2016年シーズン、投手・指名打者部門でベストナインに輝くという前例のない活躍でチームを日本一に導いた日本ハムファイターズの大谷翔平選手。
投打共に規定投球回数・打席には届かなかったため、参考記録どまりにはなってしまうがその残した成績は球界トップクラスのものだった。
侍ジャパンでも規格外の活躍が期待される大谷翔平選手について今日は語っていく。
目次
大谷翔平選手とは
2012年のドラフト会議で日本ハムファイターズから1巡目指名を受けて入団。
高校時代は投打ともに高い素質を見せていたため、その起用法に注目が集まったが日本ハムファイターズとは投手と野手を同時に挑戦する二刀流起用する育成計画を発表した。
ルーキーイヤーとなった2013年は投手登録のま打者として開幕一軍入り。開幕戦で8番・右翼手でスタメン出場を果たす。
その後は下位打線で出場しながら二軍の試合で投手として調整。
5月23日の東京ヤクルトスワローズ戦にで投手としてプロ初出場。
その後は交流戦で五番・投手で先発出場するなど二刀流選手としての出場を続けた。
最終的には投手としては13試合に登板し、3勝無敗、防御率4.23を記録した。打者としては77試合に出場し、打率.238、3本塁打、20打点を記録した。
2014年は周囲の想像以上の進化を見せる。
二度目の出場となったオールスターゲームで史上最速の162km/hを計測。
NPB史上初となる「同一シーズンで二桁勝利と二桁本塁打」を達成。
公式戦で自身初となる球速162km/hを計測し、NPBシーズン公式戦記録に並んだ。
最終的には投手としては24試合に登板し、11勝4敗、防御率2.61を記録した。打者としては86試合に出場し、打率.274、10本塁打、31打点を記録した。
12月には高卒3年目選手では松坂大輔選手以来史上2人目となる年俸1億円(推定)で契約を更改した。
2015年は投手としての進化を加速させるシーズンとなった。
投手としての成績でほとんどを自己最高いえる成績を残す。15勝で最多勝、防御率2.24で最優秀防御率、勝率.750で最高勝率となり、投手三冠に輝いた。
一方野手としては年間通して低迷から抜け出せず、打率.202に終わった。
2016年は投打ともにハイレベルな成績を残す。
球速163km/hを計測し、自身の持つNPB公式戦最速記録を更新。
7月3日、ソフトバンク戦(ヤフオク)では自身初となる1番・投手として先発して、打者としては初球先頭打者本塁打を放ち、投手としては8回10奪三振で抑え、自らで取った1点を守り切り8勝目(4敗)をあげる活躍をした。
6月は4勝0敗、奪三振41個、防御率0.29の成績で自身2度目となる月間MVPを獲得した。
9月13日に対オリックス戦で、自身の持つNPB公式戦最速記録を更新する球速164km/hを計測した。9月28日の西武戦(西武ドーム)で9回1安打15奪三振で完封勝利を挙げ、日本ハムの4年ぶりのリーグ優勝達成に貢献。この試合で10勝を挙げ、自身2度目の「同一シーズンで二桁勝利と二桁本塁打」を達成したどころか、NPB史上初の「10勝、100安打、20本塁打」を達成した。
クライマックスシリーズでは非公式記録ながら自身の持つNPB最速記録を更新する球速
165km/hを計測した。
日本シリーズでもサヨナラ安打を放つ活躍をみせ、チームの日本一に大きく貢献した。
個人タイトルこそ逃したものの、投打の活躍が評価され、史上初の投手と指名打者のベストナイン賞をダブル受賞した。
進化した二刀流
2016年シーズンは目覚まし活躍を見せた大谷翔平選手。その活躍の要因を投打にわたってみていく。
一番の得意級はスライダー!?
