仕掛け…

引用:クレヨンしんちゃん ちょー嵐を呼ぶ 金矛の勇者 - Wikipedia

 


「クレヨンしんちゃん ちょー嵐を呼ぶ 金矛の勇者」 予告編

過去の本郷監督作品をミックスさせたような設定、キャラクター

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本作は魔法、セクシーな敵幹部、夜しか活動出来ない女の子、敵に怯えるしんのすけという、『ヘンダーランドの大冒険』と似た設定が用いられています。

 

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セクシーな敵幹部に誘惑されたしんのすけが、味方の可愛い女の子の忠告を聞かないところまで一緒です。

 

その他にも、しんのすけがアクション仮面グッズを買ったことで選ばれし物になる、通常世界と異世界を行き来する、のは『アクション仮面VSハイグレ魔王』。

 

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 伝説の勇士(勇者)の言い伝え、異世界に浸食されて周りの人が変わっていくのは『雲黒斎の野望』。

 

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など、過去に本郷氏が監督を務めた作品をミックスさせたような展開になっています。

これを懐かしい・面白いと思うのか、 焼き増し、ネタ切れと思うのかは人それぞれ。

 

個人的にはそれらの要素が上手く組み合わさっていれば賛成です。

しかし、結果的にはそれらの要素を上手く融合させることは出来ていないように感じました。

 

というのもそれぞれの設定が、オリジナルよりも薄まっているように感じたからです。

 

例えば、トッペマと今回のマタを比べた時に、背景設定においてトッペマの方が明確に戦う意図が伝わってきます。

 

本当に敵を倒したいんだなと。

 

しかし、今回のマタに関しては『マタの父が敵に殺された』ということは説明されていますが、そこに心を動かされるシーンがないのです。

ただ”父が殺された”という設定があれば、戦う動機になるだろうといういささか乱暴な展開に感じました。

 

例えば、冒頭マタの父が戦闘で敗れるシーンがあるのですが、それだけでは読者に感情移入させることは出来ません。

 

そこにマタと父をつなげる何かがなくては。

 

例えば、父との回想シーンなどを入れるなりすれば、決戦に臨む覚悟や使命感が伝わってくきます。

『雲黒斎の野望』で吹雪丸が”父母の敵を討つ”という背景を、回想シーンを用いながら、描いたような繊細さを視聴者に見せるべきだったでしょう。

 

ただ、伝説にのっとってしんのすけをサポートするという展開は『ぶりぶり王国の秘宝』のスンノケシ王子程度の存在にしかならず、残念でした。

 

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過去の素晴らしい要素を混ぜ合わせた結果、薄まってしまった感が否めないです。

子供が笑うとこあったか? 本来のギャグ展開はどこへやら

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この作品で私が最も残念だったのが、ギャグシーンがほとんどなかったことです。

それどころか、しんのすけという存在を家族、先生、友達がよってたかって否定していました。

私はこれほどクレヨンしんちゃんを否定してしまった作品はないと感じました。

 

それが最も象徴されるのは、冒頭話したケツだけ星人を周りが否定するシーン。

 

「それ面白くない」と。

 

もちろんこの動きを面白くないと思う人がいてもいいです。

でも、クレヨンしんちゃんで大事なのは、「周りがわかってくれなくても一部が笑ってくれればいい」という突き進んだ笑いにあると私は思うのです。

 

そこを、観客に向けて「わかってます、わかってます。もう古いですよね? わかってるんです」と作り手が迎合している気がします。

 

昔から楽しんでいた人からすると、凄く裏切られた感があります。

 

「もはやほとんどCDはヒットしてないけど、昔から毎年楽しみにしてる人がいるからという理由で出演していた演歌歌手を紅白に出演させない」くらいの無慈悲さがあります。

 

今までクレヨンしんちゃんが大切にしていたものが、なくなってしまった気がします。

 

また、この作品では大人のしんのすけに対する態度が異常に冷たいです。

魔法や敵との遭遇を語るしんのすけを信じないなどのシーンが異常に冷たすぎます。

 

非日常の出来事を大人が信じないことという描写は他作品にもありました。

しかし、根底にはしんのすけに向き合あおうとする大人の姿勢がありました。

ただ、今回はバカにしている、邪見に扱いすぎです。

やさしい園長先生が子供の心を全く理解していないシーンを見たときは目を疑いました。

 

この作品は最終的に野原一家が協力して戦いますが、かなり取って付けたような展開です。

基本的にはしんのすけだけで戦っているように見えました。

夢の話をしても誰もわかってくれない、信じてくれない様子を見ていると、しんのすけが孤独に見えて、とても不憫に思えてしまいました。

 

人とは変わったことをするしんのすけに何だかんだみんなが振り回されることで暖かみを与えるのがクレヨンしんちゃんの良いところなのではないでしょう。

 

この作品の描き方ではしんのすけが周りから”単なる危ない奴”にしか思われていないように感じてしまいました。

 

この作品が子供向けであることを考えると、果たしてこの作品を観た子供たちはどう思うか。

笑いもない、夢を語ると信じてもらえない、仕事はつらいことばかり、家事は大変。

 

もちろん、そういことは生きている中で誰にでもあるでしょう。

しかし、そういうことを笑い飛ばすためにクレヨンしんちゃんはあるのではないでしょうか。

 

『暗黒タマタマ大追跡』や『ヤキニクロード』のように笑える作品はもちろん、

 

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シリアスな『ヘンダーランド』ですら、笑えるシーンはありました。

 

今作品ではギリギリ野原家家族会議のシーンくらいでしょう。

 

誰に向けた作品なのか、本来のクレヨンしんちゃんの良さが全く見えてこなかった作品でした。

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まとめ

初めてクレヨンしんちゃんをみる人には普通の作品だと思います。

ただ、過去の作品を知っている人からすると物足りない作品です。

 

そこを切り離して考えれば、悪くない作品。

 

というのが私のこの作品への感想です。

 

この作品と同時期の作品をみていると、『ヤキニクロード』のおバカさ加減が私の中で日に日に高まっています。 

 

それでは、さようなら!

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