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映画クレヨンしんちゃん転換点!?『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶジャングル』しんのすけがヒーローを越えた瞬間【ネタバレ感想】

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映画クレヨンしんちゃんの転換点となった作品は何か?

 

そう聞かれたら多くの人は『泣けるクレヨンしんちゃん映画』という代名詞を確立した『オトナ帝国』、『戦国大合戦』を挙げるだろう。

 

しかし、実はそれらよりも前の作品にクレヨンしんちゃん映画の評価、そして方針を変えた映画がある。

 

それが今回紹介する『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶジャングル』だ。

 

興行面、ストーリー上のメインキャラクター設定、カスカベ防衛隊の活躍がなど、多くの面で後のクレヨンしんちゃん映画に多大な影響を与えた本作。

 

また「ヒーローとは悪とは何か、野原しんのすけの道徳観の根底にあるのは何か?」

そういった点に光を当てた、まさにクレヨンしんちゃん映画が再出発した作品とも言える。

 

後のクレヨンしんちゃん映画に多大な影響を与えた今作について、早速話を進めていく。

『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶジャングル』とは

概要

2000年4月22日に公開された『クレヨンしんちゃん』の劇場映画シリーズ第8作目。

上映時間は88分。

興行収入は約11億円。

あらすじ

野原しんのすけや幼稚園の子供たちも夢中になっている『アクション仮面』の映画最新作「南海ミレニアムウォーズ」が公開される。

 

アクション仮面の敗北を示唆する予告に野原しんのすけはどぎまぎし、野原一家・風間トオルと風間トオルのママ・桜田ネネと桜田ネネのママ・佐藤マサオと佐藤マサオのママ・ボーちゃん(いつも通り親は不在)は、映画の完成を記念した豪華客船ツアーに参加し、船の旅を満喫する。


その一方、いつもの春日部はしんのすけ達がいなくて一部はのんびりしたり、少し寂しかったりする人達もいたのであった。


そして夜。待ちに待った船上試写会が始まった。だが、その試写会の途中で上映が突然ストップ。

謎のサル軍団が現れてツアーに参加している全ての大人達とアクション仮面役の郷剛太郎を南の島へ拉致し、子供達だけがとり残されてしまった。

 

野原しんのすけ・風間トオル・桜田ネネ・佐藤マサオ・ボーちゃんの5人から成る"かすかべ防衛隊"は、大人達を助けに行こうと、豪華客船に置いてあった水上オートバイを暴走させ、南の島へと上陸。さらに、ひまわりとシロも彼らを追って船を飛び出す。

 

その島を支配していたのは、サルたちを率いるパラダイスキング。

彼は自らの野望のため、大人達を奴隷にし、子供たちを洗脳するためにアクション仮面を打ち倒そうとしていた。


かすかべ防衛隊は、冒険の途中にバナナを食べて休憩をしていたが、そこにサル軍団が現れた。

かすかべ防衛隊は攻撃を仕掛けたり、逃げたりするが、しんのすけとひまわりを除く全員とシロが捕まり、連れ去られてしまう果たして、野原兄妹は両親と大人達とかすかべ防衛隊とシロ、そしてアクション仮面をお助けすることができるのだろうか?

引用:クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶジャングル - Wikipedia

 


「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶジャングル」 予告編

その他

劇中劇『映画アクション仮面・南海ミレニアムウォーズ』は、SML映画社によって制作、配給されているが、その屋号とロゴマークは前々作『クレヨンしんちゃん 電撃!ブタのヒヅメ大作戦』に登場した秘密組織SMLのものと同じである。

 

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全てはここから再出発 方向転換・興行収入から見る劇場版の方向性

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この作品がなかったら後のクレヨンしんちゃん映画はなかったかもしれない。

そう言っていいほど、この作品が後の作品に与えた影響は大きい。

 

【興行収入】

劇場映画シリーズの興行収入は第一作から下降傾向にあったがこの作品で持ち上がり、縁起をかついで以降、17作目・21作目以降の作品を除く全てのタイトルに「~を呼ぶ」のフレーズが付けられるようになった。

引用:クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶジャングル - Wikipedia

 

【方向転換】

興行収入が減り続けていたため、「しんのすけが主人公としてメインで活躍する作品を作る」という方向で制作されたことが、監督の原恵一やプロデューサーの茂木仁史によって証言されている。

そのため、本作はしんのすけとひまわりが中心のストーリーとなっている。

引用:同上

 

これまで『クレヨンしんちゃん』の映画シリーズの前7作をこのブログで紹介してきた。

内容的には非常に面白い作品ばかりだ。

 

しかし、興行収入だけでみれば、それらの作品は成功したとは言い難い

 

見るものからすれば「面白いなら良いじゃないか」と言いたくなるが、製作者としては興行的に優れない作品を作り続けるということは一つのビジネスとして許されない。

 

そこで興行成績を意識して作られたのがこの作品。

この作品で結果を残していなければ『クレヨンしんちゃん』の劇場映画シリーズ自体が打ち切りになっていた可能性すらある

 

