1/29日に侍ジャパンの最後の最後のメンバーとなる28人目のラストサムライが発表。
28人目の選手は内野手のバックアップ要員の招集が予想された。
代表常連の中島卓也、今宮健太選手らのゴールデングラブ賞受賞者の名前が挙がっていたが、発表されたのは広島東洋カープの田中広輔選手。
予想された他の選手はそれぞれコンディション不良とオフに行った手術の状態を鑑みて辞退になった。
その代わりという形で田中広輔選手が招集されたわけだが、代わりという言葉が失礼なくらいの実力者である。
そこで今日は広島東洋カープ田中広輔選手について語っていく。
目次
田中広輔選手とは
アマチュア時代は東海大相模高、東海大学、JR東日本とアマの名門を渡り歩いた。
高校・大学の同期には巨人菅野智之選手がいた。
2013年のドラフト会議で広島東洋カープから3巡目指名を受けて入団。
ルーキーイヤーの2014年から一軍で試合出場の機会を得る。
本職は遊撃手だが、プロ入り後は三塁手として起用される。
堂林翔太選手が外野手として起用されるようになった夏場から三塁のレギュラーの座を確保。
8月以降は、正遊撃手の梵英心選手のコンディション不良から遊撃手として出番を増やす。
一軍にはほぼフルシーズン帯同。
公式戦110試合の出場で、9本塁打、10盗塁、34打点、打率.292を記録した。
2015年は開幕戦を「8番・遊撃手」としてスタメンに起用された。
レギュラーシーズン通して一軍に帯同し、自身初の規定打席に到達。
打率.274、8本塁打、45打点、OPS.737の成績を残した。
また、リーグ1位の9三塁打、同4位の33二塁打を記録するなど、長打力にも磨きをかけた。
守備ではリーグ最多の22失策を記録したものの、守備機会は球団記録となる710に達した。
2016年は主に1番・遊撃手(1試合のみ2番で先発)で起用される。
レギュラーシーズンの一軍公式戦全143試合でフルイニング出場を果たした。
出塁率.367(リーグ10位)、プロ入り後初の2桁本塁打(13本塁打)、39打点、28盗塁を記録。
不動のリードオフマン(1番打者)として、リーグ最多の102得点を記録し、チームを25年振りのリーグ優勝に導いた。
オフには年俸7,800万円で更改した。
攻守にわたってマルチロールな存在
田中広輔選手は攻守両面においてバランスのとれた選手。
2016年の攻撃力の総合値を示すOPSは遊撃手の規定到達選手の中で2位となる.739。
守備範囲を測るUZRは遊撃手の中で5位の+4.2。
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元々代表に招集予定だった中島卓也(OPS.601 、UZR+15.2)、今宮健太(OPS.682.、UZR+2.4)選手の値と比べても遜色ない値を残している。
【2016年遊撃手OPS UZRランキング】
選手名 | OPS | UZR |
坂本勇人 | 0.988(1) | 13.8(2) |
田中広輔 | 0.739(2) | 4.2(5) |
中島卓也 | 0.601(10) | 15.2(1) |
今宮健太 | 0.682(5) | 2.4(6) |
※()内は遊撃手の規定打席到達者10名のランキング
ちなみに2016シーズン最も牽制球を走者にもらったのが田中広輔選手です。
侍ジャパンで期待される役割
基本的には遊撃手の坂本選手の控え兼内野のバックアップという形になる。
ここ2年間のブランクは気になるところだが、2014年は三塁手として39試合、二塁手として2試合公式戦に出場している。
今回の侍ジャパンで二・三・遊を守れる選手は5名しか登録されていない(山田、菊池、松田、坂本、田中)。
スタメンで出場する3選手を除くと2名しかベンチに残らない計算になる。
その中にあってユーティリティ性の高い田中広輔選手の存在は非常に重要な存在となる。
また、基本的に控えが想定されているとはいえ、菊池選手とは広島東洋カープで二遊間を組むチームメイト。
二人が同時に試合にでる可能性は微妙なところだが、試合に出ればコンビネーションに問題はない。
この辺りも今回田中広輔選手が選出された理由の一つだ。
広島カープ菊池涼介選手の守備範囲は歴代一位 侍ジャパンのあらゆる役割をカバー出来る男
まとめ
投手野手含めて28名という限られた選手枠の中でユーティリティ性の高い選手の存在は非常に重要。
今回の侍ジャパンは一塁手を除く内野ポジションを守れる選手が5名しかいない。
そんな中で攻守両面でマルチロールに活躍出来る田中広輔選手は戦術の幅を広げるうえで非常に重要なピースとなる。
出番は限られるかもしれないが、田中広輔選手の活躍に期待したい。
それでは、さようなら!
追記
2017年WBCで田中選手は3試合に出場し、8打数2安打1四球で打率.250、出塁率.333。
2盗塁、2得点と攻撃面でチームに貢献した。
一次ラウンド中国戦では1番ショート、二次ラウンドのオランダ戦では1番サードで先発出場するなど、攻撃のオプションとして重宝された。