大谷翔平選手は基本的に4球種で投球を組み立てる。注目されるのは最速165km/hのストレートと140km/h台のフォークボール。しかし、球種配分を見てみるとスライダーが非常に効果的な球種であることが伺える。
投球の23.98%を占めるスライダーの被打率は脅威の0.073。
球種 | 被打率 | 被打数 | 被安打 | 被本 | 被四死 | 奪三振 | 空振率 | 見逃率 |
ストレート | 0.238 | 256 | 61 | 3 | 37 | 73 | 11.41% | 12.74% |
フォーク | 0.170 | 106 | 18 | 1 | 6 | 50 | 27.82% | 7.02% |
スライダー | 0.073 | 110 | 8 | 0 | 2 | 47 | 17.79% | 24.53% |
チェンジアップ | 1.000 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 50.00% | 0.00% |
カーブ | 0.083 | 12 | 1 | 0 | 0 | 4 | 8.79% | 16.48% |
参照:データで楽しむプロ野球(2016年度)
2016年度 大谷 翔平【日本ハム】投手成績詳細(カウント別・球種配分)
球種 | 被打率 | 被打数 | 被安打 | 被本 | 被四死 | 奪三振 | 空振率 | 見逃率 |
ストレート | 0.206 | 286 | 59 | 4 | 35 | 61 | 10.24% | 14.20% |
フォーク | 0.153 | 150 | 23 | 2 | 5 | 83 | 29.92% | 8.07% |
スライダー | 0.173 | 98 | 17 | 1 | 6 | 44 | 12.47% | 24.94% |
カーブ | 0.05 | 20 | 1 | 0 | 0 | 7 | 4.13% | 33.88% |
カットボール | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 100.00% | 0.00% |
参照:データで楽しむプロ野球(2015年度)
私は2016年シーズンに初めて大谷翔平選手の試合を見たのが、6/26の京セラドームで行われたオリックス戦。7回無失点、11奪三振で7勝目を挙げたのだが、この試合で私が非常に印象に残ったのがスライダーの切れだった。
実際2015年と2016年を比較してみると。
【2015年と2016年の比較】
スライダーの投球比率:17.67⇒23.98%
スライダーの被打率:0.173⇒0.073
スライダーの空振り率:12.47%⇒17.79%
スライダーの被本塁打:1⇒0
とスライダーに関する指標が大幅に良化しているのだ。
他の球種はほぼ横ばいであることを見ても彼の今シーズンの飛躍はスライダーにあると言っていいだろう。
150~160km/h台のストレートと140km/h台のフォークボールだけでも厄介なところに
130km/h台の切れ味鋭いスライダーを投げられては打者は手も足もでない。
加えて時折120km/h台のカーブを交えられてはとてもじゃないが打者は対応できないだろう。
ストレートのスピードの進化ばかりが取り上げられるが彼は変化球面でも進化を遂げていたのだ。
3割30本も夢ではない! 打者としても進化の途中
大谷翔平選手の打撃は年々進化を遂げている。
調子を崩した2015年を除いて年々その成績を伸ばしている。
今シーズンは出塁率.416、OPS1.004という破格の成績を残している。規定打席に到達すれば首位打者も狙えるところまで打撃の質を高めているのだ。
二刀流起用という制限の中では打点、本塁打を狙うのは厳しくなるが、ひょっとすると首位打者ならと期待をさせてくれるだけのところまで打撃の質を高めてきている。
その規格外のパワーと確実性、そして日本シリーズでみせた勝負強さを見せられては単純に投手に専念とは言えない魅力を彼は秘めている。
侍ジャパンで期待される役割
3/3のキューバ戦でエースとして登板!
という期待をしていたが残念なニュースが入ってきてしまった。大谷翔平がWBCでの投手出場を断念 出場辞退の可能性も - ライブドアニュース 大谷翔平選手が投手としては今回のWBCに参加しないということなのだ。
昨シーズン痛めた足首の状態が上がらずコンディション調整が難しいことが原因のようだ。
最悪の場合打者としても参加しない可能性があるという非常事態。
打者として参加してくれれば指名打者としての起用が濃厚になる。内川選手との兼ね合いもあるので全試合出場というわけにはいかないかもしれないが、いてくれれば非常に頼もしい選手であることは間違いないだろう。
※追記 残念ながら、2017/2/2に大谷翔平選手のWBC不参加が正式に決定。
大谷がWBC不参加 小久保監督、打者でも断念 :日本経済新聞
選手として大谷翔平選手がいないことももちろん痛いが中心選手のここに来ての不在は今後の戦略や最悪の場合代替選手の選出を含めて侍ジャパンにとって暗い影を落とすことになるだろう。
まとめ
ここに来ての投手としての不参加は少なからずチームに与える影響は大きい。
しかし、これまで不可能と言われたことを可能にしてきた大谷翔平選手ならまた新たな伝説を残してくれる。
足が治れば野手として、もしWBCに間に合わなければシーズンに標準を。
いずれにせよ、今シーズン彼が見せる二刀流の集大成に期待したい。
それでは、さようなら!
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