そういった意味では、この作品がヒットしたことは本当に重要な意味を持つ。

 

そして、内容的な変化としては前述した「しんのすけが主人公としてメインで活躍する作品を作る」という方向転換。

 

それまでの作品はしんのすけはもちろんだが、他の野原一家、劇場版オリジナルのキャラクターが活躍して敵に勝利する展開が目立った。

それまでの7作品でしんのすけ一人で敵を倒したと言えるのは『雲黒斎の野望』くらい。

 

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 ただこれは変身した大人しんちゃんで勝ったわけで、最終的にはみさえ&ひろしたちと共にロボットを使って勝利している。

 

最も対照的なのは、劇場版第一作『アクション仮面VSハイグレ魔王』との違い。

 

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 まず注目すべきは本作とのタイトルの違い

今作はアクション仮面がパラダイスキングと戦うにも関わらず、タイトルは『アクション仮面VSパラダイスキング』となっていない。

 

そして、映画のポスターを比較しても『アクション仮面VSハイグレ魔王』ではアクション仮面とハイグレ魔王が描かれているのとは異なり、今作はしんのすけとひまわりのみ。

 

 

アクション仮面という存在の変更も注目したいポイント。

 

第1作『アクション仮面VSハイグレ魔王』とはアクション仮面の位置づけが異なっており、第1作が「パラレルワールドのヒーロー」という描写だったのに対し、本作では「俳優が演じる特撮キャラクター」という現実的な描写になっている。

引用:同上

 

 異世界の超人から現実世界の特撮ヒーローへの変更

これが本作では非常に重要なキーになる。

 

ヒーローを信じるしんのすけと現実的な大人たち。

何かを信じることで強くなるもの(しんのすけ)と誰かから信じてもらえるから強くなれる(アクション仮面)。

 

信者を増やしたくてたまらない悪のパラダイスキングとのコンストラクションなど非常に重要な意味を持ってくる設定変更と言える。

 

 特に信じたことを突き進むしんのすけという設定は、これまでの作品ではあまり描かれてこなかった。

しかし、この作品を転換点として後の作品では信じたものに突き進む『強い』しんのすけが描かれるようになった。

 

それは同時に私が好きな原作のクレヨンしんちゃんと劇場版のクレヨンしんちゃんが別物になってしまう瞬間でもある。

 

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ここでその是非を問うつもりはない。

ただ、この作品が劇場版クレヨンしんちゃんに多大な影響を与えたことは間違いないだろう。 

かすかべ防衛隊大活躍 前半パート彩るギャグのオンパレード

前半は大人の集団失踪というシリアスな展開から一転、たくましい5歳児集団かすかべ防衛隊が大活躍する。

 

 『ブタのヒヅメ』で活躍した彼らが今作では前半のほぼ全部に登場。

しかも今回は大人抜き。

 

そこで繰り広げるドタバタ劇は後のクレヨンしんちゃん映画の代名詞的な存在になる。

 

先頭に立ってみんなを仕切るけどしんのすけに足を引っ張られる風間君、

誰よりも落ち着いていて着眼点が面白いボーちゃん、

うろたえるみんなを半ば強引に引っ張るネネちゃん、

そして劇場版最大の面白ポイントの一つが覚醒するマサオ君(笑)

 

「前半かすかべ防衛隊が活躍して映画を盛り上げる、後半はしんのすけ及び野原一家で悪を倒す」という黄金のパターンが出来たのはこの作品からだ。

 

 そういった意味でも、この作品は後の劇場版に影響を与えた作品と言える。

野原しんのすけのヒーロー観と道徳観

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前半のかすかべ防衛隊の活躍から一転。

後半は大人たちの活躍、そしてアクション仮面VSパラダイスキングの戦いにシフトしていく。

 

ここで注目したいのは野原しんのすけのヒーロー観と道徳観である。

ヒーローを信じるしんのすけ

普段はどこかませたしんのすけだが、ことアクション仮面となるとしんのすけは人一倍純粋な子供になる。

 

アクション仮面は実在しないと考えている大人はもちろん、劇中劇でピンチになるアクション仮面が負けそうだと発言するマサオ君に対して、絶対に負けないと発言するしんのすけ。

彼の心の中には絶対的なヒーローアクション仮面が存在するのだ。

 

象徴的なのはパラダイスキングに苦闘するアクション仮面を見た時のしんのすけ。 

 

郷剛太郎:「…やぁ、しんのすけくん。…ごめんよ、格好悪くて」
パラダイスキング:「どうだ、アクション仮面よりパラダイスキングのほうがカッコイイだろ?!俺のファンにならねえか?」
しんのすけ:「やだ!!オラ、正義の味方のアクション仮面が好きだもん!
正義の味方はカッコイイんだぞ、強いんだぞ!悪者なんかに負けないんだぞ!今はやられててもぜったい最後は勝つぞ!お前みたいな爆発頭に、アクション仮面が負けるわけないッ!!」

