労働者階級が住んでいた住宅と聞くとどんな家を想像されるでしょうか。
中には汚くて狭い牢獄のような住宅を想像する方もいるでしょう。
全世界の労働者階級の住宅事情までは把握していませんが、ここシドニーの19世紀の労働者階級の住宅環境はかなり水準の高いものだったようです。
今日は私が『Sydney museum pass』を使って体験したシドニーのロックスにあるスザンナプレイス博物館をご紹介します。
※なお、『Sydney museum pass』についてのご紹介と他の美術館については下記の記事を参照してください。
目次
SUSANNAH PLACE MUSEUMVAUCLUSE HOUSE
スザンナプレイス博物館は、1840年代の労働者階級の住宅をそのまま博物館にしており、当時の生活の様子を見ることができます。
場所とアクセス
サーキュラーキー駅から歩いて5分ほどあるところにあります。
ここはロックスという地域で白人オーストラリア発祥の地と言われています。
ちなみにロックスの雰囲気はこんな感じです。
日本で言うと横浜に近い雰囲気です。
展示品
1844年に建てられた4棟が連なったテラスハウス(棟割り長屋)が博物館となっている。
煉瓦の共同住宅は、シドニーの伝統的な建築スタイル。
アイルランドからの移民によって建てられてから、150年にわたり労働者階級の人々が住み続け、のべ100家族以上が生活していた。
当時の面影を残した内部は、19世紀と20世紀の装飾や調度品、壁紙、床板に至るまで人の生きた証が感じられ、生の歴史に触れることができる。
当時は彷彿とさせる食料や飲料、生活用品などが並んでいる。家具や調達品は当時のままを維持することにつとめられている。
外観と実際の中の様子
洗練されたロックスの雰囲気とは一線を画して、古びた長屋がありました。
当時の風景がここにだけ残っていることが強く印象に残りました。
私は後述するツアーの予約をしていたのですが、私がツアー開始時間の5分前に博物館についた時には既に他のツアー客の方がいました
10人が限度のツアーなのですが、アジア人は私だけでした。
私はアジア人以外(主に東アジアだけ)の区別がつかなくて全員オージーだと思っていました。
ただ、ツアー参加後に聞いてわかったのはアメリカ、カナダ、ドイツ、フィンランド、ケアンズ州(オーストラリア)の人ばかりで、地元シドニーの方はいませんでした。
時間になるとツアーが開始。
最初は小さな部屋に連れて行かれて映画を見ました。
小さなテレビを使って、この博物館についての紹介が10分ほど流れました。
ツアー終了後に年配のオージー女性ガイドの方が入ってきました。
軽く自己紹介があったあと建物の中を案内されました。
館内は以前紹介したエリザベスファームよりはランクが落ちるものの、私の想像以上に綺麗な内装でした。
こちらがリビングです。
そして二階に上がったところに寝室があります。
クッションのしっかりした布団と鏡台があり、一定水準の生活がなされていた様子が伺えます。
家の外には当時のトイレがありました。
ちなみにですが、トイレが外にあるため非常用の小さな桶がベットに下に用意してあります。
どうしても我慢できない急を要す場合はそれを使っていたそうです(笑)
次に向かったのは離れにあるキッチン。
写真が不鮮明で申し訳ないのですが、机の上に置いてあるのは当時のレシピです。
細かい調理手順が書かれており、当時の生活がありありと浮かんできました。
ちなみに下の写真はなんだと思いますか?
正解は冷蔵庫です。
ちなみに同時代の日本は江戸時代ですが、その時日本には冷蔵庫はありません。
この点では日本より当時のシドニーの方が発達していたことが伺えます。
最後に向かったのがお風呂場です。
家の離れにあって冬場は大変そうですが、これがリアルな当時の人の暮らしなのでしょう。
といった感じでツアーは終了です。
ガイドの方が丁寧にタブレットを使いながら説明してくれるので、45分ほどかかります。
ちなみに受付兼お土産ショップはこんな感じです。
当時のお菓子や石鹸、食器、掃除器具などが売ってあります。
感想
前回ご紹介したエリザベスファームとは違って家のランクはワンランク落ちます。
部屋の広さや通路、階段の狭さ。一番驚いたのは天井の高さです。
身長170cmの私でも届きそうな高さだったので、大柄なオージーにとっては窮屈だったことが想像できます。
そこは実際に足を運んでみての意外な点でした。
同じ時代でも階級や住んでいる場所によって生活水準の違いが異なることが学べるので、こちらとエリザベスファーム両方に行って違いを比較することをオススメします。
開館時間
開館日:毎日
開館時間:14時~17時
ツアー開催時間:14時から30分ごとに開催
注意点:ツアーに参加しないと博物館に入ることは出来ません。
地球の歩き方やその他の日本語で書かれたウェブページではこのことが書かれていなかったりしますので、ご注意ください。
現地の英語で書かれたウェブページにもこの博物館にはツアー参加者のみ入場可と書かれています。
また、人数制限が10名なので、早めに電話か現地に行って予約するのをオススメします。
私は今日以外にも二度行ったのですが、満員で参加できないことがありました。
まとめ
異なる博物館に行くことで、同時代でも違った生活があったことを学ぶことができました。
また、実際に足を運んで体験しなければ気づけないことにたくさん触れることが出来ました。
やっぱり博物館巡りはやめられません!
それでは、さようなら!
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