 

涙をうるませながらも、アクション仮面を信じるしんのすけの涙はその他の作品で見せる悲しみの涙とは一線を画す。

 

強いて類似した涙をあげるなら『オトナ帝国』で見せる涙だろうが、微妙に異なる。 

 

今作ではそのアクション仮面はあくまで特撮ヒーローとして描かれるわけだが、しんのすけがアクション仮面を信じる気持ちは変わらない。

 

 再びパラダイスキング戦で苦戦するアクション仮面を見てひろしが「ダメだ」と発言した際にしんのすけは「ダメじゃないぞ お馬鹿!父ちゃんも母ちゃんも、アクション仮面を応援しろ!!」と発言。

 

そこから大人たちも涙ながらに応援。

 

 その応援を力に変えてアクション仮面が覚醒。

 

 無数の猿たちを従えながらも孤独を感じてきた悪のパラダイスキングと、みんなに愛されて信じて応援してもらえる正義のヒーローアクション仮面のコントラスト。

 

ここがこの作品最大のハイライトシーンと言えるだろう。

アクション仮面が教えてくれら道徳観はしんのすけの心の中に息づいている

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この作品で思わず胸を打たれるシーンはしんのすけが猿たちとパラダイスキングに優しさを見せるシーン。

 

 猿たちへの復讐に燃える大人たち。

実は一度しんのすけとひまわりが猿に襲われた際に、泣くひまわりを見て猿たちが撤退するシーンがある。

 

つまり、猿たちは根っからの悪いやつらではなく、パラダイスキングの指示を受けていただけだったのだ。

 

そのことが伏線となって、猿に復讐をしようとする大人たちを見てひまわりが大泣きしてしまうのだ。

 

その時、しんのすけが「もう悪いことはしないように」といって猿たちを解放してあげる。

それを見た大人たちは、猿が悪かったのではなく悪の元凶はパラダイスキングであることを悟るのだ。

 

そして、その後パラダイスキングとの二度目の戦いを制した際にもしんのすけの優しがが見られる。

空中戦を制して船に逃げようとする際に、しんのすけはアクション仮面にパラダイスキングも連れていくと提案。

 

結果パラダイスキングも救助して見事船に戻る。

  

悪い奴でも見捨てない。

 

この道徳観は「ブタのヒヅメ」にも登場。

しかし、その際はしんのすけではない正義の組織SMLのメンバーのキャラクターが悪を見捨ていないことを提案。

 

今回はしんのすけが悪を見捨てないことを提案。

 

ここに今作のテーマである、『しんのすけが主役』というコンセプトが見えてくるのだ。

 

「悪を見捨てない、例え悪が相手でも卑怯なことはしない」という道徳観をしんのすけに最初に教えたのはアクション仮面なのだ。

 

劇場版第一作で塔のてっぺんから落ちかけたハイグレ魔王をアクション仮面が助けるシーンがある。

 

この際しんのすけが「どうして助けるの?そいつ悪いやつだよ?」と尋ねるとアクション仮面はこう答える。

 

「剣で勝負して勝つって約束しただろ? こんな風に勝ったって男らしくないじゃないか」と。

 

例え悪が相手でも正々堂々と思いやりをもつ。

この道徳観はしんのすけの中に息づいているのだ。

 

強さだけでなく、正しい道徳観も併せ持つ最強助っ人キャラなのだ。

 

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アクション仮面の寛大さが最高にカッコ良い

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実は私がこの映画で一番好きなシーンは最後の最後にある。

それはアクション仮面の映画の続きを観るシーンだ。

 

最終的にアクション仮面が勝って喜ぶしんのすけ。

感想をアクション仮面に伝えるしんのすけが「やっぱりアクション仮面は無敵だぞ! でも、今回はオラが強かったけどね」という。

 

実際今回パラダイスキングに勝てた要因はしんのすけの活躍によるところが大きい。

 

落ち込んで苦笑いするアクション仮面だが、すぐにアクション仮面は「その通り!!」と笑顔で答える。

 

それを見たみさえとひろしが笑顔になるシーンがとても印象的だ。

 

そしてひろしが最後にしんのすけにこう言うのだ。

ひろし:「しんのすけ! アクション仮面みたいに強くて優しい大人になれよ!」

 

自分の強さを誇示しようとしたパラダイスキングと人の頑張りを素直に認めてあげられる優しいアクション仮面。

 

そんな二人の大人を見たひろしが、しんのすけには優しい人になって欲しいと願うシーンは親の子を想う気持ちが表された非常に感動的なシーンの一つだ。 

 

まとめ

相変わらずのおバカなギャグを残しつつもヒーロー観、道徳観、優しさも描く名作。

 

単なるヒーローものとしてだけではない素晴らしさがある本作は親子で観てもよし、大人が一人で少年時代にヒーローに憧れた時代を懐かしむでもよしと様々な楽しみ方がある作品です。

 

是非皆さんも機会があれば見てみてください。

 

それでは、さようなら!

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